「つまらない」が消える!読み聞かせで子どもの想像力と創造性をぐんぐん育てる方法

目次

こんな方におすすめの記事

床に寝転がって鉛筆を回しながらぼんやりしている小学生の男の子
  • 小学校低学年〜中学年のお子さんに読み聞かせをしているご家庭
  • 子どもが「つまらない」「ひまー」とよく言うのが気になっている方
  • ひまそうにしている子に、つい何か与えてしまう方
  • 想像力・創造性を、習い事ではなく日常の中で育てたい方

「ひまー」と言われたとき、どうされていますか。

何か与えたほうがいいのか。放っておいていいのか。動画を見せてしまって、あとで少し後ろめたくなる。よくあることだと思います。

結論:「ひまー」と言われたら、何もしなくて大丈夫です

ひまな時間は、大切な時間です。そして子どもは、時間が空いてもひまのままではいられません。何かすることを、必ず自分で探し出します。

この記事では、学校司書として図書室で見てきた「想像力が動いている瞬間」と、わが家でやってきたことを書きます。小学校低学年〜中学年(1〜4年生)のご家庭向けです。


「ひまー」と言われたら、まず受け取るだけにする

鉛筆を指の上でバランスをとっている子どもの手元

わが家では「ひまだね」と言葉を受け取ったあと、そのままにしておきます。

提案もしませんし、予定も出しません。ただ「ひまだね」とだけ返します。

ひまそうに見える子の、頭の中で起きていること

鉛筆を振っているだけ。こまを回しているだけ。ごろごろ寝転がっているだけ。手をじっと見ているだけ。

そういう姿はひまそうに見えますが、頭の中までストップしているわけではありません。目の前にあること、体の感覚で、何かを感じています。

鉛筆をいじっているだけでも、バランスがとれるのは真ん中あたりだな、振ると曲がって見えるなと、何かしら感じているのです。

具体的な何かを発見していなくても構いません。大事なのは、頭が勝手に何かを拾いに行っている状態そのものです。

この「偶然の出会い」が、あとから効いてきます

誰かに教わったのでも、課題として出されたのでもない。ただそこにあったものに、たまたま気づいた。

この偶然の出会いの積み重ねが、総合的な力になっていきます。何の役に立つのかは、その時点ではわかりません。わからないまま貯まっていくものです。

だからこそ、その時間を動画やゲームで埋めてしまうのは、もったいないと思っています。

動画は、こちらが何もしなくても楽しませてくれます。ひまが埋まるのは確かです。でもそのあいだ、頭は何も拾いに行っていません。

本を渡すなら、タイミングがあります

私は、本を渡すこともあります。ただし渡し方に、ひとつだけ気をつけていることがあります。

「ひまー」と言ったすぐあとに本を渡すと、「ひまと言うと本を渡される」と学習されてしまいます。そうなると、今度から言わないように身構えられます。

なので、「ひまー」とぐだぐだしはじめて少したったタイミングで渡します。

これだけで、読んでくれる確率が上がります。同じ本、同じ渡し方でも、タイミングだけで結果が変わります。


想像力と創造性は、どう違うのか

窓辺で雲を見上げている小学生の女の子
どんな力か読み聞かせでの現れ方
想像力目の前にないものを、心の中に思い描く力絵本の場面が頭の中で動いている
創造性そこから新しいものを生み出す力「自分ならこうする」と続きを作る

順番があります。想像力が先で、創造性はあとです。頭の中に何も浮かばない状態から、新しいものは出てきません。

そして想像力は、インプットの量に比例します。自分では思いつかない場面や展開をたくさん知っているほど、引き出しが増えます。読み聞かせが効くのは、この一点です。


なぜ、読み聞かせだと想像するのか

読み聞かせの途中でページをめくる手を止めた母親と続きを待つ子ども

動画でも物語は味わえます。それなのに、なぜ読み聞かせのほうが想像力に効くのか。理由は3つあります。

絵本は「半分空白」でできている

絵本の不思議なところは、すべてが描かれていないことです。

たとえば『おおきなかぶ』では、かぶを引っぱる場面が何度も繰り返されます。でも、登場人物の心の声はどこにも書かれていません。

「もう疲れた」「絶対に抜けるはずだ」「孫はどこで遊んでいたんだろう」。そういうことを思い浮かべているのは、読んでいる子ども自身です。

しかも絵本は、文だけでなく絵でも物語を語ります。文と絵のあいだにある「ずれ」や「余白」が、想像を引き出します。さきほどの黒猫は、まさにこの余白の部分でした。

読み手の声が、世界をリアルにする

悲しい場面で声を落とす。楽しい場面で少し弾む。意識していなくても、読んでいれば自然にそうなります。

それだけで、子どもの頭に浮かぶ世界の解像度が上がります。どんな声で話す人なのか、どんな場所なのか。文字を目で追っているだけでは、ここまで立ち上がりません。

上手に読む必要はありません。感情をこめようとしなくても、意味がわかって読んでいれば声は勝手に動きます。

先を予測しながら聞いている

「次はどうなるんだろう」と思いながら聞くこと。これは「もし〜だったら」という仮定の練習です。

実はかなり高度なことをしています。今わかっている情報だけを使って、まだ起きていないことを組み立てているからです。

動画にはこの時間がありません。次の場面が来るまでの間が、ほとんどないからです。読み聞かせは、ページをめくるまでのわずかな間に、この作業が入ります。


図書室で見た、想像力が動いている瞬間

読み聞かせで絵本のはしを指さして見ている女の子

想像力は、テストでは測れません。でも、読み聞かせをしていると見える瞬間があります。2つ紹介します。

『はじめてのおつかい』の、黒猫を見ていた子

『はじめてのおつかい』は、女の子がひとりでおつかいに行くお話です。読み聞かせをしたあと、こんなことを言った子がいました。

黒猫は人がきてびっくりしてた。黒猫はお店が好きなんだね

この黒猫は、お話には直接出てきません。お店の店先にいるだけです。でも絵をよく見ると、お客さんやお店の状況に応じて、猫の様子が変わっています。

その子は読み聞かせのあいだ、黒猫の姿を追っていたのです。そして、絵に描かれているだけの猫に、ちゃんとストーリーを感じ取っていました。

これは、想像力があるということだと思います。

想像力があれば、本筋以外でも楽しめることがたくさんあります。同じ本を読んでいても、違う発見ができる。

そしてそれは、本を閉じたあとも変わりません。いつもの通学路でも、目に入るものの数が違ってきます。この力は、生活そのものを豊かにします。

『めっきらもっきら どおんどん』の、穴に落ちる場面

この本には、木の穴をのぞいたら落ちてしまう場面があります。

本文にあるのは「おちる、おちる」だけ。穴がどんな様子なのか、どのくらい落ちるのかは、いっさい説明されません。

それでも、子どもたちは「ひっ」と身を縮めます。

たぶん、穴から落ちている感覚を、体で味わっているのだと思います。

この場面が効くのは、子どもが黙って聞いているからでもあります。聞く力そのものについては読み聞かせで「聞く力」と「集中力」が育つ理由に書きました。

ここが大事なところです。説明されていないから、想像するのです。もし「深さ20メートルの、じめじめした暗い穴」と書いてあったら、身は縮みません。読んで、理解して、終わりです。

絵本の余白は、手抜きではありません。子どもが入っていくための場所です。


絵本の世界を、現実でやってみる

台所で卵をひとつ割ろうとしている小学生の男の子

想像したものを、実際にやってみる。ここで創造性のほうに移ります。

わが家でやったことを3つ挙げます。どれも、特別な準備はいりませんでした。

『ぐりとぐら』のあとに、卵を割る

カステラを焼くところまでいかなくても大丈夫です。卵を1個、割らせるだけで十分でした。

絵本の中の卵とは、大きさがまるで違います。それでも、卵の重み、どのくらいの強さで叩くと割れるのか、中身が手についたときの感触。いろいろなことを感じていました。

絵本で見た大きな卵と、手の中の小さな卵。この2つが結びついた瞬間に、物語のほうが少しだけ現実に近づきます。

『おちば』のあとに、落ち葉の山にダイブする

落ち葉を集めて山を作り、そこに飛び込む。それだけです。

音、におい、崩れ方。絵本のページでは想像するしかなかったものが、全部いっぺんに来ます。

『ちいちゃんのかげおくり』のあとに、かげおくりをする

影を10秒見つめて、空を見上げる。あの遊びです。

これは3つのなかでいちばん、やる前とあとで本の見え方が変わります。できることを知ってから読み返すと、まったく違う話に見えます。

3つに共通しているのは、感想を聞いていないことです。「どうだった?」とは聞きません。やってみるところまでで終わりにします。


道具がいらない、続きの遊び

落ち葉の山に飛び込もうとしている小学生の男の子

卵も落ち葉もない日にできることもあります。どれも、その場で始められます。

お話の続きを作る

「今日の本の続き、一緒に考えてみよう」と声をかけてみてください。

最初は「わかんない」と言われます。ほぼ確実に言われます。そこで質問をひとつだけ足してください。「主人公はどこに行ったのかな?」——これだけで、意外とすらすら出てきます。

大事なのは、問いを小さくすることです。「続きを考えて」は範囲が広すぎて、どこから手をつけていいかわかりません。

出てきた続きを書いてみても、絵にしてみてもいいです。表紙をつけて一冊にする「出版ごっこ」にすると、それだけで特別なものになります。

「もしも」を投げる

夕食のとき、寝る前のちょっとした時間に。

  • 「もしも空が飛べたら、何をする?」
  • 「もしも魔法が一つだけ使えたら?」
  • 「もしも今日が1日長かったら?」

正解はありません。どんな答えでも大歓迎です。

ひとつだけコツがあるとすれば、親も一緒に答えることです。子どもにだけ答えさせると質問になりますが、大人も答えると遊びになります。「発想するのは楽しい」という空気は、それでできます。


学年別・想像力の育ち方

絵本の場面に思わず身を縮める低学年の子どもたち

低学年(1〜2年生)|物語の中に、そのまま入っていける時期

低学年は、物語の世界と現実の境目がまだやわらかい時期です。動物が話しても、疑問に思いません。登場人物と同化して、そのまま楽しめます。

  • 声色を変えたり効果音をつけたり、少し「演じる」読み方が喜ばれます
  • 「この絵の外には何があると思う?」のような、絵をきっかけにした問いかけが効きます
  • 読んだあと、そのままごっこ遊びにつながることもあります。止めなくて大丈夫です

中学年(3〜4年生)|「動物が話すわけない」が始まる時期

中学年になると、変化が来ます。動物が話す本を読むと、「動物が話すわけない」というところから始まることがあります。

がっかりされる方もいるかもしれません。でも、これは成長です。

お話と現実に、距離を置けるようになったということだからです。低学年のときのように動物たちと同化して楽しむ段階ではなくなります。それは、確かに終わります。

ただし、ここからが分かれ道です。

現実ではないとわかったうえで、その世界観を楽しめるようになると、幅はもっと広がります。「ありえない」で終わるか、「ありえないけど面白い」に進むか。ここが中学年の課題です。

だから、「動物が話すわけないでしょ」と言われたときに、訂正しないでください。「そうだね、ありえないね」と受けたうえで、そのまま読み進めてしまうのがいちばんです。読んでいるうちに、たいてい黙ります。

図書室でも、想像を絵や作品にするところまでいかなくても、お話について話しに来てくれる子はいます。話す相手がいれば、中学年でも想像は続きます。


想像力を引き出す声かけ

ひとつだけ原則があります。正解がある問いは、しないことです。

「この話の教訓は?」「主人公はどうすべきだった?」——これは想像ではなく、答え合わせです。答え合わせが始まると、読み聞かせはテストになります。

タイミング声かけ例
読んでいる途中「次は何が起きると思う?」
読んでいる途中「もし自分だったら、どうする?」
読んだあと「続きがあったら、どんな話になるかな?」
読んだあと「誰と友だちになりたい?」
絵を見ながら「この絵の外には、何があると思う?」
絵を見ながら「この子、朝ごはん何食べてきたのかな」

最後の例は笑い話のようですが、こういうばかばかしい問いがいちばん自由に広がります。正解がないことが最初からはっきりしているからです。

そして、問いかけは読み終わったあとに回すほうが安全です。途中で聞くと、話の流れを止めてしまいます。子どもが自分から言い出したときだけ、途中でも受けてください。


想像力が動きやすい絵本の特徴

「想像力が育つ絵本」という棚はありません。ただ、動きやすい本には共通点があります。

特徴なぜ効くのか
説明されない場面がある説明がない場所を、子どもが埋めます
絵に、本文と関係ないものが描かれている本筋以外を追う楽しみが生まれます
結末がはっきり閉じていないそのあとを考える余地が残ります
繰り返しのリズムがある次を予測する楽しさが生まれます
ありえない設定がある現実の枠を外して考える練習になります

ただし、これは選ぶときの目安であって、条件ではありません。

いちばん優先すべきは、子どもが「もっと読みたい」と言う本です。その「好き」が、想像力の燃料になります。特徴が全部当てはまっていても、退屈な本では何も動きません。


つい、やってしまいがちなこと

  • 「ひまー」の直後に本を渡す——身構えられます。少し置いてから渡してください
  • ひまそうな時間をすぐ埋める——鉛筆を振っているだけの時間にも、意味があります
  • 「動物が話すわけない」を訂正する——成長のサインなので、受けて流してください
  • やってみたあとに感想を聞く——卵を割った、落ち葉に飛び込んだ。そこで終わりで十分です
  • 正解のある問いをする——答え合わせが始まると、読み聞かせがテストになります

よくある質問

「ひまー」と言われたら、何か用意したほうがいいですか?

何もしなくて大丈夫です。子どもは、時間が空いてもひまのままではいられません。何かすることを必ず自分で探し出します。「ひまだね」とだけ返して、そのままにしておいてください。ぼんやりしている時間にも、頭は何かを拾っています。

ぼーっとしているだけで、本当に何か育っているのでしょうか?

育っています。鉛筆を振っているだけの子も、バランスがとれるのは真ん中あたりだな、振ると曲がって見えるな、と何かを感じています。こうした偶然の出会いの積み重ねが、総合的な力になっていきます。何の役に立つかは、その時点ではわかりません。

ひまなときに本を渡しても、読んでくれません。

タイミングを少しずらしてみてください。「ひまー」と言ったすぐあとに渡すと、「ひまと言うと本を渡される」と学習されて身構えられます。ぐだぐだしはじめて少したったころに渡すと、読んでくれる確率が上がります。同じ本でも、渡すタイミングだけで変わります。

中学年の子が「動物が話すわけない」と言うようになりました。

成長のサインです。お話と現実に距離を置けるようになったということです。訂正せず「そうだね、ありえないね」と受けて、そのまま読み進めてください。ありえないとわかったうえで世界観を楽しめるようになると、想像の幅はむしろ広がります。

うちの子、物語より図鑑ばかり読みます。

問題ありません。図鑑も想像力の入口です。恐竜の絵を見ながら「本物はどんな声で鳴いたのかな」と考えるのも、立派な想像です。好きなテーマの物語(恐竜が出てくるお話など)を橋渡しにすると、フィクションにも入りやすくなります。

「続きを考えて」と言っても「わかんない」しか返ってきません。

問いが大きすぎます。二択にしてみてください。「続きはどうなる?」は大人でも答えにくい問いです。「家に帰ったと思う? もう一回冒険に行ったと思う?」なら答えられます。答えが出たら「へえ、なんで?」と面白がる。この繰り返しで出てくるようになります。

絵本の世界を現実でやってみたいのですが、大がかりで続きません。

卵を1個割るだけで十分です。『ぐりとぐら』でカステラを焼かなくても、卵の重み、叩く強さ、中身がついたときの感触。それだけでいろいろ感じています。落ち葉の山に飛び込む、かげおくりをする。準備がいらないものを選んでください。

動画やゲームばかりで、想像する時間がありません。

ひまな時間を少しだけ残すところから始めてください。動画は、頭が何も拾いに行かなくても時間が埋まります。埋まること自体が問題ではなく、拾いに行く時間がゼロになることが問題です。付き合い方は読み聞かせがスクリーンタイムを自然に減らす理由にまとめました。


まとめ

  • 「ひまー」と言われたら、何もしなくて大丈夫です。子どもはひまのままではいられません
  • ぼんやりしている時間にも、頭は何かを拾っています。その偶然の出会いが、総合的な力になります
  • 本を渡すなら、「ひまー」の直後ではなく、少したってから
  • 説明されていない場所で、子どもは想像します。絵本の余白は手抜きではありません
  • 「動物が話すわけない」は成長のサインです。訂正せず、そのまま読み進めてください
  • やってみたあとに感想を聞かないこと。卵を1個割るだけで十分です

想像力は、教えて身につくものではありません。何も指示されていない時間に、勝手に動くものです。

次に「ひまー」と言われたら、「ひまだね」とだけ返してみてください。しばらくすると、何かを始めているはずです。


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この記事を書いた人

小学校で学校司書をしています。毎日子どもたちと図書室で過ごす中で感じること——それは言葉を育てることの大切さです。
読み聞かせ・読書・親子の会話・AI時代との向き合い方など、ご家庭でできる「ことば育て」のヒントを発信しています。
難しいことは何もありません。毎日少しの積み重ねで、子どもの言葉はぐんぐん育ちます。

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