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こんな方におすすめの記事
- 子どもが『かいけつゾロリ』ばかり読んでいて、そろそろ次に進めたい方
- ゾロリを読み終えてしまい、そこで本が止まっている方
- 次の本を渡してみたけれど、読んでもらえなかった方
- 「そろそろ字の多い本を」と言いかけて、やめたことがある方
- ゾロリは読書に入るのだろうか、と気になっている方
学校司書のあいだでは、これを「アフターゾロリ問題」と呼んで、よく話題にします。
『かいけつゾロリ』は、多くの子が人生ではじめて「自分の力で一冊読み切った」本です。だからこそ、読み終わったあとに何を渡せばいいのかで、大人のほうが立ち止まります。
先にお伝えします。どの子も、ゾロリの次につながっていけます。ゾロリで読書が終わってしまう子はいません——次の本が用意されていれば。
問題は「卒業できるかどうか」ではありません。ゾロリを読み終えたときに「もう読むものがない」となって、そこで読書が止まってしまうことです。ここだけ、大人が手を打てばいい。
この記事では、学校図書館で毎日ゾロリの棚を見ている立場から、次の1冊をどう用意するかを6つのやり方でお伝えします。そのうえで、実際に図書室で動いていった本を中心に9冊を紹介します。
小学校低学年〜中学年、一人で本を読みはじめたお子さんがいる方に向けた内容です。
結論:卒業は自然にします。続けられるかどうかが問題です

結論からお伝えします。
- ゾロリからの卒業は、放っておいても自然にします。やめさせる必要はありません
- 気をつけるのは、卒業したあとです。読むものがなくなると、読書そのものが止まります
- 次の本は「置いておく」だけでは足りません。用意のしかたは何通りもあります
- 選ぶ基準は、学年でも文字数でもありません。その子が「面白そう」と思えるかどうかだけです
本を読むのは、けっこう大変なことです。動画やゲームとちがって、自分から働きかけないと何も起きません。能動的な集中力がいります。
それでも子どもがページをめくるのは、面白そうだと思っているからです。面白そうだと思う本だから読める。読めるから楽しい。楽しいから続けられる。この順番は、絶対に飛ばせません。
だから、この記事に出てくるどのやり方も「読ませる」ためのものではありません。「面白そう」と出会う機会を、何通りかつくっておくためのものです。
図書室のゾロリの棚で、起きていること

70冊そろっていて、真っ先に選ばれる本
勤務している学校の図書室には、ゾロリが70冊ほどあります。人気なので、だいたい全巻そろっています。
家庭で買われることも多い本で、お子さんが読まなくなったあとに図書室へ寄贈してくださる方もいます。そのため同じ巻が複数ある状態になり、あふれたぶんは学級文庫にまわって教室にも置かれています。
巻数が多いのと、話が続きものではないおかげで、取り合いはあまり起きません。どの巻から読んでも気にしない子もいれば、順番に読みたい子もいます。次の巻が貸出中だと、飛ばして別の巻を借りる子もいれば、返ってくるまで待つ子もいます。
いちばん人気があるのは3年生です。自分である程度読めるようになって、真っ先に選ばれる本、という印象です。「あの巻おもしろかったよ」と友だちが言ったから、その巻を借りてみる、という光景もよく見ます。
ゾロリは、一人読書への架け橋です
「ゾロリは読書に入らない」という言い方を、ときどき聞きます。毎日あの棚を見ている立場から言えば、まったくそんなことはありません。
ゾロリは、一人読書への架け橋になる本です。ゾロリを読んで「自分で最初から最後まで読めた」という成功体験を積む子は、とても多いです。
それだけではありません。誰もが知っているシリーズなので、友だちどうしで「あの話おもしろかった」という共通の話題になります。本の話を人とする、という経験が、ここで始まります。
1年生が入学してきたときも、この本は役に立ちます。「ゾロリもたくさんあって、全部借りて読むことができるよ」と話すと、「おー」と声があがります。図書館ってすごい場所なんだな、と印象づけることができるんです。
ですから、まず読みたい気持ちがあるのなら、どんどん読んでいきましょう。立派な読書時間です。手を打つのは、読み終わったあとだけで十分です。
ゾロリで止まる子と、次へ行く子の違い

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。
「ゾロリを読んだ」には、2種類あります
同じ「ゾロリを読んでいる子」でも、じつは中身が2通りに分かれます。
- すべての文字を読んでいる子(地の文も読んでいる)
- 絵と、漫画のような吹き出しのセリフだけを読んでいる子
この2つは、読書のレベルとしてはかなり違います。けれど、どちらも「ゾロリを読んだ」と言いますし、大人の側からは見分けがつきません。
そして、地の文を読まなくても話の流れがわかって楽しめてしまうところが、ゾロリのいいところなんです。話にはパターンがあり、起承転結が単純明快です。読んで爽快になれる。だから、絵とセリフだけでも最後までたどり着けます。
この違いが、次の本でそのまま出ます
次の本を選ぶとき、大人はふつう「もう少し文字が多い本」を探します。ところが、挿絵が減るということは、減ったぶんの情報が地の文に入っているということです。
地の文まで読んでいる子は、挿絵を減らしていくことができます。地の文を読んでいない子にとっては、挿絵が減った瞬間に、話が追えなくなります。「字ばっかり」と言って、すぐ本を閉じてしまう子はとても多いです。
ここが、ゾロリで終わるか、ゾロリから次へ行けるかの差になります。
ただ、誤解しないでいただきたいのですが、絵とセリフだけで読んでいることは、まったく悪いことではありません。それでも一冊読み切っていますし、続きが気になってページをめくっています。用意する本が変わるだけです。
おうちでの見分け方
読んでいる様子を、少しだけ見てみてください。
| 絵とセリフで読んでいる子 | 地の文まで読んでいる子 | |
|---|---|---|
| 読む速さ | 一冊がとても速い | それなりに時間がかかる |
| 目の動き | ページをぱらぱらめくる時間が長い | 行を追うように読んでいる |
| 話の再現 | 場面や決めゼリフを話す | 「そのとき○○が〜して」と順を追って話せる |
| 細かい説明のページ | 飛ばす | 読む、または読み上げてくる |
| 次に用意したい本 | 絵が多く吹き出しのある本 | 挿絵が少しずつ減っていく本 |
どちらかに決めつける必要はありません。両方の本を用意しておけば、子どもが選びます。
ゾロリを読んでいた子は、そのあとどこへ行くのか
図書室で見ていると、ゾロリを読み終えた子の行き先は、だいたい2つのルートに分かれます。
| 漫画として読んでいた子 | 文章として読めていた子 | |
|---|---|---|
| 次に行く先 | 科学漫画サバイバルシリーズ、ざんねんないきもの事典など | マジック・ツリーハウス、ミルキー杉山のあなたも名探偵、角川つばさ文庫や集英社みらい文庫の児童文庫 |
| 共通点 | 絵から情報を取れる。拾い読みできる | 地の文を追って、話を組み立てられる |
| この時期にしたいこと | 絵の多い読み物をはさんで、少しずつ文章に慣れる | 好きなジャンルを見つけて、量を読む |
次に行ける子は、自分で新しい本を探し出します。ゾロリを読み終わった時点で、探す力がもう育っているんです。
いっぽうで、ゾロリで止まる子もいます。この子たちは、次の本が見つからないまま図書室から足が遠のいていきます。手を打つのは、まさにここです。
読書は、短い時間でも「続けていく」ことがいちばん大事です。一度止まってしまうと、再開するほうがずっと大変になります。
読む時間の目安については、こちらにまとめています。
小学生の読書時間は何分が効果的?学力が伸びる目安を学校司書が解説
図書室で、ゾロリの隣に置くと動く本

「ゾロリが好きな人ははまるかも!?」というPOPをつけて、ゾロリの近くに並べることがあります。そこで実際によく借りられていくのは、この3つです。
- 『ほねほねザウルス』(岩崎書店)
- 『おしりたんてい』(ポプラ社)
- 『ようかいとりものちょう』(岩崎書店)
この3つには、はっきりした共通点があります。同じように絵がたくさんあって、漫画のように吹き出しのセリフがある。漫画と本の中間のような本です。
ゾロリの次に動くのは、形がゾロリに似ている本なんです。中身のジャンルではありません。
逆に、置いても動かなかった本
「ゾロリの次にどうぞ」のつもりで並べたのに、手に取られなかった本もあります。
- 『エルマーのぼうけん』
- 『怪談レストラン』
- 『大どろぼうホッツェンプロッツ』
どれも素晴らしい本です。動かなかったのは本のせいではありません。ゾロリだけを読んでいる子にとっては、挿絵が少ない本はそれだけでハードルが高くなる——ただそれだけの理由です。
ひとつ前の章の「2種類の読み方」が、ここにそのまま出ています。地の文を読んでいない子に挿絵の少ない本を出しても、開いた瞬間に閉じられます。
これらの本は、もう少しあとで大丈夫です。順番の問題であって、実力の問題ではありません。
読む量そのものが心配な段階の方は、こちらから読んでみてください。
「本が苦手」「全然読まない」を卒業!読書が苦手な小学生が0冊から抜け出す7つのステップ
次の1冊を用意する、6つのやり方

「本を置いておけば読む」という子ばかりではありません。置くだけで読む子は、そもそも放っておいても次へ行きます。
だから、やり方をいくつか持っておいてください。1つがうまくいかなくても、次を試せます。お子さんに合いそうなものから、ひとつずつどうぞ。
① ゾロリと「形が似ている本」を用意する
いちばん確実なのがこれです。ジャンルではなく、絵の多さ・吹き出しの有無・1冊の厚さをゾロリにそろえます。
文字を増やすのは、そのあとで大丈夫です。まずは「ゾロリ以外の本も読める」という一回を作ることのほうが、ずっと大事です。
② 1冊で勝負せず、何冊か候補を出す
図書室でも、これという1冊で勝負することはしません。何冊か候補を挙げるようにしています。
理由があります。候補が並ぶと、子どもは比べ出すんです。1冊目で気持ちがのらなくても、4冊目で「今までよりいいかも」と思うことがあります。1冊しかなければ、それは起きません。
わが家でも、図書館では必ず5冊は借ります。どれかに興味を持ってくれればラッキー、くらいの気持ちです。
③ 知っている世界から入る
ゲームやアニメで知っているキャラクターの本は、強いです。
登場人物も世界観もはじめてのものより、知っていることがあるほうが、ずっとスムーズに入っていけます。読んでいる最中も「やっぱりそうだ」と確認できる場面が出てくるので、進みが速くなります。
「ゲームの本なんて」と思わないでください。入口はどこでもいいんです。そこから児童文庫の棚につながっていきます。
④ 声をかけるタイミングを選ぶ

これは意外と効きます。「こんな本借りてきたよ」と言うタイミングには、気を使っています。
他のことに夢中になっているときや、気分がトゲトゲしているときはすすめません。新しい本を受け入れるには、時間と気持ちの余裕がいるからです。
狙い目は、ゲームの時間が終わって、ゴロゴロひまそうにしているときです。そこで話しかけると、すごく惹かれる本でなくても「読んでみようかな」という気持ちになりやすい。ハードルを下げることが大事です。
⑤ さわりだけ、読んであげる
一人で読める子に読み聞かせをするのは、無駄ではありません。読み聞かせなら、自分で読むより難しい本を受け取れます。
最初の1話、あるいは数ページだけ声で渡して、あとは本人にまかせる。「読んでみようかな」と思ってもらえたら、そこで本を閉じてしまってかまいません。
読み聞かせはいつまで続ける?目安は小3・やめどきのサインを学校司書が解説
⑥ 友だちの口コミにのる
図書室でも、「あの巻おもしろかったよ」と友だちが言ったから借りる、という動きは日常的に起きています。友だちのおすすめは、親のおすすめよりずっと強いです。
子どもが「〇〇くんが読んでたやつ」と言ったら、それはもう半分読み始めています。書名がうろ覚えでも、図書館のカウンターで聞けばたいてい見つかります。
読み聞かせから一人読みへの移り変わりについては、こちらにまとめています。
小学生が「自分から本を読む子」になる関わり方|読み聞かせから一人読みへ
大前提:押しすぎないこと
6つのやり方に共通する、いちばん大事なことです。
表紙を見せて、いまいちそうなら引く。内容を説明してみて、いまいちそうなら引く。さわりで惹かれない本は、どんなに時間をかけて説明しても惹かれません。むしろ、押すほど嫌いになってしまうかもしれません。
「それ読む!」と言ってくれることもあるし、「うーん」と言われることもある。これは日常です。めげずに、次に行きましょう。
ゾロリの次に用意したい9冊
ここからは、具体的な本を紹介します。並べる順番は、ゾロリからの段差が小さいものが先です。
① 『ようかいとりものちょう』——ゾロリの隣で、いちばん動く本
『ようかいとりものちょう1 さらわれたのっぺらぼう』大崎悌造 作/ありがひとし 絵(岩崎書店)
本の内容
妖怪だらけのお江戸が舞台の、捕り物シリーズです。主人公はキツネの岡っ引き・コン七。ろくろっ首のお六、つくも神のワ助と一緒に事件を追いかけます。
こんな子に
ゾロリの次の1冊目として、いちばん外れが少ない本です。絵がたくさんあって、漫画のように吹き出しでセリフが入る「漫画と本の中間」の作り。ゾロリからの段差がほとんどありません。
絵とセリフで読んでいる子でも、開いた瞬間に「読めそう」と思えます。まずここで「ゾロリ以外も読める」という一回を作ってください。
② 『がっこうのおばけずかん』——1話が短くて、こわい
『がっこうのおばけずかん』斉藤洋 作/宮本えつよし 絵(講談社)
本の内容
学校に出るおばけを、図鑑のように1体ずつ紹介していくシリーズです。「どんなふうにこわいか」と「どうすれば大丈夫か」が毎回セットになっています。
こんな子に
ちょっとこわい話が好きな子に。1話が数ページで終わるので、読書の体力がいりません。「1冊読み切る」ではなく「1話読み切る」に単位が小さくなるのが、この本の強みです。
学校・家・町・海・山と舞台が広がっていくシリーズなので、1冊読めたら、次を探さなくていいのも助かります。
③ 『ルルとララのアイスクリーム』——読んだあと、作れる
『ルルとララのアイスクリーム』あんびるやすこ 作・絵(岩崎書店)
本の内容
ルルとララがお菓子屋さんを営む物語で、作中に出てくるお菓子のレシピが本当に載っています。読んで終わりではなく、そのまま台所に持っていける本です。
こんな子に
ゾロリの迷路やクイズのページが好きだった子に。あのページが好きな子は、「読む」より「参加する」ほうが好きなんです。レシピは、その参加を本の外まで持ち出せる仕掛けです。
「作ってみる?」と誘うのは、読み終わったあとにしてください。先に言うと、料理の本になってしまいます。
④ 『星のカービィ』——知っている世界から入る
『星のカービィ あぶないグルメ屋敷!?の巻』高瀬美恵 著/苅野タウ・ぽと 絵(KADOKAWA・角川つばさ文庫)
本の内容
ゲームでおなじみのカービィたちが活躍する、児童文庫の小説です。挿絵は入りますが、形としては児童文庫そのもの。ゾロリからは少し段差があります。
こんな子に
ゲームやアニメで、その世界を知っている子に。段差があるのに読めてしまうのは、キャラクターも世界観もすでに知っているからです。知識があるぶん、読みながら「やっぱりそうだ」と確認できて、進みが速くなります。
カービィにかぎらず、お子さんが今いちばん好きなゲームやアニメの児童文庫を探してみてください。たいてい、あります。
⑤ 『ミルキー杉山のあなたも名探偵』——読者が推理する
『もしかしたら名探偵』杉山亮 作/中川大輔 絵(偕成社・ミルキー杉山のあなたも名探偵)
本の内容
探偵のミルキー杉山が事件を解決していく、1話完結のシリーズです。読者が推理に参加できるようになっていて、答えを見る前に自分で考える時間があります。
こんな子に
ゾロリの仕掛けページが好きで、そろそろ文章も読めるようになってほしい子に。推理をするには、地の文に書かれた手がかりを読まないと解けません。参加する楽しさを保ったまま、地の文を読む練習ができる、めずらしい本です。
図書室でも、ゾロリのあとに移っていく子が多いシリーズです。
⑥ 『ぼくは王さま』——ばかばかしさで押し切る
『ぼくは王さま』寺村輝夫 作/和田誠 絵(理論社)
本の内容
たまごやきが大好きで、わがままで、思いついたことをそのまま実行してしまう王さまのお話です。1話が短く、どこから読んでも笑えます。
こんな子に
ゾロリの笑いが好きな子に。ゾロリの笑いは「ばかばかしいことを、本気でやる」という笑いです。王さまの笑いも、まったく同じ構造をしています。
ただし、挿絵はゾロリよりずっと少ない本です。地の文まで読んでいる子に向いています。絵とセリフで読んでいる段階の子には、まず①や②を試してください。
⑦ 『マジック・ツリーハウス』——冒険の続きが読みたい子に
『マジック・ツリーハウス1 恐竜の谷の大冒険』メアリー・ポープ・オズボーン 作/食野雅子 訳(KADOKAWA)
本の内容
兄妹が森で見つけた木の上の家から、本を開くたびに別の時代・別の場所へ飛んでいく冒険シリーズです。恐竜、海賊、忍者と、興味のある行き先の巻から入れます。
こんな子に
文章として読めるようになった子に。図書室でも、地の文を読めていた子が移っていく代表的なシリーズです。
1冊が薄く、話が最後まで一直線に進むので、読み切った実感がしっかり残ります。この「読み切れた」の積み重ねが、次の厚い本への準備になります。
⑧ 『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』——物語のおもしろさへ
『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』廣嶋玲子 作/jyajya 絵(偕成社)
本の内容
ふしぎな駄菓子屋に迷い込んだ人が、願いのかなうお菓子を手に入れる。ただし、使い方をまちがえるとこわいことになる——という1話完結の連作です。
こんな子に
そろそろ物語そのものを味わってほしい子に。少し不気味で、後味がすっきりしない話もあります。その「すっきりしない感じ」を楽しめるようになるのが、中学年の読書の入口です。
「こわかった」と言ってきても、「じゃあやめておく?」と言わないでください。こわかったと報告してくるのは、続きを読みたい子です。
⑨ 『妖怪一家 九十九さん』——中学年の入口として
『妖怪一家 九十九さん』富安陽子 作/山村浩二 絵(理論社)
本の内容
団地の地下に住んでいる妖怪の一家が、人間にまぎれて暮らしている物語です。家族のルールは「となりの人を食べないこと」。こわい設定なのに、中身は家族のドタバタです。
こんな子に
イシシとノシシのやりとりが好きだった子に。ゾロリで子どもが本当に好きなのは、事件そのものより「この3人の関係」だったりします。登場人物が立っている物語なら、文字が増えても読めます。
この本を読めたら、ゾロリからの移行はほぼ終わっています。次からは、本人が自分で選び始めます。
9冊の早見表
| 本 | こんな子に | ゾロリからの段差 |
|---|---|---|
| ようかいとりものちょう | とにかく1冊目に。絵とセリフで読んでいる子 | ほとんどなし |
| がっこうのおばけずかん | こわい話が好き/読書の体力がまだ少ない | ほとんどなし |
| ルルとララのアイスクリーム | 迷路・仕掛けページが好きだった子 | 小さい |
| 星のカービィ | ゲームやアニメで知っている世界がある子 | ふつう(知識が埋めてくれる) |
| ミルキー杉山のあなたも名探偵 | 参加したまま、地の文を読む練習をしたい子 | 小さい |
| ぼくは王さま | ばかばかしい笑いが好き/地の文を読めている子 | ふつう |
| マジック・ツリーハウス | 文章として読めるようになった子 | ふつう |
| ふしぎ駄菓子屋 銭天堂 | 物語のおもしろさへ進みたい子 | ふつう |
| 妖怪一家 九十九さん | 登場人物が好きな子。中学年の入口 | ややある |
上から順に読ませる必要はありません。何冊か借りてきて、子どもに選んでもらってください。
学年別の本の選び方は、こちらにもまとめています。
小学生の語彙力を伸ばす本おすすめ12冊|学年別の選び方を司書ママが解説
つい、やってしまいがちなこと
| やりがちなこと | 子どもが受け取る意味 | 代わりに |
|---|---|---|
| 「またそれ」「なにが楽しいの」 | 好きなものを否定された | 何も言わない。隣に別の本を置く |
| 「そろそろ字の多い本を読みなさい」 | 読書は、こなす課題だ | 文字数ではなく「面白そう」で選ばせる |
| 厚い本をすすめる | 見た目で「無理」と判断する | ゾロリと同じくらいの厚さから |
| いまいちな反応でも説明を続ける | 押されるほど、その本が嫌になる | 引く。別の候補に移る |
| 1冊だけ渡す | これを読めという意味だ | 何冊か並べて、選ばせる |
| 読み終わるたびに「どんな話だった?」 | 読むたびにテストされる | 聞かない。子どもから話すのを待つ |
いちばん上の行だけは、特にお伝えしたいです。「またそれ」「なにが楽しいの」——本屋さんでも聞くことがあります。
自分の興味があること、好きなことを否定されるのは、悲しいです。子どもも大人も同じです。
とくに本を買う場面では、子どもは大人に買ってもらわないと、その本を手にすることができません。本当に読みたい本なのかもしれない。でも、否定されると「読みたい」と言えなくなります。
そうなると、親の顔色をうかがって、親が喜びそうな本を選ぶようになります。そういう本を、子どもは楽しむことができません。
くり返しますが、いちばん大切なのは「子どもが面白そうと思える本」であること。ここは絶対です。
本を買うか借りるかで迷っている方は、こちらもどうぞ。この時期は、借りて試せることがいちばんの武器になります。
子どもの本は買う?借りる?|学校司書ママの使い分けと「買う1冊」の決め方
わが家の場合
幼稚園のころ、読み聞かせで読んでいました
次男がゾロリと出会ったのは、幼稚園のときです。読み聞かせで読んでいました。図書館で借りられるもののうち、まだ読んでいない巻を選んで読んでいました。
おもしろいのは、一度読んだ巻は、ぜったいに求めなかったことです。先がわからないワクワクドキドキと、予想が当たって嬉しい気持ちの、両方を味わいたいようでした。
大好きだったのは、イシシとノシシのおならの場面と、すごく高く・遠くへ飛ぶ場面です。ここは派手に読むと大爆笑でした。
途中にある迷路は、本人にやってもらいます。開発したメカの説明はすごく細かく書いてあるので、指をさしながら1つずつ説明して、飽きたようなら飛ばして話を進めました。全部読まなくていいんです。
「もうないね」で、棚を見なくなりました
小学生になってからは、自分で読むようになりました。全部で50冊くらいは読んだと思います。
終わりは、あっけないものでした。一度読んだ本は求めない子なので、図書館の本棚に並ぶゾロリの既読が増えてきたころ、「もうないね」と言って読まなくなりました。そのあとは、ゾロリの棚そのものを見なくなりました。
これが「卒業は自然にする」の中身です。やめさせたわけではありません。読むものがなくなっただけです。だからこそ、次が用意されていないと止まります。
次に読んだのは、星のカービィでした

次男がゾロリのあとに読んだのは、星のカービィの小説です。
本屋さんで本を探しているときに、自分で見つけて買いました。ちょうどSwitchでカービィのゲームをやっていた時期で、表紙を見てキャラクターの名前を一通り確認して、「読みたい」と言いました。
読んでいる最中も、「デデデ大王はやっぱりハンマーだよね」と言っていました。ゲームの知識があるので、「やっぱりそうだ」と確認できる内容があって、スムーズに読んでいけたようです。
ここで実感しました。登場人物も世界観もはじめてのものより、知っていることがあるほうが、ずっと入っていきやすい。星のカービィもシリーズでたくさん出ているので、そのまま連続で読んでいきました。
失敗したのは『大どろぼうホッツェンプロッツ』
うまくいかなかった本もあります。『大どろぼうホッツェンプロッツ』です。
人気があって、内容もドタバタして楽しい雰囲気なので、合うだろうと思いました。でも、だめでした。
理由ははっきりしています。子どもにとって、本が分厚く感じたんです。ゾロリの倍くらいあるので、それだけで「読めない」と思ってしまったようでした。
内容は読まないとわかりません。見た目で「無理」と思ってしまうと、中身にたどり着けない。本を選ぶとき、厚さは思っている以上に大きな壁です。
長男は、ゾロリでは一人読みが始まりませんでした
ちなみに長男は、読み聞かせのゾロリは一緒に聞いて楽しんでいましたが、一人読みはしませんでした。
明るく爽快な雰囲気より、ちょっとこわくてスリルのある雰囲気が好きだったからだと思います。長男の一人読みが加速したのは『絶望鬼ごっこ』でした。夢中で一気読みしていました。
ここは、はっきりお伝えしておきたいところです。子どもによって好みが違うので、上の子と下の子が同じルートをたどるとはかぎりません。その子ごとに、本を用意していくことになります。
その1冊を探し続けるのが大変な方へ|ヨンデミーという方法
ここまで読んで、こう思った方もいると思います。
「言いたいことはわかったけれど、その1冊を毎回探すのが大変なんです」
そのとおりだと思います。ゾロリの次は、1冊選べば終わりではありません。読み終わればまた次がいります。しかも、何冊か候補を出すのが基本なので、1回につき複数冊を探すことになります。
本当にしんどいのは、読ませることではなく、選び続けることです。
それを代わりにやってくれるのが、ヨンデミーというオンラインの読書教育サービスです。
AIがその子にぴったりの本を選んでくれる
ヨンデミーの中心は、選書です。はじめに読書のレベルと好みを診断して、その子が今読める難しさで、興味に合う本を選んで届けてくれます。
2026年8月21日からは、その選書が「育てる選書」という形に変わりました。感想を送ると次のおすすめが3冊表示されて、その中から読みたい1冊を子どもが自分で選びます。この記事で「何冊か借りてきて、子どもに選んでもらってください」と書いたことが、そのままアプリの中で起きるようになった、と考えるとわかりやすいと思います。
ゾロリのあとでつまずく子ほど、この「自分で選んだ」という感覚が効きます。渡された1冊は途中で止まりますが、自分で選んだ1冊は最後まで開きます。
ゾロリの次でつまずくのは、まさにこの「今読める難しさ」の見当がつかないからです。この記事で書いた「絵とセリフで読んでいるのか、地の文まで読んでいるのか」も、親の目では正直わかりにくい。
ヨンデミーは学年ではなく、その子の今で選びます。学年とレベルがズレて当たり前だという話は、こちらに書いています。
ヨンデミーレベル(YL)とは?学年とズレて当たり前な理由を司書ママが解説
毎日3分のミニレッスンがある
本が届くだけではなく、アプリの中で毎日3分ほどのミニレッスンがあります。読み方のコツや感想の書き方を、少しずつ学べる仕組みです。
親が声をかけなくても、アプリのほうから読書の時間を思い出させてくれます。「読んだ?」と毎日言わなくてよくなるのは、思っている以上に大きいです。親の負担にならない仕組みだけが、続きます。
図書館と連携できる
選んでもらった本は、買わなくても大丈夫です。図書館の蔵書と連携して、おすすめされた本をそのまま予約できる機能があります。
本代がふくらまないので、合わなかった本を「もったいない」と思わずに返せます。合わない本を気楽に返せることは、この時期の子にとってかなり大事です。
ヨンデミーの「図書館自動予約」を使ってみた|設定方法と、本の準備がラクになった話
兄弟で実際に体験したときの様子は、こちらにまとめています。
ヨンデミーの口コミ・評判と料金|司書ママが兄弟で体験した正直レビュー
無料体験ができるので、合うかどうかは試してから決められます。
よくある質問
まとめ

この記事でお伝えしたかったことを、もう一度まとめます。
- ゾロリからの卒業は、自然にします。やめさせる必要はありません
- 問題は、そのあとが続かないこと。読むものがなくなった瞬間に手を打ちます
- 「ゾロリを読んだ」には2種類ある。地の文まで読んでいるか、絵とセリフだけか。ここで次に用意する本が変わります
- 用意のしかたは6通り。1つがだめでも、次を試せます
- 押さない。1冊で勝負しない。候補を並べて、子どもに選んでもらいます
- いちばん大切なのは「子どもが面白そうと思える本」であること。ここは絶対です
読み聞かせから一人読みへの移行と同じで、ゾロリの次も、一気に進むことはありません。行ったり来たりしながら、少しずつ変わっていきます。
ゾロリが好きなら、その気持ちがいちばん大事です。面白そうな本と出会える機会を、いくつか用意しておきましょう。それだけで、どの子も次につながっていけます。
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