図書館に連れて行っても、借りてくるのはいつもと同じ本。「たまには違う本を読んだら?」と言いたくなる——そんなお気持ちで検索された方が多いのではないかと思います。
私は学校司書として、毎週たくさんの子どもが本を選ぶところを見ています。そのうえで、先にお伝えしたいことがあります。
同じ本ばかりでも、それ自体は悪いことではありません。ただし、手助けが必要な場合もあります。その2つは、理由を見れば分かれます。
この記事では、その見分け方と、図書室で私が実際にかけている言葉をそのままお伝えします。
こんな方におすすめの記事
- 同じ本・同じシリーズばかり借りてくるのが気になっている方
- 図書館に行っても、子どもが本を選べずに困っている方
- 「たまには違う本を」と言っていいのか迷っている方
- 親がすすめると嫌がられる、という経験がある方
- 図書館の人に相談していいのか気になっている方
結論:同じ本ばかりは、理由によります
繰り返し借りる理由が、前向きなものか、そうでないか。ここで分かれます。
| 理由 | どう見るか | やること |
|---|---|---|
| その本が好きで、楽しんでいる | よい読書体験。そんな出会いができたのは、とても良いこと | とことん楽しませる |
| 「どうせ面白い本はない」とあきらめている | 本に対して閉じてしまっている | 大人の手助けがいる |
| 「面倒くさい」でノルマをこなしている | 借りることが作業になっている | 大人の手助けがいる |
| その本を借りると「すごい」と言われる | 読むためではなく、評価のために選んでいる | 大人の手助けがいる |
読書でいちばん大切なのは「楽しむこと」です。それが体験できているなら、同じ本を何度読んでも構いません。
むしろ、そこまで好きになれる本に出会えたこと自体が、その子にとってとても良いことです。楽しみきって、もっと他の刺激もほしくなれば、子どもは自分から他の本やシリーズに移っていきます。
問題は、下の3つのほうです。そのままにしておくと、本を楽しめないまま「苦手」という気持ちだけが強くなってしまうことがあります。
何度も読むことには、意味があります
「同じ本を何度も読んで、意味があるのだろうか」と思われるかもしれません。あります。
1回目は筋を追うだけで精一杯だった子が、2回目は登場人物の気持ちに気づいたり、3回目は言い回しの面白さに笑ったりします。同じ本なのに、読むたびに拾えるものが増えていきます。
それに、すでに知っている話は安心して読めます。安心して読める本が手元にあることは、読書を続けるうえでとても大きいです。疲れている日でも開けるからです。
大人にも、何度も見てしまう映画や、繰り返し聴く曲があると思います。それと同じことが本でも起きているだけです。

手助けが必要な3つの理由
① 「どうせ面白い本はない」とあきらめている
過去に読んだ本が合わなかった経験が続くと、本そのものに期待しなくなります。探しても無駄だと思っているので、いつもの本に戻ります。
このタイプの子に「たくさんの中から選んでごらん」と言っても、選びません。選ぶ気力の問題ではなく、期待していないからです。
② 「面倒くさい」でノルマをこなしている
借りなければいけないから、とりあえずいつものを借りる。本を借りることが作業になってしまっている状態です。
この場合、家に持って帰っても開かれないことが多いです。読んでいるかどうかの見分け方は、こちらに詳しく書きました。
本は読むのに「忘れた」と言う子|学校司書が見ている読書のサインと聞き方のコツ
③ その本を借りると「すごい」と言われる
これは見落とされやすいので、はっきり書いておきます。
難しい本に多いのですが、その本を借りていると「すごいね」と褒められた経験があって、その評価がほしくて同じ本を選び続けていることがあります。
本人は読めていません。読むためではなく、見せるために借りています。悪気があるわけではなく、褒められたことがうれしかっただけです。
だからこそ、大人が「難しい本を借りた」ことを褒めすぎないほうがいいと思っています。褒めるなら、読み終わったことや、面白がっていることのほうを。
3つのどれかによって、やることが変わります
| 理由 | やってはいけないこと | やること |
|---|---|---|
| あきらめている | 「もっと探しなさい」と突き放す | 当たりを1冊、大人が用意する。期待を取り戻すのが先 |
| 面倒くさい | 冊数を増やさせる | 読む時間を先に作る。開く回数を増やす |
| 褒められたい | 難しい本を借りたことを褒める | 読めた本・楽しんだ本のほうを褒める |
共通しているのは、どれも「選び方」ではなく「本との関係」が詰まっているということです。選ばせ方を工夫する前に、ここを見てあげてください。
図書室では、20分たっても選べない子がいます
「選べない」がどういう状態か、現場の様子をお伝えします。
私の学校では、1・2年生に週1回の図書の時間があります。読み聞かせのほかに本を借りる時間があって、そこに20分ほどとっています。
それでも、20分たっても本を選べない子がいます。

| 様子 | 起きていること |
|---|---|
| 本棚を見て回るけれど、本を取らずに歩き回る | 決め手が見つからない |
| 友だちが読んでいる本を横から見ている | 自分では選べず、人の選択を見ている |
| 友だちとおしゃべりを始める | 選ぶことから離れてしまった |
図書の時間は授業の時間です。ですから「借りたくなければ借りなくていい」ではなく、声をかけていきます。本を自分で選ぶ練習も兼ねているからです。
選ぶというのは、練習して身につくものです。放っておいて自然にできるようになるとは限りません。
「選べない」は、能力の問題ではありません
20分あっても選べない子を見ていると、選ぶための材料が足りていないのだとわかります。
大人でも、まったく知らないジャンルの棚の前に立たされて「この中から1冊選んでください」と言われたら困ると思います。何を手がかりにすればいいのかわからないからです。子どもが図書室で固まっているのは、それと同じ状態です。
だから、材料を渡します。表紙を見せる、知っているものとつなげる、好きなことから入る。選ばせるのではなく、選べる材料を増やすという考え方です。
司書が実際にかけている言葉
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。声のかけ方は、子どもによって変えています。
すすめられるのが平気な子には、具体的に
本をすすめられることに抵抗がなく、すすめられれば「じゃあ、それ借りる」と言える子であれば、話は早いです。
「こんな本もあるよ」と、具体的に紹介していきます。
すすめられるのが苦手な子には、「おすすめ」の形にしない
問題はこちらです。直接的に本をおすすめされるのが苦手な子がいます。
こだわりがあったり、断るのが苦手だったり、事情はさまざまです。この子たちに「これはどう?」と差し出すと、断れずに借りて、結局読まないということが起こります。
そこで、おすすめや紹介というかたちを取らずに話します。実際に使っている言い方が、こちらです。
| かけている言葉 | ねらい |
|---|---|
| 「新しい本が入ったんだ、こんな本とか。」 | お知らせの形にする。すすめていない |
| 「はなかっぱって知ってる? はなかっぱを書いた人は絵本も書いてるんだよ」 | すでに知っているものから入口を作る |
| 「うどんとラーメン、どっちが好き? うどんの絵本もあるんだよ」 | 本の話ではなく、その子の好きから入る |
| 「読み聞かせした本の、別のお話だよ」 | 体験ずみのものにつなげる |
どれも「これを読みなさい」ではありません。情報を置いていくだけです。

そして声をかけながら、本の表紙を見せていきます。反応がいまいちなら、そのまま本棚に戻します。おすすめではなく、ただ見せていくだけにすることもあります。
大事なのは、子どもに「いらない」と言わせないことです。すすめられていなければ、断る必要もありません。だから子どもは身構えずにすみます。
選べない子は、背表紙しか見ていません
これは、家でもすぐ試していただけることです。
本を選べない子は、背表紙だけを見ているケースが多いです。
本棚に並んだ本は、ふつう背表紙しか見えません。そこにあるのはタイトルだけです。タイトルで興味を惹かれることもありますが、子どもにとってわかりやすいのは、やはり表紙です。
ですから、表紙を見せていくのはひとつの方法です。図書室の展示でも、表紙が見えるように置くことが多いのはそのためです。
家でできること
- 借りてきた本を、表紙が見える向きで置く
- 図書館では、面出し(表紙を見せる置き方)の棚を一緒に見る
- 「これ、どんな話だと思う?」と表紙だけで話す
- 親が数冊抜いて、表紙を見せて並べる(すすめずに置くだけ)
棚の前で「早く選びなさい」と言うより、表紙が見える状態を作ってあげるほうが、ずっと早いです。

図書室の展示がやっていること
図書室で本を並べるとき、私たちがやっているのは「選びやすくする」ことだけです。読ませようとはしていません。
| やっていること | ねらい | 家でやるなら |
|---|---|---|
| 表紙が見える置き方にする | タイトルだけでなく絵で判断できる | 借りた本を表紙が見える向きで置く |
| 冊数をしぼって置く | 多すぎると選べなくなる | 3〜5冊だけ出しておく |
| 入れ替える | 同じ顔ぶれだと見なくなる | 1週間で並べ替える |
| すすめる言葉を書きすぎない | 押しつけになると手が伸びない | 置くだけ。感想は求めない |
いちばん下が、意外と大事です。「これ面白いよ、読んでみて」と言った瞬間に、子どもは身構えます。置くだけにしておくと、大人がいないときにこっそり手に取っていたりします。
わが家の2人は、まったく違う選び方をします
同じ家で育っていても、選び方はこれだけ違います。
長男(6年)=いつもの本棚に一直線
興味がはっきりしているので、歴史と生物の本棚だけをチェックします。いつも同じ棚を見ているので、新しい本が入るとすぐ気づいて借りていきます。
他の本棚は、あまり見ようとしません。いつもの棚に読みたい本がなければ「今日は借りなくてもいいかな」で終わってしまうタイプです。
そのかわり、読みたい本を借りているので、借りた本は読み切ります。
次男(4年)=本棚を歩いて見て回る
「なんか面白い本ないかな」と歩き回ります。本棚から本を引き出して表紙を見て、面白そうなものを抜いていきます。3冊のときもあれば、10冊のときもあります。
ただし中まではチェックしていないので、難しすぎて読めず、そのまま返却する本もあります。
どちらにも、良さと課題があります
| 一直線タイプ | 見て回るタイプ | |
|---|---|---|
| 良いところ | 借りた本を読み切る | 出会いの幅が広い |
| 課題 | 読む世界が広がりにくい | 読めない本も混じる |
| ないときの行動 | 「今日は借りなくていい」で終わる | とりあえず何冊か抜いてくる |
| 手助けするなら | となりの棚をそっと見せる | 中を少し開いて確かめさせる |
「同じ本ばかり」で悩んでいる方のお子さんは、たぶん一直線タイプです。これは欠点ではありません。読み切る力があるということです。
足りないのは、となりの棚を見るきっかけだけです。
借りる冊数は、決めなくていいです
次男は3冊のときも10冊のときもあります。そこは気にしていません。
「借りたら全部読む」を守らせようとすると、選ぶこと自体が慎重になりすぎます。読めなかった本が混じっても構いません。返す本があるのは、選んだ数だけ試したということです。
ただ、はずれが続くとがっかりしてしまうので、借りる前に少し中を開いて、読めそうか一緒に確かめるとちょうどよくなります。数ページめくって、知らない字ばかりでなければ大丈夫です。
「簡単な本ばかり」も、心配いりません
同じ本ばかりというお悩みと一緒に、よく出てくるのがこちらです。
「学年に比べて簡単な本ばかり読んでいる」「もう少し歯ごたえのある本を読んでほしい」。気持ちはとてもよくわかります。
ただ、司書としてはあまり心配していません。簡単に読める本をたくさん読むことには、それ自体に意味があるからです。
認知科学者の今井むつみ先生が、ヨンデミーの取材記事の中でこう話されています。
まずは自分が心地よく読めるレベルで、内容的にも楽しめるものを、たくさん読む。簡単でもいいんです。心地よく読めるものにたくさん触れることで、必ず読解の流暢性と語彙力が上がります。
逆に、興味のない難しい本で覚えた言葉は「死んだ知識」になってしまう、とも話されています。読めない本を無理に読ませても、言葉は残らないということです。
ですから、簡単な本を何冊も読んでいる状態は、遠回りではありません。むしろ土台をつくっているところです。同じ本を繰り返しているのも同じで、読む力は静かに育っています。
難しさをどう合わせるかについては、こちらも参考になると思います。
本を読んでいるのに語彙が増えない子へ|読書で語彙力が伸びる仕組みと家庭でできること
図書館の人に、聞いてください
「迷惑ではないか」と気にされる方が多いので、はっきり書きます。
ぜひ聞いてください。
本と読者をつなげるのが司書の仕事です。そこに直接関われるのはとてもうれしいことなので、積極的に頼っていただきたいです。
話しかけにくく見えても、大丈夫です
図書館だと、本の整理をしていたり、カウンターの中で作業をしていたりして、話しかけにくさを感じるかもしれません。話しかけて大丈夫です。
図書館によっては、貸出・返却とは別に「レファレンスカウンター」が用意されているところもあります。ここは相談専用の窓口です。遠慮なく使ってください。
何回聞いていただいても大丈夫です。

情報が多いほど、ぴったりの本に届きます
相談するとき、どの本と決まっていなくて構いません。むしろ、ささいな情報をたくさん渡していただくほうが当たります。
| 伝えると助かること | 例 |
|---|---|
| 好きなシリーズ | 「このシリーズが好きです」 |
| 好きな話の傾向 | 「こういうお話が好きみたいです」 |
| 最近のはまりごと | 「最近こういうことにはまっています」 |
| 読めた本・読めなかった本 | 「これは最後まで読めました」 |
| 学年と、いま読んでいる本の厚さ | 「4年生で、このくらいの本を読みます」 |
こうした情報がヒントになって、ぴったりの本と出会いやすくなります。
お子さん本人が聞きに行けるなら、なおいいです。「こんな本ありますか?」と聞いてもらえるのは、司書にとってうれしい瞬間です。
学校の図書室にも、相談できる人がいます
忘れられがちなのですが、学校図書館も使えます。
学校図書館の本は、司書や司書教諭がその学校の子どもたちに合うように選んでいます。学年の幅、習っている漢字、その学校の行事。そういうものを考えて入れているので、地域の図書館にはない本がそろっていることもあります。
お子さんが学校図書館を使える環境なら、「図書室の先生に聞いてごらん」と言ってあげてください。一緒に面白い本を探すのが、私たちの仕事です。
リクエストを受け付けている学校もあります。「この本を入れてほしい」と紙に書いて出す仕組みです。リクエストを出した子は、その本が届くのをずっと待っています。「あの本、届いた?」と毎日のように聞きにきて、届いたと伝えると本当に喜びます。
選ぶことに前向きになるきっかけとしては、かなり強いと思います。
「広げる」を仕組みでやる方法もあります
とはいえ、毎回図書館で相談するのは大変です。ここは正直に書きます。
好きな棚だけを見ていると、読む世界はどうしても狭くなっていきます。かといって、親が「たまには違う本を」と差し出すと、たいてい嫌がられます。本人が選んでいないからです。
わが家が使っているヨンデミーという読書のオンライン習い事は、2026年8月にこの部分が変わりました。感想を送ると次のおすすめが3冊出てきて、その中から子どもが1冊選ぶという形です。
3冊の組み方が、この記事の話と重なります。
- 好きをまっすぐ深める1冊
- 好みの芯は同じで、少しずらした1冊
- ジャンルが大きく変わるけれど楽しめそうな1冊
公式によると、この3冊の組み方は実在する書店の本棚をヒントに設計されたそうです。好きなものの近くだけを狭くすすめ続けない、という考え方です。
そして選ぶのは子ども本人です。ここが大事なところで、差し出されたものを受け取るのではなく、自分で決めています。育てる力として「探究心・読む力」と並んで「選ぶ力」が挙げられているのも、そういうことだと思います。
選ばなかった2冊も、次の選書の手がかりになります。選ばなかったことが無駄にならないのは、よくできていると思いました。
3冊というのが、ちょうどいい数です
これは図書室でも同じことを感じています。
1冊を差し出すと「すすめられた」になり、棚ぜんぶを見せると「選べない」になります。数冊に絞って見せると、子どもは自分で決められます。
ですから、家でやるときも同じでいいと思います。親が3冊ほど抜いてきて、表紙を見せて並べる。選ぶのは子ども。これなら押しつけになりません。
この記事でお伝えしてきたことと、やっていることは同じです。選ばせ方を変えるのではなく、選べる材料を並べてあげる。それを毎回やるのが大変なので、仕組みに任せるという選択肢もある、ということです。
兄弟で使った実感や料金は、こちらにまとめています。
ヨンデミーの口コミ・評判と料金|司書ママが兄弟で体験した正直レビュー
その子が今読める難しさで選ばれる、という考え方についてはこちらです。
ヨンデミーレベル(YL)とは?学年とズレて当たり前な理由を司書ママが解説
図書館では、親は「見守り係」でいいです
選べずに時間だけが過ぎていくと、親のほうが落ち着かなくなります。ここは、先に結論を書きます。
決めておくことは、ほとんどありません。時間も、見る棚も、決めなくて大丈夫です。
ここまで、図書室で私が声をかけている話を書いてきました。あれは図書の時間という授業の中で、選ぶ練習をしてもらうためです。ご家庭で図書館に行くときは、まったく別だと考えてください。
いる時間は、決めなくていいです
本を選んだり読んだりして楽しんでいそうなら、いつまでもいていいです。
逆に、飽きてしまっているようなら切り上げます。図書館が退屈な場所だと思ってしまう前に帰るほうが、次につながります。
時計で区切るのではなく、その子の様子で決めるということです。「あと10分」と言われると、選ぶことより時間のほうが気になってしまいます。
見る棚も、決めなくていいです
子どもの自由にさせてください。どんな棚でも、見ていくこと自体が大事です。
そして、ここが図書館のいちばんいいところなのですが、図書館には偶然の出会いがあります。
探していたわけでもない棚の前で足が止まって、なんとなく手に取った本が当たりだった。そういうことが起こります。
これは、ネットで欲しい本だけを注文する体験とはまったく違います。ネットでは、探したものと、それに似たものしか出てきません。図書館では、自分が思ってもいなかった世界とつながれます。
この偶然性が大事なので、親が「この棚を見なさい」と決めてしまうと、いちばんおいしいところがなくなってしまいます。
親の役割は、見守ることだけです
子どもが本棚を見ているなら、それにまかせます。親は何もしなくて大丈夫です。
何も選んでいないように見えても、本棚を見ている時点で、その子は体験をしています。背表紙を目で追って、タイトルを読んで、なんとなく通り過ぎる。そのあいだ、子どもの中では何かが動いているはずです。
「まだ決まらないの?」と言いたくなるところですが、その時間ごと体験です。

| つい、やってしまうこと | かわりに |
|---|---|
| 「あと10分だからね」と急かす | 楽しんでいるなら、いるだけいる |
| 「この棚から選びなさい」と絞る | どの棚を見てもいい。偶然の出会いにまかせる |
| 「それ、この前も借りたよね」と言う | 選んだ本にはコメントしない |
| 「こっちのほうが面白いよ」とすすめる | 何も言わずに見守る |
| 選べない様子を見て、代わりに選ぶ | 困っていそうなら、そっと、さりげなく |
とくに3つめです。子どもが選んだ本に、コメントしないでください。
「またそれ?」「もっと難しいのでもいいんじゃない?」。よかれと思って出る一言ですが、選んだことを評価されると、次から親の顔色を見て選ぶようになります。
助けが必要なのは、本当に困っているときだけです。そのときも、前に書いたようにおすすめの形にせず、そっと表紙を見せる程度にとどめます。
帰ってきてからは、何も聞かなくて大丈夫です
せっかく選んで借りてきた本について、「どう? 面白い?」と聞きたくなります。ここはこらえたほうがうまくいきます。
感想を求められると、子どもは「答えなければいけない」と思って読むようになります。そうなると、選ぶときも「説明しやすい本」を選ぶようになってしまいます。
この話は、こちらに詳しく書きました。私自身の失敗も書いています。
本は読むのに「忘れた」と言う子|学校司書が見ている読書のサインと聞き方のコツ
シリーズを卒業させたいときは
「同じシリーズばかりで、そろそろ次に行ってほしい」というご相談も多いです。
ここでも順番は同じで、まず楽しみきらせることが先です。途中で取り上げると、次の本にも向かいません。
そのうえで「次の1冊」を用意するときは、いきなり遠くに飛ばさないことです。好きの近くから、少しずつずらしていきます。
具体的な渡し方は、こちらに書きました。
かいけつゾロリの次に読む本9冊|ゾロリ卒業のあと、読書が続く子と止まる子の違い
よくある質問
まとめ
- 同じ本ばかりは理由による。好きで楽しんでいるなら、とことん楽しませていい
- 手助けがいるのはあきらめ・面倒・褒められたいの3つ
- 選べない子は背表紙しか見ていない。表紙を見せる
- すすめられるのが苦手な子には、「おすすめ」の形にしない
- 一直線タイプは読み切る力がある。足りないのはきっかけだけ
- 図書館の人に聞いていい。ささいな情報ほど助かる
- 図書館では時間も棚も決めない。親は見守り係。選んだ本にコメントしない
- 偶然の出会いがあるのが図書館。ネットで注文する体験とはまったく違う
「たまには違う本を」と言いたくなったときは、その前に、表紙が見える状態を作れているかを確かめてみてください。
選ぶことも、読書の一部です。うまくできないのは、まだ練習の途中というだけだと思います。
そして、自分で選んだ本のほうが、読む気持ちは強くなります。親が選んで渡した本より、時間がかかっても本人が決めた1冊のほうが、結局は最後まで読まれます。
選ぶ力は、本の中だけの話でもありません。たくさんの中から自分に合うものを見つける力は、この先ずっと使うものです。ネットにも動画にも、情報はいくらでもあります。その中から選べるかどうかは、大人になってからのほうが問われます。
図書室で20分かけて1冊を選んでいる時間は、その練習でもあると思っています。
「ネットで調べればいい」と言う子に何と答える?AI時代に読書が必要な理由
あわせて読みたい








コメント