読み聞かせは親子の「遊び場」|声を出して笑って、今夜も一緒に楽しもう
子どもが小さいころ、一緒に遊んでいた時間を覚えていますか?
積み木を重ねたり、追いかけっこをしたり、くすぐり合いをしたり。あのころの「一緒に遊ぶ」時間は、子どもが成長するにつれて少しずつ変わっていきます。
お友だちと遊ぶようになって、「外で遊んでくる!」と飛び出すようになって、気がつけば「ねえ、一緒に遊ぼう」と誘われる機会も減ってくる…。
でも、読み聞かせがあれば大丈夫です。
読み聞かせは、「勉強」でも「しつけ」でもありません。親子でいっしょに楽しむ、れっきとした遊びのひとつです。声を出して、笑って、ときにはふたりでおなかを抱えて笑い転げて。そんな時間が、毎晩つくれます。
この記事では、「読み聞かせを楽しむこと」だけを考えます。難しいことは一切なし。今夜から使える、声を出して楽しめる絵本をたっぷりご紹介します。
読み聞かせって、じつは「遊び」だった
思い返してみると、読み聞かせってすごく遊びに似ています。
絵本の登場人物の声を変えて読んでみたり、「次どうなると思う?」とクイズみたいに聞いてみたり、繰り返しのフレーズを子どもと一緒に声に出してみたり。
子どもが「もう一回!」と言うのは、面白い遊びをもう一回やりたい気持ちと同じです。
だから、読み聞かせはうまく読まなくていい。ゆっくりでも、噛んでしまっても、笑ってしまっても、全部ひっくるめて「一緒に楽しむ時間」にしてしまいましょう。
声を出して楽しむ絵本の読み方、3つのコツ
① 繰り返しのフレーズは「一緒に言う」
絵本には、同じフレーズが何度も出てくるものがたくさんあります。そういうフレーズは、子どもと一緒に声に出してみましょう。
何度か読むうちに、子どもがフレーズを覚えてきます。そうしたら、わざと間違えたり、途中で止めて「次はなんだっけ?」と振ったりすると、子どもはとても嬉しそうに教えてくれます。
② 声色を思い切り変えてみる
おじいさんのキャラクターはしゃがれた声で、小さな動物は高くてかわいい声で。最初は恥ずかしくても、子どもは親の声の変化に大喜びします。うまくやろうとしなくていい。「ちょっと変な声」のほうが、むしろウケます。
③ 「読む」より「一緒に参加する」感覚で
読み聞かせは、親が一方的に読むものではありません。「ここ、どんな顔してると思う?」「次はどうなるかな?」と合間に声をかけて、子どもも絵本の世界に参加できるようにしてみましょう。そうすることで、読み聞かせがぐっとインタラクティブな遊びになります。
今夜から使える!声を出して楽しむ絵本8冊
『ウラパン・オコサ』
谷川晃一 著 / 童心社
どんな絵本? 「1」をウラパン、「2」をオコサと呼び、この2つの言葉だけで数を数えていく、ちょっと不思議なかず遊び絵本です。「サルが1ぴきでウラパン、バナナが2ほんでオコサ」…数が増えるほど「オコサ・オコサ・ウラパン!」と呪文のようなリズムになっていきます。第5回日本絵本賞受賞作。小学校の図書室に置いてあることも多い一冊。
一緒に楽しむポイント ルールが分かってきたら「オコサ!ウラパン!」と親子で声を合わせて答えるのが楽しい。数が大きくなるほどテンポが上がって早口言葉みたいになり、気がつけばふたりで大笑い。わかった瞬間の「あ、そういうことか!」という顔が最高です。小学1年生から6年生まで盛り上がれる珍しい絵本です。
『ねこいる!』
たなかひかる 著 / ポプラ社
どんな絵本? 「ねこいる?」と問いかけると、バゲットや肉まん、リコーダーを吹く女の子の脇など、ありえない場所から「ババーン!」とねこが飛び出す、ただそれだけの絵本です。シンプルな展開と言葉の繰り返しが潔く、MOE絵本屋さん大賞2022受賞。著者自身が「頭は良くならない絵本」と言い切る、純粋に笑うための一冊。
一緒に楽しむポイント 「ねこいる?」と問いかけるたびに「いない!…って思ったらいた!」という驚きが繰り返されます。「ババーン!」の効果音を親子で大げさに言うだけで大盛り上がり。ページをめくるたびに「次はどこから出てくるんだろう?」と夢中になれる、ゲーム感覚の絵本です。
『ねこいる!いる!』
たなかひかる 著 / ポプラ社
どんな絵本? 大人気『ねこいる!』の第2弾。シリーズ累計20万部を超えた人気シリーズのさらなる進化版です。今回もどんな場所からねこが飛び出すかまったく予想できず、「わけがわからない」のにとにかく笑える。前作を読んだ子は「今度はどこから出る?」と身構えながら読み進めます。
一緒に楽しむポイント 前作を知っているだけに、「今度は読めたぞ!」と思う油断を絶妙に裏切ってくれます。親子で「次はここから出るはず…」と予測し合いながら読むのが楽しい。1冊目と2冊目を続けて読んで、どっちがより驚いたかを言い合うのも盛り上がります。
『へんしんトンネル』
あきやまただし 著 / 金の星社
どんな絵本? ふしぎなトンネルをくぐると、言葉が変身してしまう!かっぱが「かっぱかっぱかっぱ…」とくぐると、出口から「ぱっかぱっかぱっか」と馬になって出てきます。とけいは毛糸に、ロボットはボロになって…。言葉の音が逆さになって全く別のものに変身する、シリーズ累計90万部を超えることばあそびの決定版。
一緒に楽しむポイント 繰り返しのことばを親子で声を揃えて読むのが楽しく、自然と「次は何に変身する?」と考えはじめます。変身の瞬間に一緒に驚いたり笑ったりするだけで最高の時間に。読み終わったら「ほかにもへんしんできる言葉はないかな?」と家の中で探す遊びに発展することも。シリーズが多いので長く楽しめます。
『おうさまがかえってくる100びょうまえ!』
柏原佳世子 著 / えほんの杜
どんな絵本? 王様が出かけた隙に、家来たちは王様の部屋でやりたい放題。ところが窓から王様の馬車が!「かえってくるまであと100びょうだ!かたづけろーー!!」始まる怒涛の100秒カウントダウン。1秒ずつ刻まれる数字とともに、家来たちの大慌てのお片づけが描かれます。
一緒に楽しむポイント 「100、99、98……」と一緒にカウントしながら読むのが最高に盛り上がります。数字が減るたびに「まだ片付いてない!」「急いで!」と子どもが自然と声を上げ始めます。ハラハラドキドキのスリルを親子で共有できる、読み聞かせが「参加型ゲーム」になる一冊。
『だじゃれどうぶつえん』
中川ひろたか 文 / 高畠純 絵 / 絵本館
どんな絵本? ペンギンがペンキを塗って「ペンギンぬりたて」、ライオンがカレーを食べて「かライオーン」、リスがシャワーで頭を洗って「シャンプー アンド リス」…動物が主役のだじゃれが次々と登場します。文章の中に動物の名前が自然に溶け込んでいて、意味がわかった瞬間の「あー!なるほど!」が気持ちいい絵本です。
一緒に楽しむポイント 読んでいて突然ニヤッとしてしまうページが続きます。「なんでこれがだじゃれなの?」と子どもに聞かせてみると、説明しようとしてまた笑えてくる。少し難しいだじゃれもあるので、小学生になってからが特に楽しめます。親子でどのだじゃれが一番うまいか採点し合うのもおすすめです。
『ねえ、どれがいい?』
ジョン・バーニンガム 著 / 評論社
どんな絵本? 「ジャムだらけになるのと、泥んこになるのとどっちがいい?」など、ちょっと変わった質問が続く絵本です。正解はなく、選んで答えるだけ。
一緒に楽しむポイント 子どもに「どれがいい?」と聞きながら読むのが最高に楽しい。子どもの答えに「え、なんで!?」と反応するだけで大盛り上がり。親も一緒に選んで、ふたりの答えが違ったり同じだったりするのを楽しみましょう。読み聞かせというより「一緒にやるゲーム」です。
『もこ もこもこ』
谷川俊太郎 作 / 文研出版
どんな絵本? 「もこ」「もこもこ」「にょき」…意味よりも音とリズムを楽しむ、谷川俊太郎の名作絵本。シンプルな言葉と元長山正道のダイナミックな絵が合わさった、読むたびに声を出したくなる一冊。
一緒に楽しむポイント 音の気持ちよさを全身で楽しめます。「もこもこもこ…」とゆっくり読んだり、突然大きな声で「にょき!」と言ったり。テンポを変えるだけで子どもの反応が変わります。声の大きさや速さを実験しながら読む、そんな楽しみ方がおすすめです。
「うまく読めなくていい」が、一番大事なこと
読み聞かせをしていると、「もっとうまく読んであげたい」と思うことがあるかもしれません。声が変えられない、間が取れない、噛んでしまう…。
でも、子どもにとって大事なのは、上手に読んでもらうことではありません。
「お父さん(お母さん)と一緒に、楽しかった」
その記憶が残ることが、全てです。
噛んでしまったら一緒に笑えばいい。声がおかしくなったら「変だった?」と聞いてみればいい。失敗も全部ひっくるめて、楽しい時間にしてしまいましょう。
子どもが友だちと遊ぶようになっても、外の世界が広がっても、夜の読み聞かせの時間だけは、親子ふたりだけの遊び場です。
今夜も一緒に、声を出して笑いましょう。
まとめ:読み聞かせは、親子の「遊び場」
- 読み聞かせは「勉強」ではなく、親子でする「遊び」のひとつ
- 繰り返しのフレーズは一緒に声に出す
- 声色を変えたり、間違えたりするのも全部楽しい
- 声を出して笑える絵本を選ぶと、読み聞かせがもっと盛り上がる
- うまく読めなくていい。大事なのは「一緒に楽しんだ」こと
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