小学生の語彙力の増やし方|家庭でできる4つの方法を司書ママが解説

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目次

こんな方におすすめの記事

  • 「うちの子、語彙が少ないかも…」と気になっている方
  • 子どもの話し方や作文が単調で、「すごい」「やばい」ばかりなのが心配な方
  • 語彙力が大事とは聞くけれど、家庭で何をすればいいのかわからない方
  • ドリルを買ってもなかなか続かず、日常の中でできる方法を探している方

先に結論からお伝えします。

小学生の語彙力を伸ばす近道は、「会話」「読書」「新聞」で言葉を増やし、「話す・書く」で使う機会を作ることです。家庭では、この4つを少しずつ続けるだけでも十分効果があります。

学校図書館で毎日子どもたちと本の話をしていると、語彙が豊かな子には共通点があることに気づきます。それは「たくさん覚えさせられた子」ではなく、日常の中で言葉に触れ、言葉を使う機会が多い子だということです。

この記事では、学校司書として、そして小学生の母として、家庭でできる語彙力の増やし方を「会話」「読書」「新聞」「通信教育」の4つの入口から具体的にお伝えします。

語彙には、聞いたり読んだりすればわかる言葉と、自分で話したり書いたりできる言葉があります。家庭でできるのは、この2つをつなぐことです。本は読んでいるのに増えない、と感じている方は、先に本を読んでも語彙力が上がらない小学生|増えない子に起きていることと、家庭でできる5つのことをご覧ください。


家庭で語彙力を増やすには?【まず全体像】

家庭でできることは大きく4つ。「会話」「読書」「新聞」「通信教育」です。

方法主な役割特徴
① 会話入れる&使う今日からゼロ円でできる。使用語彙を増やす最短ルート
② 読書入れる物語・感情・描写の言葉に強い。語彙の貯金箱
③ 新聞入れる時事・社会の言葉に強い。読書では出会いにくい語彙を補う
④ 通信教育使う入れた言葉と知識を「授業がわかる・解ける」につなげる仕上げ役

そして、この4つすべての土台になるのが、「話を聞いてもらえる環境」です。これについては記事の後半でじっくりお伝えします。

全部を一度にやる必要はありません。まずは①の会話から。そこに、お子さんに合いそうなものを足していくイメージで読み進めてみてください。


①会話で語彙力を増やすには?今日からできる声かけ

親子の会話で語彙力を育てるイメージ

親が「ちょっとだけ大人の言葉」を混ぜて話し、子どもの言葉を「言い換えて返す」こと。これだけで会話は語彙のレッスンになります。

子どもの言葉に「一段上の言葉」を重ねる

お子さんが話した言葉を、少しだけ豊かな言葉に言い換えて返してあげる方法です。訂正ではなく「翻訳して返す」のがコツです。

子どもの言葉親の返し方(例)
「今日の給食、やばかった!」「そんなに絶品だったんだ!どのおかずが?」
「あの子、ずるい」「うらやましい気持ちになったんだね」
「なんかムカムカする」「思い通りにいかなくて、もどかしいのかな」

子どもは「言い直しなさい」と言われると口を閉じますが、自分の気持ちにぴったりの言葉を差し出されると、すっと受け取ります。次に似た場面が来たとき、その言葉を自分で使い始めます。

「どうだった?」を少しだけ具体的に聞く

「学校どうだった?」→「楽しかった」で終わる会話、よくありますよね。質問を少し具体的にするだけで、子どもが言葉を選んで話す機会が生まれます。

  • 「今日いちばん笑ったのはどんなとき?」
  • 「それって、どんな味だった?甘い?香ばしい?」
  • 「その気持ちに名前をつけるとしたら、何だろうね」

言葉に詰まったときは、無理に言わせなくて大丈夫。「それは『達成感』っていうのかもね」と、大人がさりげなく言葉を手渡してあげれば十分です。

大人同士の会話を「聞かせる」のも立派な語彙育て

子どもは、自分に向けられた言葉だけでなく、まわりの大人の会話からも言葉を吸収します。夕食の時間に夫婦でニュースの話をする、祖父母と電話で話す機会をつくる——それだけで、子どもの耳に入る言葉の種類は増えていきます。


②読書で語彙力を増やすには?司書が考える「効く読み方」

読書で語彙力を育てる子どものイメージ

「面白いと思える本で、少しだけ難しい本を、継続して読む」。この3つがそろったとき、読書は語彙の宝庫になります。

図書館で子どもたちを見ていて実感するのは、語彙が伸びる読書には条件があるということです。

  • 楽しい:面白くない本は続かず、言葉も心に残らない
  • 少しだけ難しい:知っている言葉ばかりの本では、新しい語彙に出会えない
  • 継続:語彙は一冊で増えるものではなく、読み続ける中で積み上がる

特に大切なのが「少しだけ難しい」のさじ加減です。難しすぎると読書自体が嫌いになり、簡単すぎると語彙が増えない。お子さんの「今」にちょうどいい本を選び続けることが、実はいちばん難しく、いちばん効果的なのです。

まだ一人読みが安定しない低学年のうちは、読み聞かせも立派な語彙育てです。耳から入る言葉は「自分で読める字」の制限を受けないので、一人読みより少し難しい言葉にも出会えます。読み聞かせから一人読みへの移行期については、文字は読めるのに本を読まない小学生|一人読みへのつなぎ方を学校司書が解説で詳しくお伝えしています。

とはいえ、「ちょうどいい本」を選び続けるのは、親にとってなかなかの負担です。わが家でも「次に何を読ませたらいいか」は長年の悩みでした。

そこで頼りになるのが、選書まで任せられるサービスです。「ヨンデミー」は、子どもの読む力と好みに合わせて本を提案してくれる、オンラインの読書の習い事です。3冊の候補から子どもが1冊を選ぶしくみで、わが家では兄弟で使っています。

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読書と語彙力の関係については、本を読んでも語彙力が上がらない小学生|増えない子に起きていることと、家庭でできる5つのことでさらに詳しくお伝えしています。増えた言葉を人に伝える力につなげたいときは、説明が苦手な子・話が伝わらない子|「主語がない」「話が長い」を家庭で直す、伝える力の育て方もどうぞ。


③子ども新聞は語彙力アップに効果がある?

子ども新聞を読む親子のイメージ

あります。特に「時事・社会の言葉」は、読書だけではなかなか出会えない語彙。新聞はその穴を埋めてくれます。

物語の本をたくさん読んでいても、「選挙」「物価」「環境問題」といった社会の言葉にはあまり出会えません。でも、こうした言葉は学年が上がるにつれて、社会科の授業や説明文の読解でどんどん必要になります。

子ども新聞の良いところは、こうした言葉を、小学生向けにかみくだいた説明つきで届けてくれることです。

子ども新聞を読んでいて感じる4つの良さ

「今」の言葉と出会える

新聞の言葉は、いつも「今」とつながっています。今年から使われるようになった「酷暑日」のような新しい言葉。「今日は何の日」のコーナーで出会う「夏至」のような季節の言葉。今の暮らしと結びついた言葉は実感を持って覚えられるので、知るだけで終わらず、そのまま使える言葉になっていきます。

説明文の表現に触れられる

新聞の文章は、物語と違って論理的に進む「説明文」です。説明文を読み慣れることは、説明文を書く土台になります。つまり、作文や読書感想文を書く力に直結するのです。

数字に強くなる

新聞は「たくさん増えました」ではなく、「去年の1.5倍の1000匹になりました」と説明します。読んでいるうちに、数で物事をとらえる感覚も自然と養われます。

興味の薄い分野の言葉にも出会える

新聞が扱う内容は、世界のこと、政治、経済、動物、スポーツと多岐にわたります。日頃ファンタジーばかり読んでいる子でも、新聞を開けば、まったく違う分野の言葉に触れられます。そして語彙が多様になると、興味の幅も一緒に広がっていきます。

新聞デビューにおすすめの2紙

  • 読売KODOMO新聞(週1回・月550円):カラーで読みやすく、新聞デビューにぴったり
  • 朝日小学生新聞(毎日発行・月2,500円):活字量が多め。読む習慣がついた子のステップアップに

※価格は2026年7月時点のものです。

リビングのテーブルに置いておくだけで、ふとした時に手に取る「言葉との偶然の出会い」が生まれるのも、紙の新聞ならではの良さです。食卓で「この記事読んだ?」と会話の話題にすれば、①の会話とのかけ算にもなります。

▼読売KODOMO新聞(週1回)

▼朝日小学生新聞(毎日発行)

本と新聞の組み合わせ方は、こちらにまとめています。

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④通信教育は語彙力アップに役立つ?わが家の実感

タブレット学習に取り組む子どものイメージ

役立ちます。会話・読書・新聞で「入れた」言葉と知識を、「授業がわかる」「問題が解ける」という形でアウトプットにつなげてくれるのが通信教育です。

読書や新聞から知識を入れることは、それ自体に喜びや学びがあります。でも、せっかく入れた知識は、さらにもう一歩、活かしたい。小学生にとって、いちばん成果がわかりやすいアウトプットは「勉強ができること」です。

先生の言っていることがわかる。問題が解ける。この喜びは、子どもの毎日を支えます。「勉強が苦手だから学校が苦手」という子は、実はよくいます。学校生活の大半は授業の時間ですから、無理もないことです。だからこそ、インプットとともにアウトプットの力も育ったら、毎日そのものが楽しくなるのです。

わが家の進研ゼミ体験:一度やめて、わかったこと

わが家では、子ども2人とも小学校入学時から進研ゼミをタブレットで受講しています。学習時間は1日10分ほど。「次の教材が届くまでにその月の学習を終わらせる」を目標にしていますが、少しずつ取り組めば余裕でこなせる量で、何日か休んでも大丈夫です。学習ゲームも豊富で、漢字や文章のルール、計算まで、「勉強」というプレッシャーのないまま自然と身につきました。

実は一度、進研ゼミをやめたことがあります。タブレット学習だと、説明をよく聞かずに適当にタップして答えているように見えたからです。「これでは意味がないかな」と。

ところが、やめてから学校のテストの点数がのきなみ悪くなったのです。学年が上がって内容が難しくなった影響もあるでしょうが、目に見える変化でした。授業でわからないことが増えていくようで、危機感を覚えて再開したところ、成績はもとに戻っていきました。

このとき初めてわかりました。ただタップしているように見えて、子どもはちゃんと学習していたのです。間違えた問題を正解するまで繰り返し出題してくれる仕組みが、毎日10分でも確実に積み上がっていた。「見えないところで効いていた」ことを、やめてみて実感したという、ちょっと苦い体験談です。

わが家が感じている進研ゼミの良さ

  • 国語では言葉の意味や慣用句を問う問題が繰り返し出てくるので、会話や読書で「聞いたことがある」になった言葉を「答えられる・使える」言葉に変える練習になる
  • 小学校で必要な内容を網羅的にカバーしてくれる安心感
  • 難しすぎないので、親がつきっきりでなくても一人で進められる
  • 1日10分だから、友だちとの遊び・習い事・やりたいこととの両立が十分できる
  • キャラクターは明るく、色はポップ、音楽も陽気で、楽しみながら取り組める

一方で正直にお伝えすると、中学受験で上位校を目指すご家庭や、勉強を生活の中心に据えたいご家庭には、物足りない部分があるかもしれません。「学校の学習をしっかり身につけながら、子どもらしい毎日も大切にしたい」というご家庭には、ちょうどいい設計だと感じています。

まずは資料請求で、お子さんの学年の教材見本を親子で眺めてみるのがおすすめです。「これならやってみたい」というお子さんの反応が、何よりの判断材料になります。

進研ゼミ小学講座の公式サイトはこちら

学校現場で見てきた「語彙が伸びる子」の共通点

話を聞いてもらえる子どものイメージ

語彙が伸びる子に共通しているのは、「ちゃんと話を聞いてもらえる環境」があることです。

「先生、聞いて!」——学校図書館で働いていて、子どもたちからいちばんよく言われるセリフのひとつです。子どもは(大人もそうですが)、自分の話を聞いてもらうことが大好きです。

そして、語彙が豊富でよく話す子は、例外なくよく聞いてもらえる環境にいます。親だったり、友だちだったり。聞いてもらえれば、子どもは話します。話す機会があれば、新しい言葉をどんどん吸収します。新しい言葉や出来事に出会ったとき、「話そう、聞いてもらおう」と思って覚えるのです。

話を聞くだけで、言葉は育つ

だから、とにかくお子さんの話を聞いてあげてほしいのです。何を言っているのかさっぱりわからないことも、あるでしょう(よくあります)。それでも「そうなんだね」と聞いてもらえるだけで、子どもは大満足。その満足感が、新しいことを吸収する力になります。

さらに話を広げたいときは、こんな相づちが効きます。

  • 「それで?」→ 話がどんどん出てくる
  • 「どう思ったの?」→ 自分の気持ちに気づく
  • 「それはどういうこと?」「誰と誰が何をしたの?」→ 話を整理する言葉が育つ

質問して「わからない」と言われても大丈夫です。そのときはうまく言葉にできなかっただけ。「そういうことも聞かれるんだ」とわかれば、子どもは次に何かを経験したとき、「今度聞かれたら、こう答えよう」と考えるようになります。

聞いてもらえない子は、黙ってしまう

逆のことも、現場ではよく見えます。聞いてもらえない子は黙ります。話して批判される子は、話すことが怖くなります。話すことに心配が多いと、言葉を使う機会そのものが減ってしまうのです。

一方で、よく考えてから話す子、ひとつの言葉を大事に使いたい子、お話しするまでに時間がかかる子もいます。言葉の量が多くても少なくても、焦らなくて大丈夫。お子さんが「聞いてもらえたな」と思えたら、それで十分です。

語彙はインプットもアウトプットも大事。アウトプットするためのインプットであり、インプットするためのアウトプットでもある。両輪で動きます。

ずっと話しかけてくるのをずっと聞き続けるのは無理です。でも、1日10分だけでも、目を見て、しっかり聞いてもらえる時間があるといい。大人だって、聞き流されるのは嫌ですよね。目を見て返事をしてもらえるだけで、満たされるものだと思います。


まとめ:語彙力は「入れる×使う」の両輪で育つ

今日お伝えしたことを振り返ります。

  • 語彙力とは「知っている」ではなく「使える」言葉の量。理解語彙を使用語彙に変えることがゴール
  • 会話:言い換えて返す・具体的に聞く。今日からゼロ円でできる最短ルート
  • 読書:「楽しい×少し難しい×継続」で語彙の貯金を増やす
  • 新聞:読書では出会えない時事・社会の言葉と、説明文の表現・数の感覚を補う
  • 通信教育:入れた言葉と知識を「授業がわかる・問題が解ける」というアウトプットにつなげる
  • 土台は「話を聞いてもらえる」安心感。1日10分でも、目を見て聞いてもらえる時間が言葉を育てる

今日からできる語彙力アップ3ステップ

「で、今日は何をすればいい?」という方は、まずこの3つだけで大丈夫です。

  1. 子どもの話を10分聞く(「そうなんだね」「それで?」と相づちを打つだけでOK)
  2. 一段上の言葉で返す(「やばい」→「絶品だったんだ!」と翻訳して返す)
  3. 一緒に本を読む(読み聞かせでも、隣で別々の本を読むだけでも)

4つ全部をやろうとしなくて大丈夫です。勉強も会話も、まずは1日10分から。この3ステップを続けるうちに、お子さんの言葉は少しずつ、でも確実に増えていきます。


参考にしたい本

語彙力育てをもう一歩進めたいご家庭におすすめの本をご紹介します。

語彙のインプットを楽しく増やす

語彙力図鑑・ドリル・国語辞典・まんが・物語まで、小学生向けの本を12冊タイプ別に比較したものを小学生の語彙力を伸ばす本おすすめ12冊にまとめました。迷ったら、まず国語辞典を1冊——という結論も、そちらで理由まで書いています。

子どもの話の「聞き方」を学ぶ

この記事でお伝えした通り、語彙力育ての土台は「聞いてもらえる」環境です。親側の聞き方を磨きたい方には、こちらの本がおすすめです。

『子どもが聴いてくれて話してくれる会話のコツ』天野ひかり 著

NHK「すくすく子育て」元キャスターで、育児コミュニケーションの専門家による一冊。子どもの話を引き出す具体的なフレーズが場面別に紹介されていて、「それで?」「どう思ったの?」といった相づちのバリエーションがぐっと増えます。マンガ形式で読みやすいので、忙しい方でもすき間時間に読み進められます。

『子どもが聴いてくれる話し方と子どもが話してくれる聴き方大全』アデル・フェイバ/エレイン・マズリッシュ 著(きこ書房)

世界中で読み継がれてきた親子コミュニケーションの古典的名著。子どもの気持ちを受け止める聴き方、反発を生まない伝え方が、豊富な実例とワーク形式で学べます。「誰かに聴いてもらい、共感してもらえた子は、自分で自分を助ける力を持てる」という考え方は、この記事でお伝えした「聞いてもらえる子は語彙が伸びる」という現場の実感とも重なります。流通が少ない時期もあるので、見つからないときは図書館で探してみるのもおすすめです(司書としては、図書館の活用も大歓迎です)。


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子どものことば・コミュニケーション・読書の力を育てるヒントを発信しています。

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この記事を書いた人

小学校で学校司書をしています。毎日子どもたちと図書室で過ごす中で感じること——それは言葉を育てることの大切さです。
読み聞かせ・読書・親子の会話・AI時代との向き合い方など、ご家庭でできる「ことば育て」のヒントを発信しています。
難しいことは何もありません。毎日少しの積み重ねで、子どもの言葉はぐんぐん育ちます。

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