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こんな方におすすめの記事
- 「もう終わりにして」と、毎日のように言ってしまう方
- 取り上げると泣かれたり怒られたりして、結局ズルズル延びてしまう方
- スクリーンタイムを減らしたいけれど、代わりに何をさせればいいか思いつかない方
- 読み聞かせを試したいけれど、「今さら喜ぶだろうか」と迷っている方
- 上手に読む自信がなくて、なんとなく手が出せずにいる方
この記事は、小学校低学年〜中学年(1〜4年生)のお子さんをお持ちの方に向けて書いています。
子どもの「スマホ依存」「ゲームがやめられない」に悩んでいませんか?
「いい加減にして!」「もう終わりにして!」——毎日のように繰り返すこのやり取りに、疲れてしまっているお母さん・お父さんも多いのではないでしょうか。
実は、スクリーンタイムを「強制的に減らす」のではなく、もっと楽しいことで自然に置き換えるという発想が、親子関係を傷つけずに習慣を変えるカギになります。
そしてその「置き換え」として、今あらためて注目されているのが読み聞かせです。
「動画やゲームに、絵本が勝てるわけがない」と思われるかもしれません。でも学校司書として子どもたちを見ていると、強い刺激に慣れているはずの今の子どもたちが、読み聞かせをとても楽しんでいる場面に何度も出会います。ときには、動画やゲームより読み聞かせのほうを選ぶことさえあります。

この記事では、なぜ子どもが画面から離れられないのかを整理したうえで、読み聞かせへの置き換え方を、つまずきやすいところも含めてお伝えします。
なぜ子どもはスクリーンから離れられないのか
まず、子どもを責める前に知っておきたいことがあります。
スマホやゲームには、脳の「報酬系」を強く刺激する仕組みが意図的に組み込まれています。短い時間で達成感が得られる、次の展開が気になる、友達との比較がリアルタイムでわかる——これらはすべて、「もっとやりたい」という気持ちを生み出すように設計されているのです。
「もっと見たい」は、そうなるように作られている
動画やゲームがやめにくいのには、いくつか共通した仕掛けがあるように思います。
ひとつは、区切りがないことです。動画は終わると次が自動で始まりますし、スクロールすれば新しい投稿が無限に出てきます。本のように「最後のページ」がないので、自分で線を引かないかぎり、終わりが来ません。
もうひとつは、次に何が起こるかわからないことです。おもしろい動画に当たることもあれば、そうでないこともある。ゲームでも、レアなアイテムが出るかどうかは運次第。この「当たるかもしれない」という感覚が、次の一回を引き出しているように見えます。
そして、達成感が短い間隔でやってくること。数分単位でクリアや報酬が返ってくる体験に慣れると、それより時間のかかるものは「退屈」に感じられやすくなります。
これらは偶然そうなっているのではなく、長く使ってもらうために設計されたものです。大人でも抜け出しにくいのですから、子どもが自力で切り上げられなくても不思議はありません。

「切り替えられない」のは、夢中になっている証拠
子どもの脳はまだ発達途中で、衝動をコントロールする前頭葉が未熟です。だから「やめなさい」と言われても、自分ではなかなかコントロールできない。それは意志の弱さではなく、脳の発達段階の問題なのです。
ただ、切り替えの難しさは、画面に限った話ではありません。
図書室でも、同じことが毎日起きています。休み時間に本を読み始めて夢中になり、時間を意識することを忘れてしまう子がいます。予鈴が鳴っても、その音自体が聞こえていない子もいます。「そろそろ時間だよ」と声をかけると「うん」と返事はするのに、内容がまったく入っていないことも、よくあります。

そして「〇〇さん」と名前を呼ぶと、びっくりした顔をして、急いで教室に戻っていきます。
時間を破りたいわけではないのです。夢中になっていただけです。
つまりこれは、切り替えが上手か下手かという話ではなく、夢中になれば誰にでも起こることなのだと思います。大人でも、おもしろい本を読んでいて約束の時間を忘れた経験はあるのではないでしょうか。
だとすれば、切り替えは子どもにまかせるのではなく、大人が作ってあげてもいいのではないかと思います。「やめなさい」と責めるのではなく、名前を呼んで、こちらに気づかせてあげる。それだけで、子どもはちゃんと動きます。
この記事の後半でお伝えする「読み聞かせするからおいで」という声かけも、大人が作る切り替えのひとつです。
だから「取り上げる」より「置き換える」
だからこそ、叱って取り上げるより、別の充実感で満たすアプローチが長続きします。
取り上げる方法には、その場では効くけれど、繰り返すほど関係が削れていくという難しさがあります。子どもにとっては「楽しみを奪われた」という記憶だけが残りやすく、親のほうも毎回消耗します。
一方で「置き換える」は、子どもが自分から画面を離れる形になります。時間はかかりますが、こちらのほうが親子ともにダメージが少なく、結果として続きやすいと感じています。

うちの子は、どのタイプ?
ひとくちに「画面から離れない」といっても、何に夢中になっているかで、効く置き換え方は変わってくるように思います。まずはお子さんがどれに近いか、見当をつけてみてください。

| タイプ | 夢中になっている理由 | 効きやすい置き換え |
|---|---|---|
| 動画 | 話の続きが気になる | 続きものの本 |
| ゲーム | 達成感・うまくなる感覚 | 「自分で読めた」の体験 |
| 友だち・SNS | つながりが切れる不安 | 読んだあとの会話の時間 |
動画タイプ
次から次へと動画を見続ける、いわゆる受け身の楽しみ方です。「話の続きが気になる」という気持ちで動いているので、読み聞かせとは相性がいいタイプです。
置き換えのコツは、続きものを選ぶこと。1回で終わる絵本より、章ごとに区切れる少し長めの本のほうが、「明日の続き」を作りやすくなります。
ゲームタイプ
クリアする、レベルが上がる、うまくなる——達成感で動いているタイプです。読み聞かせだけでは物足りなさが残ることもあります。
このタイプには、「自分で読めた」という達成感を用意してあげるのが効きます。読み聞かせのなかで、セリフの部分だけ子どもに読んでもらう。それだけでも「できた」の実感が生まれます。
友だち・SNSタイプ
友達とのやり取りや、その場にいられないことへの不安が動機になっているタイプです。画面を取り上げることが、そのまま「つながりを断たれる」体験になりやすいので、いちばん慎重さが要ります。
この場合、読み聞かせは「代わりの娯楽」というより、親子で過ごす時間そのものとして機能します。読み終わったあとに交わす会話のほうが、本編より大事になることもあります。
もちろん、きれいに分かれるものではありません。いくつかが混ざっていることのほうが多いので、「どれが一番近いか」くらいの感覚で十分です。
読み聞かせが「スクリーンの代替」になれる理由
読み聞かせには、スクリーンとは異なる種類の満足感を子どもに与える力があります。
① 親の声が「安心感」という最強の報酬になる
スクリーンは視覚と聴覚を刺激しますが、そこに温もりはありません。一方、親が読む声には、子どもにとって根源的な「安心感」があります。
「お父さん・お母さんがそばにいる」という感覚は、スクリーンでは絶対に代替できないものです。この安心感そのものが、読み聞かせの「報酬」になるのです。
画面の刺激は強いけれど、「自分のためだけに向けられたもの」ではありません。動画は誰に対しても同じように再生されます。けれど読み聞かせの声は、その子のために出されている声です。この違いは、思っているより大きいのではないかと感じています。
読み聞かせを「教育」ではなく親子で遊ぶ時間としてとらえ直す話は、こちらでも書いています。

② 物語の「続きが気になる」はゲームと同じ構造
ゲームやYouTubeが「続きが見たい」という気持ちを引き出すのと同じように、面白い物語にも「次はどうなるの?」という引力があります。
毎日少しずつ読む「連続読み聞かせ」は、この力をうまく使った方法です。子ども自身が「早く続きを聞きたい」と思うようになれば、読み聞かせの時間を楽しみに待つようになります。
「今日はここまで」と、いいところで止めるのも一つの手です。次回への期待が残り、翌日の読み聞かせが子どもから催促されることもあります。動画の「次回に続く」と、やっていることは同じです。
③ 体を使わない「静かな時間」を作れる
スクリーンの前では脳が興奮状態になりやすく、寝つきが悪くなることが知られています。読み聞かせは逆に、副交感神経を優位にして体をリラックスさせる効果があります。
就寝前の30分を読み聞かせタイムにするだけで、自然にスクリーンから離れる習慣が作れます。
特に夜の時間帯は、この効果がはっきり出やすいところです。画面の光を浴びたまま布団に入るのと、声を聞きながら眠りに入るのとでは、寝つきがずいぶん違うという声をよく聞きます。

寝る前の読み聞かせと睡眠の関係は、こちらで詳しく書いています。

④ 現場で見ていて、いちばん確かだと思うこと
ここまで理屈を並べてきましたが、私がいちばん確かだと感じているのは、もっと単純なことです。
子どもは、読み聞かせが好きです。

動画やゲームの強い刺激に慣れているはずの今の子どもたちも、読み聞かせが始まるととても楽しみます。読み聞かせが動画やゲームを超えてしまうことも、しばしばあります。
動画を見ている子どもに「読み聞かせするからおいで」と声をかけると、「やったー」と駆けつけてくることさえあります。画面より絵本を選ぶ瞬間は、思っているよりずっと身近にあります。
「うちの子に限って」と思われるかもしれません。でも、試してみる価値は十分にあると思います。
そして、これがいちばんお伝えしたいことなのですが——うまく読もうとしなくても大丈夫です。
声色を変えられなくても、つっかえても、子どもは楽しんでくれます。上手さが求められている場面ではありません。どうか自信を持って、生活の一部に取り入れてみてください。
「うまく読めない」「続かない」と感じている方は、こちらもどうぞ。

実践:スクリーンタイムを読み聞かせに置き換えるステップ
いきなり「今日からスマホ禁止」では、子どもの反発を招くだけです。少しずつ、無理なく移行していくことが大切です。
ステップ1|まず「読み聞かせの居場所」を作る
読み聞かせのための特別な場所と時間を決めましょう。寝る前のベッドの上でも、夕食後のソファでも。「この時間はここで読む」という習慣の器を作ることが最初の一歩です。
ポイント:スクリーンが見えない場所を選ぶと効果的です。テレビが視界に入らない場所、スマホを充電器に置いてきた状態で始めると、集中しやすくなります。
うまくいかないときは——場所を作っても子どもが来ない、ということがあります。その場合は、親のほうが先にそこに座って、一人で読み始めてしまうのが早いです。「おいで」と呼ぶより、楽しそうにしている場所に自然と寄ってくるほうが、子どもは動きやすいようです。
ステップ2|子どもと一緒に本を選ぶ
「この本を読もう」と親が決めるより、子どもが「読みたい!」と思った本を一緒に選ぶほうが、圧倒的に効果的です。
図書館や本屋に連れて行き、子どもが手に取った本を大切にしてください。興味のある乗り物の本でも、少し難しそうな冒険の絵本でも構いません。子どもの「これ気になる」は、読み聞かせへの入口になります。
うまくいかないときは——「なんでもいいよ」と言われて選べない、というのはよくあります。そういうときは、2〜3冊に絞ってから選んでもらうと決まりやすくなります。選択肢が多すぎると、大人でも決められません。図書館で借りるなら、多めに借りて、合わなければ途中でやめてよいというルールにしておくと、失敗が怖くなくなります。
ステップ3|短くても毎日続ける
最初は1日10〜15分で十分です。「長くやらなければ」と思う必要はありません。
毎日同じ時間帯に読むことで、「この時間は読み聞かせ」というリズムが体に刷り込まれていきます。習慣になれば、子どものほうから「今日は読まないの?」と言い出すこともあります。
うまくいかないときは——毎日が難しいときは、「毎日」を目標から外してしまうほうがうまくいくことがあります。週に2〜3回でも、続いていればそれは習慣です。ゼロの日があっても構いません。
1日何分やればいいのか迷ったら、こちらもどうぞ。

ステップ4|読み聞かせのあとに「語り合う」時間を
読み終わったあと、少しだけ感想を話す時間を作ると、読み聞かせが単なる「聞く時間」から「一緒に考える時間」に変わります。
「主人公、どう思う?」「もし自分だったらどうする?」——難しい問いでなくてOK。子どもの言葉をそのまま受け取る会話が、次の読み聞かせへの意欲につながります。
うまくいかないときは——感想を聞いても「わかんない」で終わってしまう場合は、質問をやめて、親の感想を先に言ってみてください。「お母さんはここがこわかった」と言うだけで、「わたしはここ」と返ってくることがあります。
学年別・置き換え方の目安
同じ読み聞かせでも、学年によって効きどころが違ってきます。
低学年(1〜2年生)
絵本の楽しさが、そのまま通用する時期です。短い絵本を何冊か重ねるほうが、長い1冊より喜ばれることが多いように思います。
画面との付き合い方も、まだ親のコントロールが効きやすい段階です。「見終わったら絵本」という順番を、この時期に習慣として作っておくと、あとが楽になります。
中学年(3〜4年生)
「もう自分で読めるのに」と本人が言い出す時期です。それでも読み聞かせを喜ぶ子は多く、むしろこの時期こそ効果が出やすいと感じています。
自分で読むにはまだ骨が折れる長さの本を、読み聞かせで届けてあげると、「一人では届かない世界」に触れる体験になります。ここがゲームや動画にはない部分です。
高学年(5〜6年生)
読み聞かせを続けている家庭は少なくなりますが、やめる必要はありません。この時期は「読んでもらう」というより、同じ本を一緒に読む形に移行していくとしっくりきます。
いつまで続ければいいのか迷ったら、こちらもどうぞ。

つい言ってしまう一言と、代わりの声かけ
画面をめぐるやり取りは、どうしても同じ言い方を繰り返しがちです。言い換えるだけで、反応が変わることがあります。
| つい言ってしまう | 代わりに |
|---|---|
| 「いい加減にやめなさい」 | 「あと何分で切りがつく?」 |
| 「ずっと見てるでしょ」 | 「その動画、どんな話なの?」 |
| 「目が悪くなるよ」 | 「そろそろ目を休ませてあげよう」 |
| 「本を読みなさい」 | 「これ、読んであげようか?」 |
| 「約束したよね」 | 「昨日は切り上げられたね」 |
どれも、「否定」を「提案」や「関心」に置き換えているだけです。「やめさせる」ではなく「こっちに来てもらう」という向きに変えると、ぶつかりにくくなります。
注意:「スクリーン禁止」にしないために
デジタルデトックスというと「スマホを取り上げる」イメージがありますが、現代の子どもにとってデジタルは生活の一部。全面禁止は現実的ではありませんし、かえって「隠れてやる」という問題を生むこともあります。
大切なのは、スクリーンと上手に共存できるルールを、子どもと一緒に作ることです。
たとえば——
- 「ゲームは夕食前まで」「読み聞かせのあとはスマホなし」といった時間の区切りを作る
- 守れたときに「えらかったね」と声をかけ、達成感を積み重ねる
- 親自身もスマホを置いて読み聞かせに向き合う(子どもは親を見ています)
禁止ではなく「切り替える力」を育てること。それが、デジタルと上手に付き合える子どもを育てることにつながります。
画面そのものを悪者にしないことは、意外と大事だと思っています。友達との共通の話題であることも多く、全面的に否定されると、子どもは話してくれなくなります。
前半でお伝えしたとおり、夢中になって切り替えられなくなるのは、本を読んでいる子にも起きることです。画面だけを取り出して問題にする理由は、実はそれほどありません。問題は「画面」ではなく「切り替えのきっかけがないこと」なのだと思います。
必要なのは禁止ではなく、親子で納得できるルールと、大人からの声かけです。ルールの作り方は、こちらで詳しく書いています。

読み聞かせにおすすめの絵本
スクリーンから離れて、ぐっと引き込まれる物語を集めました。どれも「もう一回読んで!」と子どもからリクエストが来る名作ぞろいです。
「静かに聞ける子向け」ではなく、リアクションが返ってきやすい本を中心に選んでいます。
📖 『おしいれのぼうけん』古田足日・田畑精一(童心社)
本の内容
押し入れに入れられた二人の子どもが、暗闇の中でさんすけという恐ろしい存在と戦いながら友情を深めていく物語。日本の絵本の中でも特に「怖さと勇気」を正面から描いた傑作です。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか
画面の刺激とは全く違う、「想像の怖さ」と「一緒にいるから大丈夫」という感覚を体験できます。読み終わったあと、子どもが「怖かったけど、おもしろかった!」と言うとき、物語の力に出会っている瞬間です。
📖 『エルマーのぼうけん』ルース・スタイルス・ガネット(福音館書店)
本の内容
少年エルマーが、捕まったりゅうの赤ちゃんを助けるために、どうぶつ島へと旅に出る冒険物語。持ち物リストや地図など、細かい描写が子どもの想像力をとことん刺激します。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか
「次はどうなるの?」という気持ちがどんどん高まる構成で、ゲームに負けない「続きが気になる」体験ができます。読み終わったあと「自分もぼうけんしたい!」という気持ちが芽生えやすく、外遊びや創作遊びへの意欲にもつながります。
📖 『ぼくはおうさま』寺村輝夫(理論社)
本の内容
わがままな王様が「目玉焼きが食べたい!」と言い出すところから始まる、ユーモアたっぷりの短編連作。「おうさまシリーズ」として長く愛されている児童文学の名作です。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか
声に出して読むと思わず笑ってしまうような場面が続き、読み聞かせそのものが「楽しい時間」になります。「次のお話も読んで!」と子どもからリクエストが来るシリーズもので、習慣化にぴったりの一冊です。
📖 『ふたりはともだち』アーノルド・ローベル(文化出版局)
本の内容
がまくんとかえるくん、二匹の仲良しが繰り広げる短いお話が5つ収録された絵本。「てがみ」「クッキー」など、日常の小さなエピソードがほっこりと描かれています。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか
友達との関係や、気持ちの伝え方について、自然に考えるきっかけになります。短いお話の連作なので、忙しい日の読み聞かせにもぴったり。「がまくんとかえるくん、どっちが好き?」と話すだけで、豊かな会話が生まれます。
かえるくんとがまくんのことが好きになったら、続きもどうぞ読んであげてくださいね。
📖 『ぐりとぐら』中川李枝子・大村百合子(福音館書店)
本の内容
野ねずみのぐりとぐらが大きなたまごを見つけ、森の動物みんなでカステラを作って食べる物語。シンプルなストーリーと繰り返しのリズムが心地よい、ロングセラー絵本の代表作です。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか
「一緒に作る・一緒に食べる」という喜びを絵本を通じて体感できます。読み終わったあと「カステラ作ってみたい!」と子どもが言い出すことも。
ここがこの絵本の特別なところです。絵本の世界が現実の台所につながり、親子で一緒に作って食べるという体験が生まれる——これこそ、スクリーンには絶対にできないことです。「読む→作る→食べる→また読みたくなる」という好循環が、自然なデジタルデトックスにつながっていきます。
📚 関連本:『絵本からうまれたおいしいレシピ 絵本とお菓子の幸せな関係』ぐりとぐらのカステラをはじめ、人気絵本に登場するお菓子や料理を実際に作れるレシピ集。絵本を読んだあとにそのまま台所へ向かえる、読み聞かせの「次の一手」として最高の一冊です。「絵本の中のあれ、本当に作れるんだ!」という発見が、子どもの本への興味をさらに深めてくれます。
📖 『かいじゅうたちのいるところ』モーリス・センダック(冨山房)
本の内容
いたずらをして部屋に閉じ込められた男の子マックスが、想像の世界でかいじゅうたちの王様になる物語。大胆な絵と少ない言葉で、子どもの内側にある感情をダイレクトに揺さぶります。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか
怒りや孤独といった「扱いにくい感情」を、物語を通じて安全に体験できます。スクリーンの派手な刺激とは全く違う、絵と言葉が生み出す「静かな迫力」を感じられる一冊。読み終わったあと、子どもが自分の気持ちを話しやすくなることもあります。
📖 『ちいさいおうち』バージニア・リー・バートン(岩波書店)
本の内容
田舎に建っていた小さなおうちが、都市の発展とともにどんどん周囲の環境が変わっていく様子を描いた絵本。移りゆく季節と変化の中で、「本当に大切なもの」を問いかけてくる名作です。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか
「便利になることが、必ずしも幸せとは限らない」という気づきを、子どもの心にやさしく届けてくれます。スクリーン漬けの日常と対比して読むと、親子で「何が本当に好きか」を話すきっかけになります。デジタルデトックスのテーマに最もぴったりな一冊かもしれません。
📖 『あっ!みーつけたっ!!』くすのきしげのり・大島妙子(光村教育図書)
本の内容
学校の帰り道、「ぼく」はライオンに見える石を見つけます。「そうや、ええことかんがえた!」——毎日石を拾っては色を塗り、動物に見立てて、自分だけの動物園を作っていく男の子のお話。なぜそこまで一生懸命なのか、その理由が明かされるラストに心が温かくなります。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか
「足元の石ころが、宝物に見えてくる」——これが、この絵本の最大の贈り物です。読み終わったあと、ぜひ子どもと一緒に外に出てみてください。
💡 絵本のあとにできる「石ころ動物園」遊び
散歩や公園で「動物に見える石」を探す → 家に持ち帰って水で洗う → 絵の具やペンで目や模様を描いて動物に仕上げる → 並べて「自分だけの動物園」を作る
スマホもゲームも要らない、地面を見つめて歩くこの時間こそ、最高のデジタルデトックスです。「これはカエルに見える!」「こっちはゾウ!」と夢中で石を探す子どもの目は、画面の前とはまるで違う輝きを持っています。
📖 『やさいのおなか』きうちかつ(福音館書店)
本の内容
野菜を輪切りにした断面のシルエットクイズ絵本。「これはなんのやさい?」と問いかける形式で、子どもが自然に参加しながら楽しめます。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか
「見る・考える・答える」という体験が、受動的なスクリーン視聴とは真逆の「能動的な関わり」を生み出します。正解したときの達成感がゲームにも似ていて、読み聞かせへの抵抗が強い子どもの入口としても最適。台所に連れて行って「本物の断面」を見せる遊びに発展させることもできます。
一人で読めるようになってきたお子さんには、こちらもどうぞ。

よくある質問
まとめ|読み聞かせは「奪う」のではなく「与える」デジタルデトックス
スクリーンタイムを減らしたいなら、取り上げるのではなく、それ以上に魅力的な時間を用意すること。
読み聞かせは、親の温もりと物語の力で、子どもの心を自然に満たしてくれます。「もっと聞きたい」「続きが楽しみ」という気持ちが育つと、スクリーンへの執着は少しずつ薄れていきます。
画面を取り上げるのは、その場では効いても、繰り返すほど親子ともに消耗していきます。「やめさせる」から「こっちに来てもらう」に切り替える——それがこの記事でお伝えしたかったことです。
この記事のポイントを、もう一度整理します。
- やめられないのは意志の弱さではなく、そうなるように作られた仕組みの側の問題という見方もできる
- 夢中になれば、切り替えられないのは誰にでも起こる。本を読んでいる子にも同じことが起きる
- だから切り替えは子どもにまかせず、大人が作ってあげていい
- 取り上げるより、別の充実感で置き換えるほうが、親子のダメージが少なく続きやすい
- 何に夢中かによって、効く置き換え方は変わる(動画/ゲーム/友だち)
- 毎日でなくていい。短くていい。上手でなくていい
- そして——子どもは、思っているよりずっと読み聞かせが好き
うまく読もうとしなくて大丈夫です。今夜、動画を見ているお子さんに「読み聞かせするからおいで」と声をかけてみてください。「やったー」と駆けつけてくるかもしれません。
どうか自信を持って、読み聞かせを生活の一部にしてみてください。
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