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こんな方におすすめの記事
- 子どもに「違う」ことへの偏見や決めつけが見えて、どう伝えたらいいか悩んでいる方
- 友達関係でトラブルになりやすく、相手の気持ちを想像することが苦手なお子さんをお持ちの方
- AIや多文化が当たり前の時代に、わが子に必要な力って何だろう?と考えている方
- 道徳や人権について、説教にならずに子どもと話せるきっかけを探している方
- 読書が子どもの人間力にどう影響するか知りたい方
※この記事は、一人読みが始まった中学年〜高学年のお子さんをもつ方に向けて書いています。読み聞かせから一人読みへの移行期のお子さんには、こちらの記事もどうぞ。
小学生が「自分から本を読む子」になる関わり方|読み聞かせから一人読みへ
「うちの子、すぐに『あの子、変だよね』って言うんです」
「外国の人を見て、恥ずかしいくらい大きな声で指をさしてしまって…」
「友達と意見が違うと、すぐに『間違ってる』って決めつけてしまう」
こんなお子さんの言動に、ドキッとした経験はありませんか?
「どう伝えたらいいか」「怒ればいいのか」「でも怒るのも違う気がして…」と、悩む親御さんはとても多いです。
そんなとき、本が静かに力を貸してくれることがあります。
説教でも、道徳の授業でもなく、ストーリーの中で自然に「違う世界」を体験することで、子どもの視野はじわじわと広がっていく。この記事では、読書が多様性を理解する力にどうつながるか、そして具体的にどんな本を選べばいいかをお伝えします。
「多様性を理解する」って、何だろう?

好き・嫌いで判断しないことが出発点
「多様性」という言葉、最近よく耳にするようになりましたよね。でも、「多様性を大切に」と言われても、子どもにとっては(大人にとっても)なかなかピンとこない。
ここで大切にしたいのは、「多様性の理解」とは、好きか嫌いか・いいか悪いかを決めることではないということです。
「あの人は自分と違う。だから嫌い」「あの文化は変だ。だから否定する」——こういった反応は、「知らない」から来ていることがほとんどです。
多様性を理解するとは、まず「自分とは違う部分を、フラットな目で知る」こと。良し悪しのジャッジではなく、「ああ、そういう世界があるんだ」「そういう考え方もあるんだ」と受け取れる視点を育てることが出発点です。
「知る」ことが先にあって、その先に「どう関わるか」が生まれてくる。そのプロセスを、読書はとても自然に体験させてくれます。
「多様性を理解する力」が育っているとは、どういうことか
具体的に言うと、こんなことができるようになっていく、ということです。
- 肌の色が違う人、言葉が違う人と同じクラスになったとき、「どんな人なんだろう?」と興味を持てる
- 「どうしてそう思うの?」と、相手の考えに好奇心を向けられる
- 「変だ」「おかしい」ではなく、「そういう見方もあるんだ」と受け取れる
これは、生まれつき備わっている能力ではなく、経験と言葉を積み重ねることで育つ力です。
そして、その経験をたくさん積ませてくれるのが、読書なのです。
なぜ読書が「多様性の理解」に効くのか
本は「他者の靴を履く」体験

「共感力を育てる」という話をするとき、よく使われる英語の表現があります。
“Walk in someone else’s shoes”(他者の靴を履いて歩く)
つまり、「相手の立場に立って考える」ということ。でも現実の日常では、自分と全く違う境遇の人の目線で物事を見る機会は、なかなかありません。
読書は、その体験を擬似的に与えてくれます。
貧困の中で生きる子どもの物語を読むとき、読者はその子の視点で世界を見る。視覚障がいのある主人公が日常の中でどんな工夫をして、どんなことを楽しんでいるかを知るとき、「見える」だけが世界ではないと気づく。本のページをめくることは、自分以外の誰かとして生きてみることでもあります。
これは、テレビのドキュメンタリーとも、授業の講義とも違う体験です。物語の中に入り込み、登場人物の感情や思考を追うことで、読者は「わかった気がする」だけでなく、感情レベルで「わかる」経験をしていく。
「ことば」が増えると、理解の解像度が上がる
多様性を理解するためには、それを表現する「ことば」が必要です。
たとえば、「悲しい」という言葉しか知らない子どもは、自分の感情も、相手の感情も「悲しい」という一語でしか捉えられません。でも、「悔しい」「孤独」「やるせない」「もどかしい」という言葉を知っていると、感情の解像度がまったく変わります。
本を読むことで、さまざまな文化・価値観・境遇に触れることばが自然に増えていくのです。
「家族のかたち」「アイデンティティ」「当事者」——こうした言葉も、物語の文脈の中で出会うと、意味が体に入ってきます。説明されて覚えるのとは全く違う「わかり方」をするのです。
「答えがない問い」を持つ経験
多様性を考えるとき、正解が一つとは限りません。
「どちらが正しいのか」「どちらの文化がいいのか」という二択ではなく、複数の見方が同時に存在できるということを体感するのが、本当の理解への第一歩。
良い本ほど、「答えを出してくれない」ものです。読み終わったあとも、考え続けている。「あの登場人物は、どうしてあの選択をしたんだろう」「もし自分だったら、どうしたかな」という問いが残る。
この「答えがない問いを持ち続ける体験」こそが、多様性を理解する力の根っこにあるものです。
司書として感じること——子どもは「違い」に正直だ
学校図書館で子どもたちと関わっていて、強く感じることがあります。
子どもは、「違い」にとても正直です。
「あの子、変なしゃべり方する」「なんであんな服着てるの?」——大人からすればドキッとする発言も、子どもにとっては純粋な「気づき」であることが多い。悪意があるのではなく、単純に「知らない」だけなのです。
だから、頭ごなしに叱るより、「なんでそう思ったの?」「どう思う?」と一緒に考えるほうが、ずっと深く届く。
そして、そのきっかけになるのが本です。
読書の時間は、「わからないことを、安全に体験できる場所」でもあります。本の中の出来事なら、ハラハラしながらも安心して「違う世界」に踏み込める。その積み重ねが、現実の世界で「違う人」と出会ったときの、心の準備になっていくと感じています。
読書で育つ「視野の広がり」——3つの力
読書を通じて多様性への理解が深まるとき、具体的にはどんな力が育っているのでしょうか。
① 「自分とは違う人生がある」と知る力
本を読むことで、子どもは自分の「当たり前」が、すべての人の当たり前ではないことを知っていきます。
家族は父・母・子どもというかたちだと思っていた子が、さまざまな家族のかたちを描いた物語に出会う。自分の住む街が「ふつう」だと思っていた子が、全く違う環境で生きる同世代の子どもの話を読む。
「世界は広い」「自分が見ている景色だけが世界じゃない」という感覚が、少しずつ育っていきます。
② 「相手にも理由がある」と考える力
物語の中では、一見わかりにくい行動をする登場人物にも「そうなった背景」が描かれていることがあります。
乱暴に見えた子が、言葉でうまく伝えられないだけだった。すぐに怒ってしまう子が、自分なりの感じ方の特性を持っていた——こういった「背景」に気づく体験を積むことで、現実の人間関係でも「この子にはこの子の事情があるのかもしれない」と考える習慣がついていきます。
これは、友達関係のトラブルを減らすことにも直接つながっていきます。
③ 「ちがう」をおもしろいと思える感覚
視野が広がると、「違い」への反応が変わってきます。
「変だ」「怖い」から、「なんでそうなんだろう?」「おもしろいな」へ。
この感覚のシフトは、大人が言葉で教えられるものではなく、さまざまな物語に触れ、さまざまな「違い」を良し悪しのジャッジなしに受け取ってきた経験の積み重ねから生まれます。
読書で視野を広げる——おすすめの本
実際に「視野を広げる」きっかけになる本を、司書の視点でご紹介します。
本の内容と、「読むことでどんな気づきが得られるか」を合わせてお伝えします。

絵本で読む——高学年にこそ深く届く4冊
最初にご紹介するのは、絵本です。
「絵本は小さい子のもの」と思われがちですが、絵本は読み聞かせのためだけのものではありません。内容が深く、高学年でこそ本当の意味が理解できるテーマを扱った絵本は、少なくないのです。短くシンプルなかたちだからこそ、難しいテーマの本質がまっすぐ届く——それが絵本の良いところ。一人読みが進んだお子さんにも、ぜひ手に取ってほしい4冊です。
『ねえ、きいてみて! みんな、それぞれちがうから』ソニア・ソトマイヨール 著/ラファエル・ロペス 絵/すぎもとえみ 訳/汐文社
本の内容:
1型糖尿病のソニアが、友達とみんなで庭をつくる物語。ぜんそくのラファエルは石に絵を描いて庭を飾り、車いすのアンソニーは設計図を手に指揮をとり、吃音のあるアーンは花の植え方をよく知っている——それぞれ違うやり方で、みんなが庭づくりに参加します。視覚障がい、聴覚障がい、自閉症、ADHD、ダウン症……さまざまな特性を持つ子どもたちが自分の目線で語る、米国連邦最高裁判事が書いた絵本。日本子どもの本研究会作品賞(2022年)受賞。
読むことでどんな気づきが得られるか:
「どうして違うことをしているの?」と気になったとき、遠慮せずに聞いてみていい——それがこの絵本の核心です。「かわいそう」でも「すごい」でもなく、「どんなことが好きなの?何があれば助かる?」と知ろうとすることが多様性の出発点だと、物語全体が教えてくれます。登場する子どもたちが「大変なことだけ」ではなく「自分にできること、得意なこと」を語る姿が、先入観なしに「違い」を知ることへの自然な扉を開いてくれます。
『じぶんだけのいろ——いろいろさがしたカメレオンのはなし』レオ・レオーニ 作/谷川俊太郎 訳/好学社
本の内容:
カメレオンは、自分の「本当の色」がないことを悩んでいます。ほかの動物はみんな、自分だけの色を持っているのに。でもある日、もう一匹のカメレオンに出会って——自分のままでいることの意味を見つけていく、レオ・レオーニの美しい絵本。
読むことでどんな気づきが得られるか:
「みんなと同じでなければいけない」というプレッシャーを感じやすい子どもに、「ちがっていていい」という感覚を絵の美しさで届けてくれる作品です。自分を認めることが、他者の違いを認める第一歩。多様性の理解は、まず自己受容から始まることを、言葉なく伝えてくれます。周りとの違いに敏感になる高学年にこそ、静かに響く一冊です。
『みえるとか みえないとか』ヨシタケシンスケ 作/伊藤亜紗 そうだん/アリス館
本の内容:
宇宙飛行士の「ぼく」が降り立った星は、目が3つある人たちが暮らす星でした。「後ろが見えないなんて!」と驚かれるぼく。そこで目の見えない人に話しかけてみると、その人が「見る」世界は、ぼくとは大きく違っていた——。視覚障がいをテーマに、「ちがいをかんがえる」ことを楽しく描いた絵本。
読むことでどんな気づきが得られるか:
「見えないからかわいそう」ではなく、「見えないからこそわかること、できることがある」という視点が自然に生まれるのが、この絵本のすごいところです。宇宙人という設定を使うことで、「自分の当たり前が、誰かにとっての当たり前とは限らない」ことをユーモラスに、でも深く届けてくれます。「みえないっておもしろそう?」という子どもの素直な問いを否定せず、一緒に探っていける一冊です。
『タンタンタンゴはパパふたり』ジャスティン・リチャードソン/ピーター・パーネル 文/ヘンリー・コール 絵/尾辻かな子・前田和男 訳/ポット出版
本の内容:
ニューヨークのセントラルパーク動物園に暮らすオスのペンギン、ロイとシロはいつも一緒。他のカップルが卵を温めているのを見て、自分たちも石を温め始めますが、いくら待っても卵は生まれません。そんな二羽に、飼育員が本物の卵を手渡してくれて——パパが2人の家族・タンゴが誕生します。実話をもとにした絵本。
読むことでどんな気づきが得られるか:
「家族のかたちはひとつじゃない」ということを、ペンギンの実話を通じてごく自然に伝えてくれます。ロイとシロが愛情いっぱいに卵を温め、タンゴを育てる姿は、「家族とは何か」をジャッジなしに受け取れる体験になります。読み終えたあと、「うちはどんな家族?」「どんな家族があるんだろう?」と話してみるきっかけにもなる一冊です。
児童書・ノンフィクションでさらに深める——中学年〜高学年に
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ 著/新潮社
本の内容:
イギリスに暮らす日本人母と、アイルランド人の父を持つ「ぼく」の中学校生活を描いたノンフィクション。貧困、人種、ジェンダー、移民……現代社会のさまざまな問いに、子どもが正面からぶつかっていく姿をユーモアたっぷりに描いた一冊。
読むことでどんな気づきが得られるか:
「empathy(共感)とsympathy(同情)はちがう」という言葉をはじめ、多様性について考えるための視点と言葉がたくさん出てきます。「知ること」と「ジャッジすること」は違う——その感覚を、生きた物語を通じて学べる本です。まずは保護者の方が読んで、心に残った部分をお子さんと語り合うのがおすすめ。高学年なら、自分で読み進められる子もいます。
『かがみの孤城』辻村深月 著/ポプラ社
本の内容:
学校に行けなくなった7人の中学生が、鏡の向こうの城に招かれます。それぞれに事情を抱えた彼らが、一緒に過ごす中で互いの孤独を少しずつ知っていく——本屋大賞を受賞した、現代を生きる子どもたちへのエール。
読むことでどんな気づきが得られるか:
不登校・いじめ・家庭の事情など、「外からは見えにくい事情」を抱えた人物たちの物語は、「みんなそれぞれに背景がある」という視点を自然と育ててくれます。「あの人はこういう人だ」と決めつける前に、その人の見えていない部分を想像しようとする力が、読み終えたあとじわじわと生まれてきます。高学年〜中学生向けですが、保護者の方が読んでも深く刺さります。
視野を広げる読書を続けるために——本選びという「見えない壁」
ここまで、視野を広げてくれるおすすめの本をご紹介してきました。でも、読書で多様性を理解する力を育てていくには、一冊で終わりではありません。
大切なのは、3つのことが続いていくことです。
- 楽しいと思える本を読む(好きじゃない本は、続かない)
- 少し難しい本にも挑戦する(「ちょっとだけ背伸び」が、力を伸ばす)
- 継続する(積み重ねが、視野を少しずつ広げていく)
この3つを同時に満たしてくれる本を、ずっと選び続けること。
これが、思った以上に難しいのです。
司書の私でも、本選びはむずかしい
正直に言います。
学校司書の資格を持っていて、毎日本に囲まれている私でも、「この子にぴったりの次の一冊」を選ぶのは簡単ではありません。
「今の読書レベルより少しだけ難しい本」というのは、子どもの状態を細かく把握していないと選べない。今日の気分、今の興味、これまでに読んだ本の傾向——そういったものを全部踏まえて選ぶのが、「いい本選び」というものです。
図書館で毎週本を選んでいても、「また同じジャンルになってしまった」「思ったより難しすぎて途中で止まってしまった」ということは、私自身もよく経験します。
だから、本選びに悩んでいるご家庭の気持ちは、とてもよくわかるのです。

「本選びをAIに任せる」という選択肢——ヨンデミー
そこで、一つの選択肢としてお伝えしたいのがヨンデミーというサービスです。
ヨンデミーは、AI司書「ヨンデミー先生」が、お子さんの好みと読書レベルを分析して、豊富な児童書のデータベースの中から「今のこの子にぴったりの一冊」を選んでくれるオンラインの読書習い事です。
「年齢で一括りにおすすめする」のではなく、読んだあとの感想フィードバック(「かんたんだった」「むずかしかった」「好き/ふつう」など)を積み重ねることで、その子一人ひとりに合わせた選書が精度を増していくのが大きな特徴です。
自分では手に取らないようなジャンル(ノンフィクション、外国の物語、歴史ものなど)も自然に提案してもらえるため、「いつも同じ棚しか見ない」という読書の偏りを、気づかないうちに広げてくれるのも、視野を育てる上でとても価値があると感じています。
ヨンデミーの「他の子の感想」が、もう一つの視野を広げてくれる
ヨンデミーにはSNS的な機能もあって、他の子どもたちが書いた感想文を見ることができます。
同じ本を読んでも、感じ方はひとりひとり違う。「こんなふうに考えるんだ!」「そんなところに気づいたの?」という発見が、リアルに生まれます。
これは、多様性を理解する力を育てるという意味でも、とても豊かな経験だと思います。本の中の「違う世界」に触れるだけでなく、同じ本を読んだ「違う視点の人」を知ることができる。「読む」体験が、そのまま「多様性を知る」体験になっていくのです。
自分の感想文にいいねをもらえる経験も、「伝えること」への意欲につながっていくようです。
ヨンデミーが向いているご家庭
- 本選びに毎回悩んでいる方
- 子どもがいつも似たジャンルしか読まない方
- 親が勧めると読まないのに、他からのおすすめだと読む…というお子さん
- 読書習慣を無理なく続けさせたい方
- 図書館はよく使うけど、何を借りればいいか迷う方
30日間の無料体験ができ、体験期間中はクレジットカードの登録も不要。自動課金もないので、まず試してみて「合うかどうか」を見極められるのも安心です。
わが家で実際に兄弟それぞれに体験したときの様子は、こちらのレビュー記事に詳しくまとめています。
ヨンデミーの口コミ・評判と料金|司書ママが兄弟で体験した正直レビュー

本選びをプロに任せることで、その分「読んだあとの会話」に集中できる。それが、読書で視野を広げるための一番の近道かもしれません。
本を読んだあとが大切——親子で話すヒント

本を読んで「よかったね」で終わるより、ひとこと話すことで理解が何倍にも深まります。
難しいことを聞かなくて大丈夫。こんな問いかけで十分です。
- 「どの登場人物が一番気になった?なんで?」
気になった理由を言葉にすることで、子どもは自分の視点を少しずつ知っていきます。
- 「もし自分がその立場だったら、どうしてたと思う?」
他者の視点に立つ「想像の筋トレ」になります。
- 「なんでそうなっちゃったんだろうね?」
登場人物の行動の「背景」を考える習慣は、現実の人間関係でも活きてきます。
- 「わからなかったところ、ある?」
「わからない」を言える関係性を作ることも、読書を豊かにします。
答えを求めなくていいのです。「一緒に考えてみる」というプロセスそのものが、子どもの言語力と思考力を育てています。
「本を読むだけでは変わらない」と感じているあなたへ
ここで一つ、正直にお伝えしたいことがあります。
本を読んでも、すぐに子どもが変わるわけではありません。
「あんなにいい本を読んだのに、まだ同じことを言ってる…」と感じたことがある方もいると思います。それは当然のことです。
人の見方・考え方は、一冊の本で変わるものではなく、何冊もの本と、いくつもの経験と、大人との会話が積み重なって、少しずつ変わっていくものです。
だから、今すぐ子どもの言動が変わらなくても、焦らなくて大丈夫。「変わってないじゃない」と責めなくて大丈夫。
読んだ本の記憶は、思いがけないタイミングでふっとよみがえってきます。小学生のころに読んだ物語が、中学生になって「あれってこういうことだったのかも」とつながる瞬間が来る。そういうものが、読書の本当の力だと私は思っています。
今、種をまいていることを信じてください。
まとめ:本が子どもの「世界の地図」を広げてくれる
読書が多様性を理解する力につながる理由を、まとめます。
- 「多様性の理解」は、好き嫌いのジャッジではなく、「フラットに知る」こと——まず「そういう世界がある」と知ることが出発点
- 本は「他者の靴を履く」体験——物語の中で、自分と違う誰かの視点で生きてみる
- ことばが増えると、理解の解像度が上がる——感情や価値観を表す言葉が、世界の見え方を変える
- 「答えがない問い」を持てるようになる——白黒ではなく、グラデーションで考える力が育つ
- 絵本は読み聞かせ専用ではない——高学年でこそ深く理解できるテーマを扱う絵本がたくさんある
- 読んだあとの「ひとこと」が理解を深める——一緒に考える会話が、読書の効果を何倍にもする
「多様性を大切に」と言葉で伝えることより、一緒に本を開いて、「どう思う?」と話す10分のほうが、ずっと遠くまで届くことがあります。
子どもの世界の地図は、まだまだ広げられます。一冊の本が、そのきっかけになってくれますように。
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