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こんな方におすすめの記事
- 入学後に読み聞かせをやめたら、子どもが本から遠ざかってしまった
- 読み聞かせは大好きなのに、自分では全然読もうとしない
- 一人で読み始めたけれど、どう関わればいいかわからない
- 子どもに合った本の選び方がわからない
- 読み聞かせを続けていると、自分で読む力がつかないか心配
小学校に入学するころ、読み聞かせが習慣になっていたご家庭も多いのではないでしょうか。
でも入学後、「もう自分で読めるから大丈夫かな」と読み聞かせをやめたら、気づけば子どもが本から遠ざかっていた——そんな経験をされた方は少なくないと思います。
あるいは、「読み聞かせは大好きでせがんでくるのに、自分では全然読まない」という状況に悩んでいる方もいるかもしれません。
読み聞かせと一人読書の間には、大きな壁があります。でも、その壁はちょっとした工夫でぐっと低くなります。今回は、読み聞かせから一人読書へと自然につなげていくための考え方とヒントをお伝えします。

読み聞かせから一人読書へ、どう移行すればいい?
結論:読み聞かせをやめずに続けながら、少しずつ一人読書の割合を増やしていくのが最もスムーズな移行方法です。
「もうひらがなが読めるから、自分で読ませてみよう」と思ったとき、読み聞かせをきっぱりやめる必要はありません。読み聞かせは「本は楽しいもの」という感覚を保ち続ける大切な時間であり、その安心感があるからこそ、一人で読む挑戦もできるようになります。
移行のイメージは、補助輪つきの自転車と同じです。最初は補助輪(読み聞かせ)があって、次第に支える手が少なくなって、やがて一人で走れるようになる。その過程を、焦らず一緒に歩んでいきましょう。
一人読書への移行ステップ
読み聞かせをベースに、一人読書の割合を少しずつ増やしていくイメージです。
| ステップ | 読み聞かせ | 一人読み | 目安となる本 |
|---|---|---|---|
| 1 | ◎ メイン | なし | 文字が少ない絵本 |
| 2 | ◎ 続ける | 少し試してみる | 文字が少ない絵本 |
| 3 | ○ 続ける | 少しずつ増やす | 文字が程よい絵本 |
| 4 | ○ 続ける | 半々くらい | 文字が多い絵本 |
| 5 | ○ 続ける | メインに | 低学年向け児童書 |
| 6 | △ 気が向いたら | 一人読書が定着 | 好きな本を自分で |

ポイントは、どのステップでも読み聞かせをやめないこと。 一人読書が増えてきても、読み聞かせは「本を楽しむ時間」として続けていきましょう。
また、読み聞かせと一人読書を行ったり来たりしていいことも覚えておいてください。一人読書を始めても、ときどき読み聞かせに戻ることがあっていいのです。長い目で見守ることが、本当の読書好きを育てます。
「読み聞かせを続けると自分で読まなくなる」は本当?
結論:読み聞かせが一人読書の妨げになることはありません。むしろ、読み聞かせが一人読書へのきっかけになります。
「読んでもらうことに慣れてしまって、自分で読む力がつかないのでは?」と心配される親御さんは多いのですが、安心してください。読み聞かせで「この本、面白かった!」と感じた体験が、「自分でも読んでみたい」という気持ちに自然とつながります。
面白い本に出会えたとき、子どもは自分から読み始めます。とにかく、その子が一番興味を持っているテーマの本を見つけて読んであげることが大切です。
なぜ入学後に子どもは本から遠ざかるの?
入学後に読み聞かせをやめると、本との接点そのものがなくなってしまうことが主な原因です。
子どもが本から遠ざかる理由は、主に3つあります。
- 読み聞かせが「本との唯一の接点」だった:就学前は、親が読んでくれる声・温かさ・ストーリーがセットで「本は楽しいもの」という感覚を育てていた。読み聞かせをやめると、この接点がなくなる
- 「読める」と「読みたい」は別物:ひらがなが読めるようになっても、一人で本を読むことは思いのほかエネルギーを使います。読み聞かせで聞いていたときより「しんどい」と感じるのは自然なこと
- 楽しさより努力が先に立つ:一人読書では、文字を読む・意味をつかむ・話の流れを追うことを同時にこなさなければならず、最初は「がんばらなきゃ」という感覚が先に立ちやすい
学校司書として見ていて思うこと:「図書の時間」がなくなる学年で分かれます
もうひとつ、学校の中から見ていると、はっきり分かれるポイントがあります。
学校や地域の方針にもよりますが、小学校には「図書の時間」があります。わたしの住んでいる地域では、1年生と2年生には図書の時間があり、毎週決まった曜日・時間に図書室へ来て、読み聞かせを聞いて、本を借ります。
この時間があると、どんな子にも本を選んで読む機会が生まれます。借りるだけで読まないまま次の週になり、そのまま返す子もいます。それでも、本に触れる機会はあります。本棚を眺めて、面白そうだなと思って、借りる。これだけでも、本は身近な場所にあります。
ところが3年生になって図書の時間がなくなると、自分で時間を見つけて図書室に行くことになるので、本を借りる子と借りない子がはっきり分かれます。
家で読んでいたり、読み聞かせをしてくれる先生が担任だったりすればいいのですが(このケースは本当にラッキーです)、そうでない場合、本と触れる機会がゼロになります。本が遠い存在になると、本を読まなくなります。
そもそも図書の時間がない学校では、本と接する機会が入学を機に一気に減ります。
小学校ではひらがな・カタカナ・漢字を習っていき、自分で文章は読めるようになります。でも、文章を「楽しむ」ようになるまでには、もっと時間が必要です。低学年の子に初めての本を音読してもらうと、そのゆっくりさに気づきます。読みまちがえも、まだ多いのです。
この状態では、本を楽しむところまで届きません。そして「本は難しい」「自分は本を読めない」「本は苦手」となってしまいます。
だからこそ、大人が子どもと本の距離を近くにし続けることが大切です。日常に本がある環境をつくること。そして小学生になっても、読み聞かせを続けてあげてほしいのです。
子どもが本を読まないのは、意欲がないから?
結論:多くの場合、意欲の問題ではなく「本との出会い方」の問題です。
子どもたちは本来、学ぶことへの憧れを持っています。文字を覚えたいと思っています。自分で本が読めるようになりたいと思っています。「うちの子は読書に興味なさそう……」と感じることがあっても、それはまだ「自分にとって面白い本」に出会えていないだけかもしれません。
子どもが本に向かえないとき、この視点を持っておくだけで、関わり方がずいぶん変わってきます。
「そうは言っても、うちの子はもう何か月も1冊も読んでいない」という場合は、まず0冊から抜け出すところが出発点になります。その手順は、こちらの記事にまとめました。

読書習慣をつけるには毎日何分読めばいい?
結論:1日10〜15分、好きな本を自分で選んで読むだけで十分です。
研究によると、好きな本を自分で選んで1日10〜15分読む時間を設けるだけで、発音の正確さや読書スピードの向上に加えて、読書へのポジティブな態度が高まったという結果が出ています。
「毎日長時間読ませなきゃ」と気負う必要はありません。毎日たった10〜15分、楽しく読む経験を積み重ねることが、読書習慣づくりの確かな土台になります。
また、この毎日の読書を「読解力」につなげる読み方のコツは、小学生の読解力のつけ方の記事で紹介しています。
子どもが自分で本を読み始めたら、どう関わればいい?
結論:読んでいる最中は邪魔せず、読み終わったあとに「面白かった本、教えてね」と一声かけるだけで十分です。
子どもが一人で本を読み始めた瞬間は、大きな成長です。そこで声をかけて、せっかく自分で読んでいる時間を遮ってしまうのはもったいない。その時間をそっと見守りましょう。
読み終わったあとの「面白かった本、お母さんにも教えてね」という一言が、読んだことへの満足感を高め、次も読もうという気持ちにつながります。

親の好きな本を読んであげるという選択肢
子どもが一人読書に慣れてきたころ、こんな提案をしてみるのもおすすめです。
「今日は、お母さんの好きな本を読んであげようか」
親自身が好きな本・大切にしてきた本を、文字通り読んであげる。親の好きな本を読んであげることは、その人の生きる哲学、価値観、「こんなふうに生きてほしい」という思いを、本を通して子どもに伝えることになります。言葉で伝えるより、ずっと自然に、深く届くことがあります。
子どもが本を自分で選ぶようにするには?
結論:「この本を読みなさい」と命令せず、子ども自身に選ばせることが読書習慣の近道です。
子どもは命令されることを嫌います。「この本を読みなさい」という言葉は、たとえ良かれと思ってのことでも、「やらされている」という感覚を生んでしまいます。
さらに気をつけてほしいのが、子どもが選んだ本を否定することです。学年より簡単すぎる、難しすぎると感じても、子どもが選んだ本を横に置いて別の本をすすめてしまうと、そこで本嫌いになっていくこともあります。
面白いことに、子どもたちは「自分で本を選びたい」ということを言葉で自覚しているわけではありません。ただ、「読みたいから読みたい」のです。その純粋な気持ちを大切に扱うことが、長い目で見たときに一番の読書習慣につながります。
図書館や本屋で一緒に時間をかけて選ぶ時間そのものも、本への興味を育てます。「どれにしようかな」と棚の前で迷う時間が、すでに読書体験の始まりです。
図書室で「やっぱりいいや」と帰ってしまう子に、かけている言葉
とはいえ、「自分で選ばせる」と言われても、選べない子はいます。
図書室に来て本棚を見たのに、「やっぱりいいや」と言って帰ってしまう子がいます。図書室まで来ているのですから、本を読みたい気持ちはあるのです。
でも、読むのが苦手だと自分で思い込んでいることがあります。表紙を見て面白そうだと本を開いても、挿絵が少ないとわかったとたんに「無理」と言って本棚に戻してしまう——これは本当によくある光景です。
でも、よっぽど難しい本でなければ読めます。習っていない漢字がたくさん出てくるとさすがに読めないので、習っている範囲の漢字で書かれた本や、漢字にルビがふってある本を選ぶといいです。
「おもしろそう」と思ったのなら、ぜひ読んでほしい。「おもしろそう」という気持ちは、どの子も持てます。小学生向けの本は、小学生が「おもしろそう」と思うような表紙やタイトルになっているのですから。
そういうとき、わたしはハードルを下げる言葉をかけています。
| ためらっている理由 | かける言葉 |
|---|---|
| 分厚くて読み切れなそう | 「短いお話が何個か入っている本だから、1つのお話は10分で読めるよ」「一気に読まなくてもいいんだよ」 |
| 自分に関係なさそう | 「この表紙の子、小学4年生なんだって。同じだね」 |
| 時間がかかりそう | 「1日10分で、1週間で読み終わるよ」「先生も、本は何日かに分けて読むよ」 |
| 好みに合うかわからない | 「コナンみたいな謎解きが出てくるよ」(その子の好きなものに寄せる) |
| 最後まで読めるか不安 | 「味見してみてもいいよ。自分と合わないと思ったら、途中でやめてもいいんだよ」 |
とくによく効くのが、主人公と自分の共通点を伝えることです。「同じ学年だよ」の一言で、一気に惹かれる子がたくさんいます。ご家庭でも使える声かけなので、よかったら試してみてください。
子どもが途中で本を読むのをやめたら?
結論:「途中まで読んだ」と前向きに捉えてください。最後まで読まなくていいと許可することが、長期的な読書好きにつながります。
子どもが本の途中で読むのをやめてしまうことは、よくあることです。でも、それは失敗ではありません。大人だって、本を一気読みすることは珍しいですよね。 読みかけの本にしおりをはさんで、また違う時間に読み続ける——それが本との自然な付き合い方です。
お子さんにも、ぜひしおりをプレゼントしてみてください。
好きな色の折り紙を折っただけのもので十分です。子どもは自分だけのしおりをとても喜びます。しおりをはさんだ本には「続きがある」という特別感が生まれ、また読みたいという気持ちを自然に盛り上げてくれます。
1冊を読み切らなければいけないというプレッシャーは、子どもを読書から遠ざけます。とくに真面目な子ほど「ちゃんと読まなきゃ」と感じやすく、読み切れないと自己嫌悪になってしまうことがあります。
「最後まで読まなくていい」「面白くなければやめていい」という許可を与えることが、読書を長く続けるための土台になります。
図書室では、まず「やめた理由」を聞いています
図書室で途中でやめてしまった子には、まずやめた理由が何なのかを知ろうとします。
途中で飽きてしまった、面白くなくなった。それならやめてOKです。本は最後まで読まなければいけないものではありません。途中で「もういいかな」と思ってもいい。わたし自身も、そうしています。
「この後に面白いことがあるかも」と思っても、いま読んでいる場所が面白く思えないなら、読み進めるのは難しい。そして我慢して読んだ先に面白いことがなかったら、がっかりしてしまいます。
いったんその本から離れても、ふと「あの後どうなったんだろう」と思って戻ってくることもあります。だから無理強いはしません。読んでいるその瞬間が楽しいことが、いちばんです。
「読めなかった、ごめんなさい」と言う子がいます
本を返すときに、「時間がなくて読めなかった、ごめんなさい」と言う子がいます。
これを聞くたびに思います。その子のなかで、本が「読まなければならないもの」になってしまっているのです。
読まなくてOKです。読みたい気持ちが残っているなら、また借りればいい。その本よりも楽しいことがあったのなら、それは素敵なことです。他の本のほうに惹かれるなら、そちらに移っていってOK。
目移り歓迎、味見歓迎。それくらいでちょうどいいと思っています。
また、一人読書での関わり方として以下のポイントも意識してみましょう。
- 精読にこだわらない:わからない言葉があっても飛ばしてOK。楽しく読めることを最優先に
- 読み返しをすすめる:「もう一回読んでみたら?」繰り返し読むことで理解が深まる
- わからないときは親に聞いていい:「わからない言葉があったら聞いていいよ」と伝えておく
- 読んだあとに一言おしゃべりする:「どんな話だった?」感想を話せる相手がいることが意欲につながる

親はどこまで関わればいい?干渉しすぎに注意
結論:「今日は読んだ?」と頻繁に確認するのは逆効果です。読んでいたら一声かける程度の、そっと支えるイメージが大切です。
読書を習慣にしてほしいという気持ちから、ついつい「何ページ読んだの?」と頻繁に確認したくなるかもしれません。でも、あまり頻繁に関わりすぎると、子どもは「読書を監視されている」と感じ、読む気が失せてしまうことがあります。
読書習慣づくりは長期的なアプローチです。なかなか結果が見えない時期もあるでしょう。そんなときは、「子どもは必ず、面白い本との出会いを待ち望んでいる」ということを信じてみてください。今はまだその本と出会っていないだけかもしれません。
「どんな話だった?」を聞きすぎて、反省したことがあります
偉そうに書いていますが、わたしも失敗しています。
自分が知っている本を子どもが読んだあとに「どんな話だった?」と聞くのは、あまりよくないと感じています。内容をちゃんと読めているかテストするような気持ちが、どこかにあるからです。
そして子どもは、それを感じ取ります。「正解を言わなくては」と身構えて、気まずい空気になってしまう。
あるとき、読む前に「また本の中身、聞くの?」と言われました。嫌だったんだな、と分かって、とても反省しました。
じつはわたし自身、子どものころに同じことをされています。父が読書をさせたかったらしく、本を読んだあとに「どんな本だった?」と聞かれるのですが、これが嫌でした。「面白くなさそうだから読まなかった」とは、言えないのです。そして無理に読む本は、やっぱり面白くありませんでした。
嫌だったはずのことを、自分もやっていたわけです。
感想を聞くこと自体はOKです。子どもも聞いてほしいかもしれないし、話すことで気持ちが整理できるかもしれない。ただしテストではなく、自由な会話として。
「そんな話だったかな」「肝心なところがうまくとらえられていないかも」と思っても、そこはぐっとこらえます。「そうなんだね」と、子どもの感想を全肯定するのがよさそうです。
読書に集中できる環境を整えてあげよう
結論:YouTubeやスマホの音・画面が見えたり聞こえたりする環境では、読書に集中するのはとても難しいです。読む時間だけは、静かな環境をつくってあげましょう。
読書は、自分で文字を目で追い、意味を理解し、頭の中で場面を想像する作業です。実はこれ、子どもにとってかなりのエネルギーを使う活動です。大人が思う以上に、集中力を必要とします。
そんなときに、近くでYouTubeの音が聞こえていたり、誰かがスマホを操作していたりすると、子どもの意識はあっという間にそちらに引きつけられてしまいます。これは意志の弱さではありません。動画や音声は、静止した文字よりもはるかに強い刺激で脳の注意を奪うように設計されているからです。
読書の時間には、できるだけ次のような環境を整えてあげましょう。
- テレビ・YouTube・ゲームを消す:音だけでなく、画面が視界に入らないようにする
- スマホをしまう:親自身のスマホも、できれば別の部屋に
- 静かな場所で読む:リビングより、落ち着ける自分の部屋や、図書館のような静かな空間が理想的
- 読書タイムを決める:お風呂あがり・寝る前など、毎日同じ時間帯に読む習慣をつくる
「静かにしなさい」と言うより、家族みんながスマホをしまって、それぞれ好きなことをする時間を設けるほうが、子どもも自然に本を手に取りやすくなります。読書の時間を「特別な静かな時間」として家族のルーティンに組み込んでみてください。
図書室が静かなのは、静かにさせているからではありません
司書の側から、ひとつヒントを。
図書室では、学年はじめのオリエンテーションで「ここは静かに本を読む場所です」と毎年伝えます。子どもたちも、それを理解しています。
そのうえで、わたし自身が図書室では小さな声で話し、意識してゆっくり動きます。だから図書室は静かなのです。図書館も、そういう場所ですよね。「静かにしなさい」と言わなくても、自然と静かになり、自然と本に向き合える場所になります。
お家でも、読書の時間は「今は図書館だと思って」静かに過ごしてみてもいいかもしれません。
たとえば、お出かけ前のすきま時間に本を読んでいたら、「あと10分で出発するよ」を、小さな声で言ってみませんか。
それだけで、読書の時間が特別な時間になっていきます。読書をすると、いつもの家の雰囲気が変わる。子どもはそういう空気の変化に敏感で、けっこう楽しみます。
読書の時間が、特別で、落ち着けて、楽しいものになるといいなと思います。
親が本を読まなくても、子どもを読書好きにできる?
結論:できます。本を読む姿が見せられなくても、「本を読みたいな」という憧れを見せるだけで十分です。
家族の誰かが本を読んでいる姿があれば、いつかその子は読書好きになります。言葉で「本を読みなさい」と言うより、親が静かに本を読んでいる姿のほうが、子どもの心に深く届きます。「親が読書をしている姿をとても尊敬していた」と振り返る子どもは、意外なほど多いのです。
「自分はあまり本を読まない」という方も、大丈夫です。憧れだけでもいい。「お母さんも、もっと本を読みたいんだよね」とつぶやくだけで、子どもの心に何かが灯ることがあります。
「おうちの人も本を読むの?」と聞いたときの、あの顔
よく本を読む子に、「おうちの人も本をよく読むの?」と聞いたことがあります。
「うん!」と答えるその顔は、誇らしげでした。
本を読むことは、子どもにとって尊敬の対象になるようです。「本を読むのはいいことだよ」「頭が良くなるよ」「本を読んでるなんてえらいね」——そういう言葉を、あちこちで聞くからでしょうか。読んでいるパパ・ママはかっこいいし、読んでいる自分もかっこいい。そう思えると、自己肯定感も高まっていくのだと思います。
ちなみにわたしは、子どもの前でよく本を読みます。まとまった時間がとれなくても、キッチンで煮物をしていて手が空いた時間、子どもがゲームをしている横、電車での移動時間。図書館も一緒に行きますが、「図書館行ってくる」と、わたしだけ出かけることもあります。
わたしは本が好きなので、それが伝わっているといいなと思っています。
じつは、お互いに読んだ本を教え合うのが、ずっと夢でした。子どもが一人読書をするようになって、わたしが目を通さない本まで読むようになって、その内容を教えてもらえるようになった今が、とても楽しいです。
それから、ふだん本を読まない方へ。日常的に本を読むのはハードルが高いと思うので、雑誌でも漫画でもいいと思います。ただし、スマホやタブレットの画面ではなく、紙の本で。
子どもは、小説か漫画かなんて判別しません。真剣な顔をして、書物を開いて、静かに集中して読んでいる姿。それ自体が、子どもへの刺激になります。
一人読書はどんな本から始めればいい?
結論:ひらがなが読めるなら、まず絵本から始めるのがおすすめです。
「一人読書」と聞くと、文字がびっしりの本を想像してしまいがちですが、そんな必要はまったくありません。絵本は「小さい子のもの」と思われがちですが、深いテーマや豊かな表現を持つ絵本はたくさんあります。絵が物語を補ってくれるので文字を読む負担が少なく、内容を自分で理解する練習としてもとても有効です。
また、「読んだことがある話なら読みやすい」という特性もあります。読み聞かせで繰り返し親しんできた絵本は、内容を知っているぶんだけ文字を追うハードルが低くなります。大好きな絵本を「今度は自分で読んでみよう」と挑戦するのは、とてもよいきっかけになります。
特に一人読書の第一歩として効果的なのが、繰り返しのフレーズが続く絵本です。同じ言葉やパターンが何度も出てくるので、次の展開が予想でき、読む途中で詰まりにくいのが特徴です。
わが家の場合:長男と次男が「はじめて自分で読んだ本」
参考までに、わが家の2人がどうだったかも書いておきます。きっかけは、まったく違いました。
長男は『絶望鬼ごっこ』(針とら 作/みもり 絵・集英社みらい文庫)でした。学校の図書室で友だちが「おもしろかった」と言っているのを聞いて借りてきて、読んだらはまりました。そこから20冊ほど一気読みです。友だちのおすすめは、親のおすすめよりずっと強い。これは覚えておいて損がありません。
次男は『かいけつゾロリ』でした。幼稚園のころから読み聞かせをしていたので、登場人物も話の流れも知っていました。小学生になってから図書館で借りて置いておいたところ、ひまな時間に、自分から読み始めたのです。
「自分で読んでる!」と内心は興奮しましたが、声はかけずにそっと見守りました。
2人に共通しているのは、どちらも親が「読みなさい」と言った本ではないということです。片方は友だちの口コミ、もう片方は読み聞かせで知っていた話。どちらも「知っている」「気になる」が先にありました。
親にできるのは、その「知っている」を増やしておくことと、手が届くところに置いておくことくらいなのだと思います。
漫画では読書習慣はつかない?
漫画には物語を追う楽しさがありますが、活字の本への橋渡しとしては絵本のほうが適しています。絵本は文章と絵がセットで物語を構成しているのに対し、漫画はセリフと絵が中心で、文章を読む練習という意味では性質が異なります。まずは絵本からスタートするのをおすすめします。

一人読書への橋渡しにおすすめの本
本の紹介を3つのカテゴリに分けてご紹介します。お子さんの今の段階に合わせて、ぴったりの一冊を選んでみてください。
① 絵本:繰り返しが楽しい、読みやすい絵本から
『てぶくろ』 ウクライナ民話 エウゲーニー・M・ラチョフ絵 内田莉莎子訳(福音館書店)
本の内容
雪の中に落ちていたおじいさんの手袋に、ねずみ、かえる、うさぎ、きつね……と次々に動物たちが「入れて」と頼みこみ、どんどん住み着いていくウクライナの民話。小さな手袋にたくさんの動物が入るナンセンスなおかしさが、世界中の子どもたちに愛されてきた名作です。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか
「〇〇がやってきました。入れてください」という繰り返しのやりとりが続くので、パターンを覚えてしまうと次のページが読みやすくなります。動物が一匹ずつ増えていくわくわく感と、「次は誰が来るんだろう?」という期待感が、自然とページをめくる手を進めてくれます。
『三びきのやぎのがらがらどん』 ノルウェーの昔話 マーシャ・ブラウン絵 瀬田貞二訳(福音館書店)
本の内容
「がらがらどん」という名前の小・中・大、三匹のやぎが、橋の下に住む恐ろしいトロルを知恵と力で乗り越えて山へ向かうノルウェーの民話。「かた、こと」「がた、ごと」「がたん、ごとん」と、やぎの大きさによって橋を渡る音が変わる描写が印象的です。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか
小・中・大のやぎが順番に橋を渡る三段構えの繰り返しが、読む子どもに「次も同じパターンだ」という安心感と「でも最後はどうなる?」というわくわく感を同時に与えます。声に出して読むとリズムが気持ちよく、音読の楽しさを体感できる一冊です。
『ぐりとぐら』 中川李枝子作 大村百合子絵(福音館書店)
本の内容
野ねずみのぐりとぐらが、森で大きな卵を見つけてカステラを作るお話。繰り返しのリズムと明るい絵が特徴的な、ロングセラーの絵本です。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか
何度も読み聞かせで親しんだ子が多い一冊。内容を知っているぶんだけ一人でも読み進めやすく、「自分で読めた!」という達成感を初めて感じるのにぴったりの絵本です。文のリズムが心地よく、声に出して読む楽しさも感じられます。
『おおきなかぶ』 A.トルストイ作 佐藤忠良絵(福音館書店)
本の内容
おじいさんが植えたかぶが大きくなりすぎて、家族や動物たちみんなで力を合わせて引っ張るロシアの民話。「うんとこしょ、どっこいしょ」の繰り返しが楽しい一冊です。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか
繰り返しのフレーズが多いので、文字を読むことへの抵抗感を持ちにくい構成です。音読すると自然とリズムに乗れるので、「読む楽しさ」を体で感じられます。読み終わった達成感がとても得やすい絵本です。
『もりのなか』 マリー・ホール・エッツ作/絵(福音館書店)
本の内容
紙の帽子をかぶった男の子が、森の中で動物たちと一緒に散歩するお話。静かでやさしい白黒の絵が、想像力をゆっくりと広げてくれます。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか
文章が短くシンプルなので、一人読書の入門としてとても読みやすい一冊です。静かな雰囲気の中で絵と文字をじっくり味わう体験が、「読書は落ち着ける時間」という感覚を育てます。
『かいじゅうたちのいるところ』 モーリス・センダック作/絵(冨山房)
本の内容
いたずらをして部屋に閉じ込められたマックスが、想像の世界で怪獣たちの王になる冒険を描いた絵本。大胆な絵と独特のリズムで世界中で愛される名作です。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか
「ちょっとわくわくする怖さ」を絵本で体験できる一冊。自分で読むと、声に出したときのリズムや言葉の面白さがより鮮明に感じられます。感情表現が豊かな言葉が多く、語彙の幅も広がります。
『ちいさなおうち』 バージニア・リー・バートン作/絵(岩波書店)
本の内容
田舎に建てられた小さなおうちが、周囲の環境が都市化していく変化を見つめ続けるお話。四季の移ろいと時代の流れを丁寧に描いた、味わい深い絵本です。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか
少し長めの文章ですが、絵が豊かに物語を補ってくれるので読み進めやすい一冊です。「時間の流れ」や「変化」という概念を自然に感じ取れ、読み終わったあとにゆっくり話し合いたくなるような余韻が生まれます。
② 低学年向け児童書:読み聞かせしながら、少しずつ一人読みへ
文字が絵本より増えますが、まだイラストが豊富で読みやすい幼年童話です。最初からすべてを一人で読もうとしなくて大丈夫。読み聞かせを続けながら、「面白い!」と思ったところを自分でも少し読んでみる、という楽しみ方がおすすめです。
『ふたりはともだち』 アーノルド・ローベル作 三木卓訳(文化出版局)〈がまくんとかえるくんシリーズ〉
本の内容
がまくんとかえるくん、ふたりの親友が日常のささいな出来事を通じてゆっくりと友情を育てていく短編集。「はるが きた」「なくした ボタン」「おてがみ」など5つのお話が収録されています。小学校の国語教科書にも採用されているロングセラーです。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか
1話が短く、1冊に複数のお話が入っているので「1話読んだら今日はおしまい」という区切りのつけ方ができ、一人読書の習慣づくりにぴったりです。シリーズは全4冊あり、気に入るとシリーズ読みへとつながります。ふたりのやりとりにユーモアがあり、友情の温かさを自然に感じられます。
『いやいやえん』 中川李枝子作 大村百合子絵(福音館書店)
本の内容
保育園を舞台に、4歳のいたずらっこしげるをはじめ、元気な子どもたちが大勢登場する7つのお話。「くじらとり」「やまのこぐちゃん」など、現実と空想の間を行き来する幼児独特の世界をいきいきと描きます。1962年の出版以来、親子三世代にわたって読み継がれてきた名作です。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか
1話ずつ完結しているので、「今日はこのお話だけ」という読み方ができます。自分と同じくらいの子どもが主人公なので、物語の世界に入り込みやすく、「自分だったらどうする?」と想像しながら読む楽しさを体験できます。
『たんたのたんけん』 中川李枝子作 山脇百合子絵(学研プラス)
本の内容
8月29日はたんたの5歳の誕生日。その日、どこからか不思議な地図が舞い込んできました。矢印や△印の書いてある、たんけん地図のようです。さっそくたんたは探検に出発すると、どこからかへんなひょうの子があらわれて……。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか
手作りの地図を手がかりに探検するワクワク感が、読む子どもの心に「自分もこんな冒険がしてみたい」という気持ちを呼び起こします。子ども心が丁寧に描かれていて、読んでいるうちにたんたと一緒に探検しているような臨場感が生まれます。
『エルマーのぼうけん』 ルース・スタイルス・ガネット作 渡辺茂男訳(福音館書店)
本の内容
9歳の少年エルマーは、助けた野良猫から、どうぶつ島に囚われている竜の子どもの話を聞きます。エルマーはリュックサックにチューインガムや輪ゴム、歯ブラシなどをつめて、竜を助けに出発。ライオンやトラ、サイなど恐ろしい動物たちを、知恵と机上の道具で次々と乗り越えていきます。ニューベリー賞優秀賞受賞のロングセラー作品で、続編も含め全3冊のシリーズです。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか
リュックに入れた道具が次々と活躍する展開が、「これはあそこで使うのか!」という発見の連続を生みます。知恵と勇気で困難を乗り越えるエルマーの姿が、読む子どもに自信と勇気を与えてくれます。続きが気になってページをめくる手が止まらなくなる、一人読書入門にぴったりの一冊です。
『ぼくは王さま』シリーズ 寺村輝夫作 和歌山静子絵(理論社)
本の内容
たまごやきが大好きで、ちょっとわがままで、なまけもので、くいしんぼうな王さまが主人公のユーモア童話シリーズ。全11巻で、「どこのうちにも、こんな王さまがいるんですって」というフレーズとともに親子三世代にわたって読み継がれてきた超ロングセラーです。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか
王さまのとんでもないわがままと、それがもたらすおかしな出来事の連続が笑いを呼びます。1話が短く読みきりスタイルなので、「もう1話だけ」と読み進めやすい。ユーモアを通じて、わがままな行動の結果や思いやりの大切さを自然に感じ取ることができます。
『まほうのじどうはんばいき』 斉藤洋作 高畠純絵(フレーベル館)
本の内容
ある日、町に不思議な自動販売機が現れます。お金を入れると、お菓子やジュースではなく、思いがけないものが出てくる——そんな魔法のような自動販売機をめぐって、子どもたちが巻き込まれるユーモラスな冒険の物語です。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか
「次は何が出てくるんだろう?」というわくわく感が続き、ページをめくる楽しさを体感できます。日常のすぐそばに不思議が潜んでいるという設定が、想像力をぐんと広げてくれます。
『あらしのよるに』 木村裕一作 あべ弘士絵(講談社)〈あらしのよるにシリーズ〉
本の内容
嵐の夜、暗い小屋で偶然出会ったオオカミとヤギ。暗くて互いの姿が見えないまま、ふたりは「がぶ」「めい」と名乗り合い、友情を育てます。ところが翌朝、明るい場所で再会したとき——本来なら天敵であるはずのふたりが、それでも友情を選ぼうとする姿を描いた感動のシリーズです。全7巻。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか
「友達って何だろう?」「本当のことを言うべき?」という深いテーマを、子どもの心にまっすぐ届くことばで描いています。読み聞かせで感動した体験が「続きが読みたい!」という強い動機になりやすく、シリーズ読みへの入り口としてとても力のある作品です。
③ 中学年以降におすすめ:はまると一気読みできるシリーズ
絵本や幼年童話から活字の本へと移行したころ、特に力を発揮するのがシリーズものです。1冊目を読んで世界観やキャラクターに愛着が湧くと、「次も読みたい!」という気持ちが自然に続きます。気がつけば何冊も読んでいた、という経験が積み重なることで、読書が習慣として根付いていきます。
『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』シリーズ 廣嶋玲子作(偕成社)
本の内容
幸運な人だけがたどりつける謎の駄菓子屋「銭天堂」。女主人・紅子が、それぞれのお客さんにぴったりの不思議な駄菓子を勧めます。でも、食べ方や使い方を間違えると……。1話完結のオムニバス形式で、シリーズ累計450万部超の大ヒット作。廣嶋玲子さんはほかにも「十年屋」「はんぴらり!」「妖怪の子預かります」など、ファンタジーと日常が交わる作品を多数書いています。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか
1話が短いので「読みきった!」という達成感が得やすく、読書が苦手な子にも入りやすい構成です。ちょっとした欲張りや油断が招く意外な結末は、「どうなるんだろう?」という先を読みたい気持ちを引き出します。シリーズが長く続いているので、はまると読書量が一気に増えます。
『ラストで君は「まさか!」と言う』シリーズ PHP研究所編(PHP研究所)
本の内容
1話わずか3分で読めるショートストーリーが20話前後収録された短編集。ホラー、ファンタジー、青春、ミステリーなど多彩なジャンルが混在し、毎回ラストに「え、そういうこと!?」という驚きの展開が待っています。小学校中学年から楽しめ、2026年現在で37巻を超えるロングシリーズです。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか
「3分で読める」という短さが最大の武器で、読書が苦手な子でも取り掛かりやすいのが特徴です。朝読書の時間にも最適。1話読むごとに「次も読みたい」という気持ちが積み重なります。どんでん返しのストーリー展開で、読書の面白さを体感するのにぴったりのシリーズです。
『5分後に意外な結末』シリーズ 学研プラス編(学研プラス)
本の内容
5分ほどで読める短編ショートストーリーを集めたシリーズ。ミステリー、ホラー、ファンタジー、感動系など幅広いジャンルをカバーし、毎回予想を裏切る結末が待っています。「5分後に意外な結末」「5分後に思わず涙。」など複数のサブシリーズがあります。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか
「ラストで君は『まさか!』と言う」シリーズと並んで、短編ショートストーリーの定番シリーズです。1話が短いので寝る前や隙間時間に読みやすく、結末の意外さが「もう1話だけ」という気持ちを生みます。
『四つ子ぐらし』シリーズ ひのひまり作(角川つばさ文庫)
本の内容
自分はひとりぼっちだと思って育った小学6年生の三風が、ある日突然「実は四つ子だった」と知らされます。同じ顔・同じ声なのにそれぞれ違う環境で育った四姉妹が、一つ屋根の下で暮らし始めるキュートな姉妹生活物語。2024年時点で200万部を突破した人気シリーズです。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか
「同じなのに違う」四姉妹の個性がはっきりしているので、読み進めるうちにどんどん愛着がわきます。次の巻でどんな事件が起きるのか気になって続きを手に取りたくなる、まさにシリーズ一気読みに向いた作品です。
『おチビがうちにやってきた!』シリーズ 集英社みらい文庫
本の内容
未来が見えるという不思議な力を持つ2歳の赤ちゃん・ちなつが主人公家族のもとにやってきたことから始まる、ファンタジーと日常が交差する物語シリーズ。事件あり、笑いあり、感動ありのエンターテインメント作品です。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか
不思議な設定と親しみやすいキャラクターが組み合わさっていて、続きが気になってどんどん読み進められます。小学生の日常感覚に近い感情が丁寧に描かれているので、共感しながら読めるのも特徴です。
『恐怖コレクター』シリーズ 佐東みどり・鶴田法男作(角川つばさ文庫)
本の内容
怪談・ホラー系の短編集シリーズ。小学生が体験する不思議でぞくっとする恐怖体験を集めたアンソロジー形式で、各話が読み切り形式になっています。「ほんとにあった怖い話」のテレビドラマで知られる鶴田法男監督も執筆に参加した本格派ホラー児童書です。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか
「怖いもの見たさ」は子どもの読書意欲の大きなエンジンになります。1話が短く読みきりなので、ちょっとした空き時間にも読みやすく、「最後まで読んだ!」という達成感が読書習慣を育てます。
『星のカービィ』シリーズ 高瀬美恵作(角川つばさ文庫)
本の内容
大人気ゲーム「星のカービィ」のキャラクターたちが活躍する児童小説シリーズ。プププランドを舞台に、カービィ、デデデ大王、メタナイト、バンダナワドルディたちが冒険や事件解決に挑みます。2013年からシリーズが続く人気作です。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか
ゲームが好きな子どもにとって、知っているキャラクターが活躍する小説は「読んでみたい!」という入り口になりやすいのが最大の魅力です。1冊完結のお話が多いのでどこから読んでもOK。ゲームから本へとつながるきっかけになりえる一冊です。
『放課後ミステリクラブ』シリーズ 知念実希人作(ライツ社)
本の内容
本屋大賞ノミネート作家・知念実希人が手がけた、児童書初の本格ミステリシリーズ。4年1組の「ミステリトリオ」が学校で起きる不思議な事件を推理で解き明かします。殺人事件は一切なし。でもトリックは本格的で、各巻に「読者への挑戦状」ページがあり、読んでいる子ども自身が推理に参加できる仕掛けになっています。2024年に児童書として史上初の本屋大賞ノミネートを果たし、累計40万部を突破しています。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか
「読者への挑戦状」という仕掛けが秀逸で、読みながら「犯人は誰だろう?」と自分で考える楽しさを体験できます。「文字の多い本はゾロリしか読まなかった子が、貪るように読んで1日で読了、翌日に2巻を催促した」という声があるほど引き込まれるシリーズです。論理的思考力も自然と育まれます。
『人狼サバイバル』シリーズ 甘雪こおり作(講談社青い鳥文庫)
本の内容
謎の伯爵が仕掛けるリアル人狼ゲームに巻き込まれた中学生たちが、仲間に潜む「人狼」を見極めながら脱出を目指す、スリル満点のサバイバル小説シリーズ。2019年の刊行開始から2026年現在で23巻以上を重ねる大人気シリーズで、発行部数は50万部を突破しています。小学中学年からすべての漢字にふりがなつき。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか
「人狼ゲーム」という子どもたちに馴染みのある遊びの概念がベースになっているので、ゲームが好きな子どもほど世界観に入りやすいのが特徴です。各巻でゲームの状況が変わり、次の巻が気になって止まらなくなります。
『ハリー・ポッター』シリーズ J・K・ローリング作 松岡佑子訳(静山社)
本の内容
両親を亡くし、意地悪な親戚の家でいじめられながら暮らしていた11歳の少年ハリー・ポッター。ある日、ホグワーツ魔法魔術学校への入学許可証が届き、魔法の世界へと踏み出します。友人のロンとハーマイオニーとともに、闇の魔法使いヴォルデモートに立ち向かう壮大なファンタジーシリーズ全7巻(+続編)は、世界で5億部を超えるベストセラーです。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか
「友情」「勇気」「正義とは何か」といった普遍的なテーマを、圧倒的なスケールのファンタジー世界を通して体験できます。映画で物語を知っている子どもが「小説で読んでみたい」と手に取るケースも多く、映画から本へのルートとして機能しやすい一冊です。読み進めるほど世界観が深まり、読み終えたときの達成感は格別です。1巻から少しずつ読み聞かせを楽しみながら、子どもが「自分でも読んでみたい」と思えたタイミングで手渡してみてください。
シリーズものが読書量を増やす理由
はまると一気読みできる——これがシリーズものの大きな力です。1冊目で世界観を覚えてしまえば、2冊目からはその知識がそのまま活かされるので、読む負担が下がります。「続きが読みたい」という気持ちが、読書量を自然と増やしてくれます。
お子さんが「これ面白い!」と言った本のシリーズを、ぜひ次々と手渡してみてください。
本選びに迷ったら:AIに任せるという選択肢
「結局どんな本を選べばいいかわからない」「子どもに合った本を探す時間がない」というのが、多くの親御さんの本音ではないでしょうか。
そんな方におすすめしたいのが、AIが子どもの好みと読書レベルに合わせて本をすすめてくれるオンラインサービス「ヨンデミー」です。
子どもがアプリで読んだ本の感想を送ると、2,000冊以上のデータベースの中からその子にぴったりの本をAIが選んでくれます。「親がすすめた本は読まないのに、ヨンデミー先生のおすすめは喜んで読む」という声が多く、まさに「本との出会い方」の大切さを体現しているサービスです。
図書館の蔵書検索システムとも連携しているので、おすすめされた本をアプリからそのまま予約できるのも便利なポイント。本代は基本的に図書館で借りれば無料です。
30日間無料で体験できます(クレジットカード登録不要、自動課金なし)。
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まとめ:読み聞かせから一人読書へ移行するポイント
読み聞かせから一人読書への道は、一直線ではありません。後退したり、また読み聞かせを求めてきたりすることもあるでしょう。それでいいのです。
この記事のポイントをまとめます。
- 読み聞かせはやめなくていい。続けながら一人読書を少しずつ増やしていく
- 子どもの本の選択を尊重する。命令せず、自分で選ばせる
- しおりをプレゼントする。途中でやめてもいい、また読めばいい
- 1日10〜15分で十分。毎日少しずつが習慣の土台になる
- 親が本を読む姿を見せる。憧れを示すだけでも効果がある
- 静かな環境をつくる。YouTube・スマホの音が聞こえない時間と場所を用意する
- まずは絵本から。ひらがなが読めれば一人読書は始められる
読み聞かせで育ててきた「本への好き」という気持ちを大切にしながら、焦らず、子どものペースでつないでいきましょう。途中でやめてもいい。最後まで読まなくてもいい。行ったり来たりしていい。そのゆるさが、長く続く読書好きを育てます。
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このブログでは、司書ママとして学校現場で感じてきたことや、子どものことばの力を育てるヒントを発信しています。他の記事もぜひのぞいてみてください。

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