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こんな方におすすめの記事
- ゲームやスマホをやめさせようとするたびにケンカになってしまう方
- 約束を決めても毎回崩れてしまい、どうしたらいいか途方に暮れている方
- 「何度言っても守らない」と、子どもへの怒りが止まらなくなっている方
- 子どもとの会話をもっとおだやかにしたいと思っている方
- 禁止・取り上げではなく、「一緒に考える」関わり方に変えたい方

「ゲームは1時間まで、って決めたのに全然守らない」
「約束の時間になるたびにケンカになって、もううんざり…」
そんなふうに感じているご家庭、実はとても多いです。
スマホやゲームの時間制限は、現代の子育てで最もよく聞く悩みのひとつ。でも、ルールを決めたのにうまくいかない理由のほとんどは、ルールの「内容」ではなく「作り方」にあります。
この記事では、一方的な制限から卒業して、親子が穏やかに過ごせる「約束の作り方」について、実践的な方法をお伝えします。
スマホ・ゲームのルールは、うまくいかなくて当たり前
まず、最初に伝えておきたいことがあります。
スマホやゲームに関するルール作りは、子育ての中でもとくに難しい問題のひとつです。
そもそも、ルールを「作る」こと自体が難しい。そのうえ「守ってもらう」となると、さらにハードルが上がります。
しかもスマホやゲームは、大人でもやめられないほど強い引力を持つように設計されています。ゲームにはレベルアップや達成感など、脳の報酬系を刺激する仕組みが組み込まれており、「もうちょっとだけ」という感覚は子どもにとって抗いにくいものです。
だから、約束がうまくいかなくても、お子さんのせいでも、あなたのせいでもありません。
「また怒鳴ってしまった」「また同じことの繰り返しだ」と落ち込んでしまうこともあると思います。でも、それはそれだけ真剣に向き合ってきた証拠です。うまくいかない日があっても、少しずつ積み上げていけば大丈夫。完璧を目指さなくていいのです。
この記事が、少し肩の力を抜いて取り組むためのヒントになれば幸いです。
なぜ「決めたルール」は守られないのか

子どもにとっては「決めさせられた」
お子さんが約束を守れないとき、それは「やる気がない」「だらしない」からではないことがほとんどです。
子どもの視点から見ると、こんなふうに感じていることが多いのです。
- 「どうしてここで終わりにしなきゃいけないの?」
- 「自分は何も言えなかった」
- 「どうせ言っても変わらないし…」
特に小学生の時期は、「自分で決めたい」「納得したい」という気持ちが急速に育ってくる時期です。大人が一方的に決めたことに対して反発するのは、むしろ発達的に自然なことでもあります。
「約束を守る」には「納得感」が必要
心理学の研究でも明らかになっていますが、人間は「自分が関わった決定」には責任感を持って取り組もうとする傾向があります。これを「自己決定」の力と言います。
逆に、誰かに決められたことに対しては、たとえ内容が正しくても、反発や無気力が生まれやすい。これは子どもだけでなく、大人にも当てはまる人間の自然な反応です。
だから「ちゃんと約束したはずなのに」という場合も、お子さんの中に本当の納得がなかった可能性があります。
親子で「本当の約束」を作るためのステップ
では、どうすれば守られやすい約束になるのでしょうか。ポイントは「一緒に作る」こと。以下のステップを参考にしてみてください。
ステップ1:話し合いの場を「設ける」
いきなりその場で「今日からこうして」と伝えるのは、子どもにとっては突然の宣言です。
「ちょっと話し合いたいことがあるんだけど、今夜ごはんの後でいい?」
こんなふうに、あらかじめ話し合いの時間を設けることが大切です。
「ちゃんと話し合う場がある」ということ自体が、子どもにとっての安心感につながります。「自分の意見が聞いてもらえる」という信頼が生まれると、話し合い自体がずっとスムーズになります。
ステップ2:まず「子どもの話」を聞く
話し合いが始まったら、最初にルールを提示するのではなく、まず子どもに話してもらうことを意識してみてください。
こんな質問が糸口になります。
- 「最近、ゲームや動画ってどんなときが一番楽しいと思う?」
- 「やめるときって、どんな気持ちになる?」
- 「もし自分でゲームのルールを決めるとしたら、どうしたい?」
子どもが「わかってもらえた」と感じると、その後の話し合いがずっと進めやすくなります。
また、お子さんの答えの中に、意外な本音が隠れていることも多いです。「区切りのいいところまでやりたい」「ボスを倒すと決めてからやめたい」など、子どもなりの理由がわかると、ルール作りのヒントになります。
ステップ3:親の気持ちも「I(アイ)メッセージ」で伝える
子どもの話を聞いたら、次は親の気持ちも正直に伝えます。このとき大切なのが、「I(アイ)メッセージ」という伝え方です。
「I(アイ)メッセージ」とは、「私は〜と感じている」という形で自分の気持ちを伝える方法です。
| よく使いがちな言い方(Youメッセージ) | I(アイ)メッセージに変換 |
|---|---|
| 「あなたはいつも約束を守らない」 | 「約束の時間になっても終われないと、私はとても心配になる」 |
| 「ゲームばかりしてダメな子ね」 | 「ゲームが長くなると、宿題や睡眠のことが心配で…」 |
| 「何度言ったらわかるの」 | 「同じことを伝え続けると、私も正直しんどくなってしまって」 |
「あなたが悪い」ではなく、「私はこう感じている」という言い方は、子どもが防御態勢に入らず、話を受け取りやすくなる効果があります。
ステップ4:一緒にルールを「書き出す」
お互いの気持ちを共有したら、いよいよルール作りです。ポイントは一緒に書き出すこと。
「何時までにする?」「どんなときは例外にする?」を、子どもに考えてもらいながら書いていきます。
最後に親子でサインをして、冷蔵庫や部屋の目立つ場所に貼っておくと「自分たちが作ったルール」という意識が持続しやすくなります。
スクリーンタイムの目安を知っておこう
ルール作りの前に、一つ参考になる指標をお伝えします。
WHO(世界保健機関)をはじめ、多くの国の小児科学会が共通して示しているのが「娯楽目的のスクリーンタイムは1日2時間まで」というガイドラインです。
これはゲームもスマホも動画も含む、画面全体の時間の目安です。日本小児科学会なども同様の方針を示しています。
「2時間」はあくまで目安であり、お子さんの年齢や生活リズムによって調整が必要です。ただ、「何時間が適切か」と迷ったとき、世界的な専門機関が示す「2時間」を一つの基準として話し合いのスタート地点にするのはとても自然なことです。
「世界中の専門家が2時間って言ってるんだって」という伝え方は、親が一方的に決めたルールより、子どもにも受け入れられやすいことがあります。
約束の内容:チェックリストを参考に話し合おう

「何を約束するか」に迷ったときは、以下の項目を参考にしてみてください。親子で話し合いながら、わが家に合うものを選んでルールにしていきましょう。
すべて守ろうとする必要はありません。まずは3〜5つ選んで、少しずつ増やしていくのがおすすめです。
⬜ 宿題や家のことを終わらせてからゲーム・スマホを使う
先にやるべきことを済ませてから、というシンプルな順番のルール。「終わったよ」と報告してから始める習慣をつけると定着しやすいです。
⬜ スマホ・ゲームは合わせて1日2時間まで
WHOなど世界的な専門機関が示す目安です。平日と休日で分けて決めてもよいでしょう。
⬜ 30分使ったら、15分は画面から離れる
長時間連続して使い続けることを防ぐための「休憩ルール」。目の疲れ・肩こり・姿勢の崩れを防ぐ効果もあります。
⬜ 目と画面の距離は30cm以上離す
視力への影響を減らすために大切な習慣です。ルールとして意識するだけで変わります。
⬜ 音量を上げすぎない
ヘッドフォン・イヤホン使用時は特に注意。耳への負担を減らします。
⬜ 夜8時以降はゲーム・スマホを使わない
睡眠前の強い光刺激は、睡眠の質に影響することがわかっています。「8時まで」などの時間ルールは明確で守りやすいです。
⬜ 寝る1時間前には画面を見るのをやめる
就寝前の時間は、脳を落ち着かせる大切な時間。ゲームや動画の興奮が寝つきを悪くすることもあります。
⬜ ゲームで興奮しても、乱暴な言葉は使わない
対戦ゲームなどで感情が高ぶったとき、言葉が荒くなることがあります。家族への言葉づかいについてもルール化しておくと安心です。
⬜ 目が疲れたら、遠くを見たり目を閉じたりする
目の筋肉をほぐす「目の運動」を習慣にしましょう。カーテンを開けて外を眺めるだけでも効果があります。
⬜ 生活リズムを乱さない(食事・睡眠・学校の準備を優先する)
「ゲームのせいで生活が乱れない」という基本的な考え方をルールとして明文化しておくと、話し合いの土台になります。
「相互約束」でお互いの信頼を深めよう
ここで、一つ大切な提案があります。
ルールは子どもだけに作るものではありません。子どもから親への「お願い」も聞いてみましょう。
「じゃあ、あなたが大人にしてほしいことは何?」と聞いてみると、子どもから意外な本音が出てくることがあります。
たとえば、こんなお願いが出てくることがあります。
- 「大きな声で怒鳴らないでほしい」
- 「やってないって決めつけないでほしい」
- 「できたときはちゃんと褒めてほしい」
- 「急に取り上げるのじゃなくて、一言声をかけてほしい」
- 「自分のスマホもずっと見てるじゃん、って思ってる」
…最後のひとつ、ちょっとドキッとしますよね。でもこれが正直な子どもの気持ちだったりします。
大切なのは、どちらかだけがルールを押しつけられる関係にしないこと。
お互いが「守ってほしいこと」を出し合い、両方の名前でサインをした「相互約束書」を作ると、ぐっと対等な関係になります。
大人もルールを破ることがある、子どももルールを破ることがある。そのことをお互いがわかっていると、破れてしまったときの関係が変わります。「一緒に守っていこうね」という姿勢が、穏やかな親子関係の土台になります。
約束を「長続きさせる」ためのコツ
せっかく一緒に作った約束も、時間とともに崩れてしまうことがあります。続けるための工夫をいくつかご紹介します。
「完璧に守る」より「振り返りをする」
約束が崩れたとき、すぐに叱るより「振り返りの場を作る」ほうが長続きにつながります。
週に一度、5分程度の「どうだった?」という振り返りタイムを設けるだけで、ルールが「生きたもの」になっていきます。
- 「今週はどうだった?」
- 「難しかったところはある?」
- 「来週はどうしたい?」
振り返りを重ねることで、お子さんは「自分でコントロールする力(自己調整力)」を少しずつ育てていきます。
「ちょっとの違反」はスルーしていい
ここで一つ、正直にお伝えします。
ルールを少し破ってしまったとき、気づいても知らんふりでいいことがあります。
我が家の場合、ゲームは「45分まで」という約束なのに、こっそり50分にしていることがあります。タイマーを自分でセットしているので、こっそり伸ばしているわけです。これに気づいたとき、どうするか。
毎回指摘して怒っていたら、子どもはどこかで「どうせバレる」「隠れてやろう」という気持ちになっていきます。
少しのオーバーはスルーして、明らかなルール違反(1時間以上超える、宿題をせずに夜中までやるなど)があったときだけ話し合うという姿勢が、長い目で見るとうまくいきやすいです。
ルールにがんじがらめになるのは、子どもにとっても、親にとっても、しんどいものです。「だいたいできてる」を認めてあげることが、続けていく力になります。
タイマーを「子どもが自分でセット」する
「時間になったら終わり」というルールでも、タイマーを親がセットするか、子どもがセットするかで大きな違いがあります。
自分でタイマーをセットすると、「自分で決めた時間」という感覚が生まれます。時間が来たとき、「止められた」ではなく「自分で決めた通りになった」と感じやすくなります。
シンプルなことですが、試してみると手ごたえが違います。
60分までのタイマーでやり過ぎを防止します。残り時間が視覚的にわかるタイマーです。

「守れた日」を見える化する
カレンダーにシールを貼ったり、マグネットで記録したりするのも効果的です。「守れた」「できた」という成功体験の積み重ねが、続ける力につながります。
特に低学年のお子さんには、視覚的な達成感はとても大きなモチベーションになります。
台紙とシールがセットになっているのですぐ始められます。

ルールは「1か月で見直す」と決めておく
「このルールはずっとこう」ではなく、最初から「1か月後に見直しましょう」と決めておくと、子どもにとっての抵抗感が下がります。
「守れそう?」「ちょっと厳しかった?」という見直しの場があることで、子どもは「意見を聞いてもらえる」と感じ、次の約束にも前向きになりやすいです。
「約束を破ったとき」の対応で関係が変わる
どんなに工夫しても、約束が守れない日は必ず来ます。そのときの親の対応が、信頼関係に大きく影響します。
やってしまいがちな対応(と、その副作用)
| 対応 | 子どもの内側で起きていること |
|---|---|
| すぐに機器を取り上げる | 「どうせ取られる」→ ルールへの不信感 |
| 「だから言ったでしょ」と繰り返す | 「どうせわかってもらえない」→ 話し合いの意欲が低下 |
| 罰則として他の楽しみも制限する | 「もっとひどくなった」→ 反発・関係悪化 |
穏やかに伝えるための「3ステップ」
1. まず落ち着く(親自身が深呼吸する)
感情的になっているときに話しても、言葉は届きにくい。まず自分が落ち着くことが最優先です。
2. 事実と気持ちを短く伝える
「時間を15分過ぎているよ。お母さん(お父さん)はちょっと心配した」と、シンプルに伝えます。長々と説教するよりも、短くて誠実な言葉のほうが刺さります。
3. 一緒に「次はどうする?」を考える
責めるのではなく、「次はどうしたらうまくいきそう?」と問いかけます。子ども自身に解決策を考えてもらうことで、次への主体性が生まれます。
約束の前に知っておきたい「子どもの脳」のこと
小学生の時期は、脳の「前頭前野」(がまんする・計画する・時間を管理するなどを担う場所)がまだ発達の途中にあります。
つまり、「頭ではわかっているのに、やめられない」のは、ある程度は脳の発達の問題でもあります。意志が弱いのでも、だらしないのでもありません。
だからこそ、「できて当然」と思わず、できたときに「できたね!」と一緒に喜ぶことが大切です。そして、できなかったときも「じゃあ次はどうしようか」と問いかける姿勢が、子どもの自己調整力を育てることにつながります。
AI時代だからこそ、「自分でコントロールする力」を育てたい
スマホもゲームも、これからの時代を生きる子どもたちにとって切り離せないツールです。親世代が経験してきたとは全く違うデジタル環境の中で育っている子どもたちに、「使いこなす力」「自分で管理する力」を育てることは、AI時代を生き抜くための本質的なスキルでもあります。
「禁止する」「取り上げる」ではなく、「どう付き合うかを一緒に考える」という関わり方は、単なるスマホ問題の解決にとどまらず、子どものことばの力・自己表現の力・話し合う力を育てることにもつながっています。
親子で話し合う経験そのものが、子どものことばを豊かにしてくれます。

まとめ:「一緒に作った約束」が穏やかな日常をつくる
今日お伝えした「約束の作り方」を振り返ってみましょう。
- スマホ・ゲームのルール作りはもともと難しい。うまくいかなくて当然と知っておく
- スクリーンタイムの目安は1日2時間。話し合いのスタート地点に
- 話し合いの場を事前に設ける(突然のルール宣言をやめる)
- まず子どもの話を聞く(気持ちと理由をていねいに聞く)
- I(アイ)メッセージで親の気持ちを伝える(責めない、自分の言葉で話す)
- チェックリストを参考に、一緒にルールを選ぶ(子どもが関わることで責任感が生まれる)
- 相互約束にする(子どもからのお願いも聞いて、対等な関係を作る)
- 少しのオーバーはスルーする(ルールにがんじがらめにならない)
- 振り返りと見直しを定期的に行う(完璧でなくていい、続ける仕組みをつくる)
「なんでできないの!」と怒鳴ってしまった夜のことを思い出すとき、それはきっと、あなたがそれだけ真剣に子どものことを考えているからです。
うまくいかなくて当然。それでも、少しずつ「一緒に作る」関係に変えていけたら、きっと日々の空気が変わっていきます。
まずは一つ、試してみてください。
参考にしたい本
スマホやゲームとの向き合い方、子どもの自己調整力について、より深く知りたい方におすすめの本をご紹介します。
関わり方・コミュニケーションを学ぶ
『子どもが聴いてくれて話してくれる会話のコツ』天野ひかり 著
テレビでも活躍する育児コミュニケーションの専門家による一冊。親子の対話をスムーズにするための具体的なフレーズが豊富で、「I(アイ)メッセージ」の実践にもヒントが得られます。日常のちょっとした言い換えで、子どもとの関係がぐっと変わることに気づかせてくれます。
『怒らない技術』嶋津良智 著
感情的になってしまいがちな場面を、どう乗り越えるか。親自身の心の整え方を学ぶのに役立つ一冊。「落ち着いてから話す」という姿勢を実践するためのヒントが得られます。
子どものスマホ・デジタル問題を深く知る
『スマホ脳』アンデシュ・ハンセン 著
スウェーデンの精神科医が書いた世界的ベストセラー。スマートフォンが子どもの脳や集中力・睡眠・メンタルに与える影響を科学的に解説しています。「なぜ制限が必要なのか」を親自身が納得するための一冊として、多くのご家庭で読まれています。
『スマホはどこまで脳を壊すか』榊浩平 著
最新の脳科学の知見をもとに、スマホが子どもの発達に与える影響をわかりやすく解説した一冊。「小学生のうちに知っておきたい」情報が詰まっています。
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