こんな方におすすめの記事
- 読書が子どものどんな力になるのか、全体像を知りたい方
- 「本を読むと頭がよくなる」と聞くけれど、勉強以外はどうなのか気になる方
- 子どもに本をすすめる理由を、自分の言葉で説明できるようになりたい方
- 読み聞かせから一人読みに移ってきて、これからどう関わればいいか迷っている方
- 気になるテーマから、くわしい記事を読み進めたい方
この記事は、自分で本が読めるようになってきた小学校中学年〜高学年のお子さんの保護者の方に向けて書いています。まだ読み聞かせが中心のご家庭には、対になる記事として読み聞かせで育つ11の力をまとめてありますので、そちらのほうが役に立つと思います。
「本を読むと、いいことがあるよ」
子どもにそう言ったあと、「どういいの?」と聞き返されて困ったことはありませんか。
頭がよくなる、と言ってしまうと、テストの点数の話になります。国語が得意になる、と言えば、国語が苦手な子は最初からあきらめてしまいます。
学校司書として図書室で子どもたちを見ていると、読書で育っているものは、もっと広いところにあると感じます。気持ちを言葉にできる。友だちの事情を想像できる。自分とちがう考えの人がいると知っている。しんどい日に、自分で自分を立て直せる。これらは全部、成績表には出てきません。
この記事では、読書で育つ力を10個に分けてご紹介します。それぞれの力については個別の記事でくわしく書いていますので、気になったところから読んでみてください。
そして最後に、いちばん大事なことをお伝えします。この10の力は、力を育てようとして本を読ませても育ちません。順番が逆なのです。そのことも、あわせて書きました。
読書で育つ力は、勉強のための力だけではありません
10の力を先にまとめておきます。大きく4つのグループに分かれます。
力の名前を押すと、その力をくわしく書いた記事にそのまま移動できます。気になる力がある方は、ここから飛んでいただいてかまいません。
| 育つ力 | ひとことで言うと | グループ |
|---|---|---|
| ① 語彙力 | 知っている言葉が増える | ことばの力 |
| ② 読解力 | 書かれていることを理解する | ことばの力 |
| ③ 伝える力 | 相手にわかる形で話せる | ことばの力 |
| ④ 共感力 | 相手の気持ちがわかる | 心の力 |
| ⑤ メンタルを安定させる力 | 気持ちを立て直せる | 心の力 |
| ⑥ 感性 | 気づく、感じる、味わう | 心の力 |
| ⑦ 視野を広げる力・多様性を理解する力 | 自分とちがう人生があると知る | 世界を広げる力 |
| ⑧ 情報を見きわめる力 | 「本当にそう?」と立ち止まれる | 世界を広げる力 |
| ⑨ 集中力 | 目の前のことを続ける | 学びを支える力 |
| ⑩ 学力 | すべての教科の土台になる | 学びを支える力 |
こうして並べてみると、勉強に直接つながるのは下の2つだけです。読書の効果の大半は、成績表に出ないところに出ています。
そして、これらはバラバラに育つのではありません。あとでくわしく書きますが、語彙が増えると読めるようになり、読めるようになると人物の気持ちがわかるようになり、気持ちがわかるようになると自分の気持ちも整理できるようになります。ひとつが動くと、となりも動きます。
ことばの力
① 語彙力——知っている言葉が、考えられることの範囲を決めます
読書で最初に育つのが語彙力です。ここはたぶん、多くの方が想像されているとおりだと思います。
ただ、ひとつだけ知っておいていただきたいことがあります。語彙は「本を読めば自動的に増える」ものではありません。図書室には、毎週たくさん借りていくのに、話す言葉があまり変わらない子もいます。
ちがいが出るのは、読み方です。同じシリーズだけを回している子、会話文だけを拾って地の文を飛ばしている子は、量のわりに新しい言葉と出会っていません。逆に、少し背伸びした本を1冊まぜている子は、確実に言葉が増えていきます。
もうひとつ大事なのは、「知っている」には段階があるということです。見たことがある、意味がわかる、自分で使える——読書が効くのは、はじめの2つまでです。自分で使えるようになるには、使う場面がいります。だから語彙は、たまってから出てくるまでに時間差があります。「読んでいるのに増えていない」と感じる時期は、たいてい、たまっている途中です。
会話・読書・新聞・通信教育という4つの増やし方と、そもそもなぜ語彙が大事なのかは小学生の語彙力の増やし方にまとめています。
読書で語彙が増える仕組みと、増えないときの原因はこちらです。

② 読解力——文字を読むだけでなく、内容を理解する力
「うちの子、本は読めるんです。でも国語ができなくて」
これは、本当によくうかがう相談です。そしてこの言い方の中に、すでに答えが半分入っています。文字を読むことと、文章を理解することは、別の力です。
読解力は、大きく次の4つでできています。
- 言葉の意味がわかる
- 文章の組み立てがわかる
- 内容が理解できる
- 自分の言葉で表現できる
このどれかが欠けていると、「読めているのに、わかっていない」状態になります。よくあるのは、言葉の意味と文章の組み立てまではできているのに、自分の言葉にするところで止まってしまうパターンです。「どんな話だった?」に「うーん、おもしろかった」としか返ってこないのは、たいていここです。
読書がこの力を育てるのは、同じことを何百回もくり返すからです。この人はなぜ怒ったんだろう。さっきの場面とどうつながるんだろう。子どもは物語を読みながら、意識せずにこれをやっています。問題集で読解を練習するより、はるかに回数が多いのです。
ただし、読んでいれば必ず育つわけでもありません。ストーリーを追うだけになっている子、わからない言葉をそのままにしている子は、あまり伸びません。ここは家庭での関わりで変えられるところです。
読解力の中身と、家庭でできる7つの方法はこちらにまとめました。

③ 伝える力——自分の中にあるものを、相手に届く形にして出す力
語彙力と読解力は「受け取る力」です。それに対して伝える力は、自分の中にあるもやもやを、相手にわかる形にして出す力です。
図書室にいると、この力の差がはっきり見えます。
たとえば、こんな2人です。
「馬の絵本はありますか?」と聞く子。
「国語の教科書で馬が出てくるお話を読んだのですが、その絵本はありますか? 白い馬が出てくるお話です」と言える子。
どちらも探しているのは同じ『スーホの白い馬』です。でも、こちらに伝わるのは後者だけです。
後者の子が、特別に難しい言葉を使っているわけではありません。使っているのは「教科書」「白い馬」といった、誰でも知っている言葉ばかりです。ちがうのは、相手が何を知らないかをわかったうえで、必要なことを足せているところです。
これは、大きなちがいです。生活のあらゆる場面で、わかってもらえて、誤解も生まれません。友だちとのやりとりでも、先生への相談でも、この力があるかどうかで結果が変わります。
そしてこの力は、これからの時代にますます効いてきます。文字でやりとりする場面が増えたからです。表情も声の調子も届かない場所で、言葉だけで伝えなければならない。同じ内容でも、書き方ひとつで受け取られ方が変わります。
読書がこの力を育てるのは、うまく書かれた文章を大量に浴びるからです。人が人に何かを伝えるとき、どういう順番で、どこを詳しく書くのか。物語を読むことは、その見本をずっと見ていることでもあります。
この力の中身をもっと細かく分けた記事は、こちらです。

心の力
④ 共感力——相手の気持ちがわかる力
共感力とは、相手の気持ちがわかる力のことです。そして、やさしさとは別のものです。
やさしさは性格ですが、共感力は技術に近いものだと感じています。相手の様子に気づく。何を感じているか想像する。そのうえで、どうするか決める。この3つに分かれていて、順番に必要です。
そして、ここが大事なところなのですが。現実の場面では、共感の練習はほとんどできません。けんかの当事者になっているとき、子どもは自分の言い分でいっぱいです。相手の事情を考える余裕はありません。
物語だけが、安全な傍観者の席をくれます。自分は巻き込まれていないので、落ち着いて見ていられる。しかも本は、意地悪をする側の事情まで書いてくれます。現実では絶対に見られないところです。
読書で共感力が育った子は、こう変わります。「あの子がいじわるだった」から、「あの子、なんかあったのかも」へ。これは学校生活そのものを変える変化です。
本と共感力、感情語彙の関係と、読み聞かせ向けの絵本7冊・中学年〜高学年向けの児童書5冊はこちらです。

⑤ メンタルを安定させる力——「揺れない子」ではなく「戻ってこられる子」
メンタルが安定している子、というと、何があっても平気な子を思い浮かべるかもしれません。でも、図書室で見ていて安定していると感じるのは、そういう子ではありません。
揺れないのではなく、揺れたあとに戻ってこられる子です。
読書は、この「戻る」を助けます。理由はいくつかありますが、いちばん大きいのは、本を読んでいるあいだ、自分のことを一時的に手放せるからだと思っています。嫌なことがあった日でも、物語に入っているあいだは、自分の問題から離れていられる。そして読み終えたころには、少し距離ができている。
もうひとつは、気持ちに名前がつくことです。もやもやしている状態は苦しいのですが、「これはくやしいのか」とわかると、それだけで扱いやすくなります。本の中の人物が、その名前を教えてくれます。
そして、怖い話や悲しい話を読むことにも意味があります。安全な場所で、こわさや悲しさを先に経験しておけるからです。物語の中でなら、泣いても大丈夫です。
心が育つ6つの仕組みは、こちらにくわしく書きました。

⑥ 感性——気づけると、世界が輝く
感性という言葉は、なんとなく生まれつきのもののように聞こえます。でも、司書として子どもたちを見ていると、これは育つものだと感じます。
感性は、気づく力です。空の色が昨日とちがうことに気づく。道ばたの花が咲いたことに気づく。友だちの声がいつもより小さいことに気づく。同じ通学路を歩いていても、気づける子には、はるかにたくさんのものが見えています。
読書が感性を育てるのは、言葉が「見るための枠」をくれるからです。「夕暮れがにじむ」という表現を知っている子は、次に夕方の空を見たときに、にじんでいるかどうかを見ます。言葉を知らなければ、ただの空です。
そしていちばん効くのは、本で出会ったものに、現実で会いに行くことです。花の出てくる絵本を読んだあと、本物の花を家に飾ってみる。本の中の世界と目の前の世界が行き来しはじめると、子どもの目つきが変わります。
なお、絵本は小さい子のものではありません。むしろ高学年になってから読み返すと、はじめて届く絵本がたくさんあります。
花の絵本と本物の花を行き来する話は、こちらにまとめました。

世界を広げる力
⑦ 視野を広げる力・多様性を理解する力——「自分とはちがう人生がある」と知っておくこと
子どもの世界は、思っているよりずっと狭いです。家と学校と、習い事の場所。出会う人は、だいたい同じ地域に住み、似たような暮らしをしています。
その中だけで育つと、「みんなこうだ」が「こうでない人はおかしい」に変わりやすくなります。子どもは「ちがい」に正直なので、悪気なくそう言います。
本は、それをいちばん静かに崩してくれます。ちがう国、ちがう時代、ちがう体、ちがう家庭。読んでいるあいだ、子どもはその人になっています。他人の靴を履いて歩く体験が、説明なしにできてしまいます。
ここで育つのは3つです。自分とはちがう人生があると知ること。相手にも理由があると考えられること。そして、ちがうことをおもしろいと思える感覚。3つめまで行けた子は、強いです。知らないものに出会ったときに、怖がるかわりに近づけるからです。
高学年にこそ深く届く絵本と児童書は、こちらで紹介しています。

⑧ 情報を見きわめる力——「ネットで調べればいいじゃん」と言われたら
高学年になると、こう言う子が出てきます。そして、その言い分にも一理あります。調べるだけなら、そのとおりだからです。
ちがうのは、読み方です。ネットで調べるとき、私たちは欲しい答えのところだけを拾います。速いかわりに、そこに至るまでの考え方は受け取っていません。本は、著者が考えた道筋をまるごと最初から見せてきます。答えではなく、考え方のほうを持ち帰れるのが読書です。
そしてこれは、AIを使う時代にこそ効いてきます。AIは聞けば答えます。でも、返ってきた答えが妥当かどうかを判断するのは、聞いた人です。「なんか変だな」と気づける力は、正しい文章をたくさん読んできた経験からしか出てきません。
うまく質問できるかどうかも同じです。自分が何を知りたいのかを言葉にできない人は、AIからも良い答えを引き出せません。
ネット・AI・読書のちがいを正直に整理した記事はこちらです。

学びを支える力
⑨ 集中力——切れない子はいません。戻れるかどうかです
「集中力がない」という言葉は、たいてい勉強の話として語られます。でも図書室で見ていると、集中力は生活のほとんど全部を支えています。人の話を最後まで聞く。順番を待つ。かっとなったあとに戻ってくる。全部、注意を扱う力です。
集中力は3つに分けられます。注意を向ける力、続ける力、そして戻す力。
見落とされているのは3つめです。集中が切れない子はいません。大人でも切れます。ちがうのは、切れたあとに戻れるかどうかだけです。
読書がここに効くのは、自分で戻る練習ができる数少ない時間だからです。動画やゲームは、こちらの気がそれても向こうが引き戻してくれます。本は、自分が読み進めなければ何も起こりません。顔を上げて、周りを見て、また本に戻る。子どもは一冊のあいだにこれを何十回もくり返しています。
我慢についても同じことが言えます。我慢とは、気持ちをこらえることではなく、注意を別のところへ向け直せることです。だから「我慢しなさい」はあまり効きません。
集中力の中身と、家庭でできる7つの整え方はこちらです。

⑩ 学力——国語だけの話ではありません
最後が学力です。ここは順番として最後に置きました。学力は、①〜⑨が育った結果としてついてくるものだからです。
読書が効くのは国語だけではありません。算数の文章題が解けない原因の多くは、計算のつまずきではなく、問題文を読み取れていないことにあります。理科の実験の手順、社会の説明文、どのテストにも書かれている「〜の理由を書きなさい」という指示。教科の中身にたどりつく前に、全部日本語で書かれています。
もうひとつ大きいのは、学習への抵抗感です。本に慣れている子にとって、教科書の説明文は「読めるもの」です。慣れていない子にとっては、内容の前に、文章の量そのものが壁になります。勉強が嫌いという子の中には、文章を読むこと自体がしんどい、という子が少なくありません。
読書が学力を高める9つの仕組みは、こちらでくわしく分解しています。

10の力は、ひとつずつ育つのではありません
ここまで10個に分けてきましたが、実際にはこれらは連動しています。
語彙が増えると、読める本が増えます。読める本が増えると、人物の気持ちの細かいところまでわかるようになります。気持ちがわかるようになると、自分の気持ちにも名前をつけられるようになります。名前をつけられると、しんどい日に立て直しやすくなります。
つまり、どれかひとつを狙って育てる必要はありません。おもしろい本を読んでいれば、全部が同時に少しずつ動きます。
| 動いたもの | つられて動くもの |
|---|---|
| 語彙が増える | 読める本が広がる/気持ちを言葉にできる |
| 読解力がつく | 全教科の理解/人物の事情を読み取れる |
| 共感力が育つ | 友だち関係/自分の気持ちの整理 |
| 集中力が戻せる | 宿題・授業/かっとなったあとの回復 |
| 視野が広がる | 知らないものを怖がらなくなる |
逆に言えば、どこかひとつだけを取り出して測ろうとすると、たいてい見えません。読書の効果がわかりにくいのは、そういう理由です。
大事なこと——力を育てようとすると、たいてい逆効果になります
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。
「力がつくから読みなさい」は効きません
10の力を並べておいて言うのもなんですが、これを子どもに説明しても、まず読みません。
読書が力になるのは、その子が「おもしろいから読んでいる」ときだけです。「読みなさい」と言われて読んでいる15分と、続きが気になって読んでいる15分は、同じ15分でも中身がまるでちがいます。
図書室で見ていると、これははっきりわかります。宿題として読まされている子はページの残りを何度も確認します。夢中な子は、そもそも残りを見ません。
順番は逆です。夢中が先で、力はあとからついてきます
「集中力がついたら読めるようになる」と考えている方は多いのですが、実際は逆です。夢中になれる1冊が、先に集中力を連れてきます。
語彙も同じです。語彙が増えたから読めるのではなく、おもしろくて読み進めた結果、語彙が増えています。
だから家庭でやることは、力を育てることではありません。その子が夢中になれる1冊を切らさないこと、それだけです。
効果を確かめようとしないでください
読書の効果は、すぐには出ません。そして、出はじめても本人には自覚がありません。
ここで気をつけたいのは、確かめようとする声かけです。「どんな話だった?」を毎回聞かれる子は、感想を用意しながら読むようになります。そうなると、物語に入りきれません。
読んだあとにぼんやりしている時間も、大事な時間です。すぐに次の指示を出さず、少し待ってあげてください。
力が育つ前に——まず「読む子」になるところから
10の力の話は、本を読んでいる子の話です。「うちはそこじゃないんです」という方に向けて、手前の段階もまとめておきます。
読まない子は、本が嫌いなわけではありません
図書室で、本棚の前に立ったまま何も借りずに帰る子を、何人も見てきました。読みたくないのではなく、どれを読めばいいかわからなくて止まっているだけのことが多いです。
0冊から抜け出す順番は、こちらに7つのステップとしてまとめました。学年別の「これなら読めた」12冊もつけています。

どのくらい読めばいいのか
目安はありますが、まず知っておいていただきたいのは、長い時間より、毎日少しのほうが力になるということです。休日に3時間まとめて読むより、平日に15分ずつのほうが積み上がります。
読書時間の目安と、続けるための考え方はこちらです。

本の選び方——「おもしろい×少しだけ難しい」
続く本の条件は、実はシンプルです。おもしろいと思えること。そして、ほんの少しだけ難しいこと。目安は、1ページに知らない言葉が1〜2語くらいです。それより多いと、意味を追うだけで疲れて止まります。
学年別の選び方とおすすめ12冊はこちらにまとめました。

一人で読めるようになっても、読み聞かせはやめなくていいです
これは誤解されやすいところなのですが、読み聞かせは、学年で卒業するものではありません。
読み聞かせには、一人読みにはない役割があります。子どもは、自分で読める本より難しい内容を、耳からなら受け取れるのです。中学年でも高学年でも、大人でもそうです。支援学級でも読み聞かせは大切にされていて、本に集中する時間があるとそのあとも落ち着く、という姿をよく見ます。
読み聞かせから一人読みへの移り方は小学生が「自分から本を読む子」になる関わり方に、読み聞かせ側で育つ力は読み聞かせで育つ11の力にまとめています。
物語だけでは届かないところがあります
読書習慣がついたご家庭で、次に出てくるのがこれです。物語はたくさん読むのに、説明文が苦手。
物語を読むときの「気持ちと場面を追う読み方」と、説明文を読むときの「情報と論理をたどる読み方」は、別の技術です。テストに出てくる文章の半分近くは説明文なので、ここだけ手つかずになっている子は、読書量のわりに点が伸びません。
物語と子ども新聞を組み合わせるやり方は「本は読むのに国語が苦手」の原因と対策に書きました。
タブレット学習を始めても、読書は続けられます
最後にもうひとつ。タブレット学習を始めると本を読まなくなるのでは、というご心配をよくうかがいます。結論としては両立できますし、電子図書館のように読書のほうを助けてくれる仕組みもあります。
くわしくはタブレット学習を始めたら本を読まなくなる?をご覧ください。
学年別・どの力が動きやすい時期か
同じ読書でも、学年によって育ちやすい力はちがいます。目安として書いておきます。
| 学年 | 育ちやすい力 | 家庭で意識したいこと |
|---|---|---|
| 低学年(1〜2年) | 語彙力・集中力 | 読み聞かせを続けたまま、自分で読む時間を少しずつ足す |
| 中学年(3〜4年) | 読解力・共感力 | 物語の登場人物について、ひとことだけ話す |
| 高学年(5〜6年) | 視野を広げる力・情報を見きわめる力・伝える力 | 感想を求めず、子どもの意見に「そう思うんだ」と返す |
とはいえ、これはあくまで目安です。高学年から読みはじめても遅くありません。むしろ高学年は、内容の重い本を受け取れるようになる時期なので、ここで1冊はまると一気に読みます。
よくある質問
まとめ
読書で育つ10の力を、もう一度並べておきます。
- ことばの力——① 語彙力 ② 読解力 ③ 伝える力
- 心の力——④ 共感力 ⑤ メンタルを安定させる力 ⑥ 感性
- 世界を広げる力——⑦ 視野を広げる力・多様性を理解する力 ⑧ 情報を見きわめる力
- 学びを支える力——⑨ 集中力 ⑩ 学力
こうして見ると、読書は勉強のための活動ではないことがわかると思います。成績に出るのは10のうち1つか2つで、残りは、その子がこれからどう人と関わり、どう自分の機嫌をとっていくかに効いてきます。
そして、これらは力を育てようとして育つものではありません。順番はいつも逆で、夢中になれる1冊が、あとから全部を連れてきます。
親御さんがやることは、たったひとつです。その子がおもしろいと思える本を、切らさないこと。
今日、図書館の帰り道に「その本どうだった?」と聞くかわりに、「次はどれ借りる?」と聞いてみてください。そちらのほうが、ずっと先まで続きます。
その1冊を探し続けるのが大変な方へ——ヨンデミーという方法
ここまで読んでくださって、「結局いちばん難しいのは、そのおもしろい1冊を探し続けることでは?」と思われた方は、まったくそのとおりです。
正直に言うと、これは学校司書の私でも難しいです。その子が何をおもしろいと思うかは本当にばらばらですし、「おもしろい×少しだけ難しい」の線は学年では決まりません。そして、1冊読み終えてから次が決まるまでに間があくと、そこで読書は止まります。
図書室で見ていて、いちばんもったいないと感じるのはここです。本が嫌いになったのではなく、次の1冊が見つからないまま止まってしまう子が、とても多いのです。
わが家で使っているのが、ヨンデミーという読書のオンライン習い事です。東大発の読書教育の専門家がつくったサービスで、その子だけに合う本を選び、読み続けられるところまで面倒を見てくれます。
ヨンデミーがしてくれること
① その子のための選書
最初に、お子さんの読書レベル・好み・興味を診断します。そのうえで、AIとプロの知識を組み合わせて、「おもしろい」「少しだけ難しい」「その子に合っている」の3つを満たす本を提案してくれます。この記事の⑩までを支えているのは、結局このたった3つの条件です。そして、これをそろえるのが親にとっても学校司書にとってもいちばん難しいところです。
② 毎日3分のミニレッスン
本の読み方や楽しみ方を、毎日3分だけ教えてくれるレッスンがあります。ゲーム感覚でレベルが上がっていくので、子どもが自分からアプリを開くようになります。親が「読みなさい」と言う役をやらなくてよくなるのが、いちばん助かっているところかもしれません。
③ 読むのは、図書館の紙の本
ヨンデミーは本を売るサービスではありません。全国の図書館の蔵書検索と連動していて、おすすめされた本をそのままアプリから図書館に予約できます。選ぶのはアプリ、読むのは紙の本。だから本代はかかりません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| サービス内容 | AIの選書と読書習慣サポートが受けられる、読書のオンライン習い事 |
| 対象 | 小学生を中心とした子ども(きょうだいでの利用も可) |
| 月額料金 | 2,980円(税込)/2人目以降は1,980円(税込) |
| 入会金・教材費 | なし(本は図書館の本でOK) |
| 無料体験 | 30日間(自動課金なし) |
| 利用環境 | スマホ・タブレット・PCのブラウザ(アプリ不要) |
続けるのに、親の手がかからないこと
この記事で何度も書いたとおり、親御さんの負担にならない仕組みだけが、忙しい週を生きのびます。
親がすることは、予約した本を図書館に取りに行くくらいです。読書のことで子どもと言い合いにならないのが、いちばん大きいかもしれません。
もちろん、どの子にも合うわけではありません。30日間の無料体験は自動課金がないので、お子さんの反応を見てから決められます。兄弟で使ってみた正直な感想と、イマイチだと感じたところはヨンデミーの口コミ・評判と料金に全部書きました。
ヨンデミーの公式HPはこちらです。
ヨンデミーを兄弟で使った正直レビューはこちらあわせて読みたい










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