こんな方におすすめの記事
- 「集中力がない」と言われたことがあり、気になっている方
- 宿題や勉強に取りかかるまでが長い、始めてもすぐ止まってしまうお子さんの保護者の方
- 話を最後まで聞けない・待てない・すぐカッとなる、が集中力と関係あるのか知りたい方
- 「集中しなさい」と言う以外の方法で、集中力を育てたい方
- 読書が集中力にどう効くのか、その仕組みを知りたい方
この記事は、一人で本が読めるようになってきた小学校中学年〜高学年のお子さんの保護者の方に向けて書いています。まだ読み聞かせが中心のご家庭には、読み聞かせで「聞く力」と「集中力」が育つ理由のほうが役に立つと思います。
「うちの子、集中力がなくて」
学校司書として働いていると、この言葉を本当によくうかがいます。そしてほとんどの場合、それは勉強の話として語られます。宿題が進まない、テスト勉強が続かない、机に向かってもすぐ立ち歩く。
でも、図書室で毎日子どもたちを見ていると、集中力が働いているのは勉強の場面だけではないと感じます。
友だちの話を最後まで聞ける子。順番を待てる子。けんかしたあとで、自分で気持ちを立て直して戻ってこられる子。その子たちは「性格がおだやか」なのではなく、注意を向けたり、いったんそれた注意を戻したりする力を使っています。
つまり集中力は、勉強の道具である前に、人の話を聞く・我慢する・よく考える・気持ちを整理するといった、生活のほとんど全部を支えている力なのです。
この記事では、まず「集中力とは何なのか」を3つに分けて整理し、それが子どもの生活のどの場面で効いてくるのかを一つずつ見ていきます。そのうえで、なぜ読書がその力を育てるのに向いているのか、家庭で何をすればいいのかをお伝えします。

「集中力がない」の正体——集中力は3つの力に分けられます
集中力という単独の力があるわけではありません。子どもの姿を見ていると、少なくとも次の3つが別々に働いています。
① 注意を「向ける」力
今やることに、注意のスイッチを入れる力です。呼ばれたらそちらを向く、プリントが配られたら目を落とす、宿題を出したら鉛筆を持つ。「取りかかるまでが長い」と言われる子は、続ける力ではなく、この向ける力でつまずいています。
② 注意を「続ける」力
いわゆる集中力として思い浮かべるのはこれだと思います。始めたことを、しばらくのあいだ続けられる力です。
③ 注意を「戻す」力
そして、いちばん見落とされているのがこれです。気がそれたときに、自分でもとの作業に帰ってこられる力。
集中が切れない子はいません。大人でも切れます。ちがうのは、切れたあとに戻れるかどうかだけです。
図書室で本を読んでいる子も、ずっと同じ顔で読んでいるわけではありません。顔を上げる、周りを見る、また本に戻る。この「戻る」を何十回も繰り返しながら一冊を読んでいます。学校で「集中力がない」と言われる子の多くは、②が短いのではなく、一度それたらそのまま終わってしまう、つまり③でつまずいています。
| 集中力の中身 | できているときの姿 | つまずくとこう見える |
|---|---|---|
| ① 向ける | 声をかけられたら注意を移せる/始められる | 呼んでも気づかない・取りかかるまでが長い |
| ② 続ける | 始めたことをしばらく続けられる | 5分ももたない・すぐ別のことを始める |
| ③ 戻す | それても自分でもとに帰ってこられる | 一度それたら、そのまま終わる |
「集中していないように見える子」が集中していることもあります
もうひとつ、大事なことがあります。姿勢と集中は別ものです。
図書室には、床にごろんと寝ころんで読む子、頬杖をついて読む子、足をぶらぶらさせながら読む子がいます。姿勢だけ見れば「だらしない」と言われそうですが、話しかけても聞こえていないくらい入り込んでいることがあります。
逆に、背筋を伸ばして本を開いたまま、ずっと同じページの子もいます。
じっとしていることと集中していることは、同じではありません。姿勢を直させたとたんに集中が切れる子は、けっこう多いです。
集中力があると、子どもの生活のどこが変わるのか

ここからが本題です。集中力が育つと、勉強以外の何が変わるのか。順番に見ていきます。
勉強の場面——「長く座れる」より「戻ってこられる」
勉強と集中力の関係は、多くの方が思っているのとは少しちがいます。差が出るのは、机に向かっていられる時間の長さではありません。
差が出るのは「取りかかるまでの時間」と「中断から戻る速さ」です。
同じ30分の宿題でも、すぐ始めて、消しゴムで遊んでしまってもすぐ戻れる子は30分で終わります。始めるまでに20分かかり、一度それたら戻れない子は、2時間かかっても終わりません。宿題が終わらない原因は、多くの場合「やる気」ではなく、この2つです。
授業でも同じです。45分ずっと集中している子はいません。何度もそれて、何度も戻ってきている子が、結果として「よく聞いている子」に見えています。
人の話を聞く場面——聞く力は集中力の上に乗っています
「話を聞いていない」と言われる子の多くは、耳が聞こえていないわけではありません。声は届いているのに、注意が別のところを向いていた。それだけのことです。
先生の指示は、たいてい一度に複数のことを含んでいます。「教科書を出して、45ページを開いて、3番の問題を隣の人と相談しながらやりましょう」。この間ずっと注意を向け続けられるかどうかで、学校での過ごしやすさは大きく変わります。
そして家でも同じです。「学校どうだった?」に「べつに」と返ってくる背景には、話す言葉がないだけでなく、聞く側にも話す側にも落ち着いた注意が必要だという事情があります。子どもが話し出すきっかけについては「学校どうだった?」に「覚えてない」と返す子にまとめました。
我慢する場面——我慢は「気持ちを押し殺す力」ではありません

ここは、ぜひ知っていただきたいところです。
順番を待つ、ほしいものをあきらめる、ゲームを時間で終わらせる。こういう場面で必要なのは、気持ちをぐっとこらえる根性ではありません。
我慢の正体は、注意を別のところへ向け直せることです。
待てる子は、我慢強いのではありません。待っているあいだに、窓の外を見たり、頭の中で別のことを考えたりして、「ほしい」から注意をずらせているのです。逆に待てない子は、ほしいものに注意が貼りついたまま外せない。だから時間がたつほど苦しくなります。
だから「我慢しなさい」は、ほとんど効きません。効くのは、注意をずらす先を用意してあげることのほうです。ゲームやスマホの終わり方については「スマホ・ゲームの約束」が守れないのはなぜ?で詳しく書いています。
よく考える場面——「わかんない」が早い子
「わかんない」と言うまでの時間が、とても短い子がいます。
その子たちは、考える力がないわけではありません。考えるという作業は、答えが出るまでのあいだ、宙ぶらりんの状態にとどまり続けることだからです。気持ち悪い状態に耐えて、あれこれ試して、やっと形になる。その「耐える」ところに集中力を使います。
文章題を読んで、「長い」と言って手を止める子。調べ学習で、最初のページに答えが載っていないと閉じてしまう子。あれは思考力の問題というより、考え続ける集中が切れているのです。
読解力も同じで、書かれていないことを推し量るには、文章を頭に置いたまま考える時間が要ります。そのしくみは小学生の読解力のつけ方に書きました。
気持ちを整理する場面——かんしゃくは「注意が固定されている」状態

怒っている最中の子どもは、話しかけても届きません。
あれは、注意が怒りだけに固定されて、ほかのものが見えなくなっている状態です。だから「ごめんね」も「あとで遊ぼう」も入っていきません。
かんしゃくが減っていく子は、怒らなくなったわけではありません。怒ってから戻ってくるまでの時間が短くなっていくのです。30分泣いていた子が、10分になり、5分になる。これは③の「戻す力」が育っているということです。
そしてもうひとつ、気持ちを整理するには、気持ちに名前をつける言葉が要ります。「むかつく」しか持っていない子は、悔しいのか、恥ずかしかったのか、心配なのかを自分でも区別できません。ここは子どもが「気持ち」をことばにできないのはなぜ?と「嫌だ」しか言わない子が気持ちを話し出すで扱っています。
気持ちが揺れた日に、自分で立て直す手立てを持っているかどうかについては読書は子どもの心を育てるもあわせてどうぞ。
友だち関係の場面——会話は集中の連続です
友だちと話すという行為は、思っている以上に集中を使います。
相手の話を聞きながら、意味を理解して、自分の答えを考えて、相手の表情の変化にも気づく。これを同時にやっています。話がかみ合わない、いつも自分の話にすり替わってしまう子は、悪気があるのではなく、聞きながら考えるところで注意が切れてしまっていることがあります。
遊びでも同じです。ルールを覚えておく、順番を覚えておく、負けても最後までやりきる。集中力はここでも静かに働いています。
生活の場面——支度・片づけ・忘れ物
朝の支度が終わらない子を見ていると、さぼっているわけではないことがよくわかります。
靴下をはこうとして、床に落ちていた本が目に入り、そのまま読み始めてしまう。注意がそれること自体は誰にでも起きます。問題は、そこから支度に戻れないことのほうです。
忘れ物が多い、片づけが途中で止まる、宿題を出し忘れる。こういうことは叱られやすいのですが、能力や真面目さの問題ではなく、注意の問題であることが多いです。
| 場面 | 主に使っている力 | うまくいかないと、こう見える |
|---|---|---|
| 授業を聞く | 向ける+続ける | 「聞いていなかった」と言われる |
| 宿題をする | 向ける+戻す | 取りかかりが遅い・途中で止まる |
| 順番を待つ | 戻す(注意をよそへ移す) | 待てない・割り込む |
| 友だちと話す | 向ける+続ける | 話がかみ合わない・自分の話にすり替わる |
| けんかのあと | 戻す | 気持ちが切り替わらない・引きずる |
| 朝の支度・片づけ | 続ける+戻す | 途中で止まる・忘れ物が多い |
| じっくり考える | 続ける | 「わかんない」が早い |
こうして並べてみると、集中力は勉強のための力ではなく、人間関係と自己コントロールの土台だということが見えてきます。
読書で育つ力の全体像は読書で学力が伸びる理由|読解力だけではない9つの力にまとめてあります。集中力は、その9つのうちの土台にあたる力です。
集中力は生まれつきではありません。でも「集中しなさい」では育ちません

集中力は、持って生まれた性格ではありません。経験と環境で変わります。
ただし、「集中しなさい」という声かけは、指示として成立していません。何をどうすれば集中したことになるのかが、どこにも入っていないからです。
言われた子がすることといえば、背筋を伸ばして、ページを見つめるふりをすること。注意が、やっていることから自分の姿勢へ移ってしまうので、かえって集中は切れます。
では、集中はどんなときに起きているのか。子どもたちを見ていると、次の3つがそろったときです。
- おもしろいと思っているものであること
- 終わりが見えていること
- 邪魔が入らないこと
このうちひとつでも欠けると、たいてい続きません。おもしろくないものを、終わりも見えないまま、話しかけられながらやる——大人でも無理です。
集中力を育てるというのは、この3つがそろう時間を、毎日少しずつ持たせてあげることです。そして、その条件をいちばん自然に満たしてくれるのが読書でした。
なぜ読書が集中力を育てるのか——5つの理由

① 自分が読み進めなければ、何も起こらない
動画は、こちらが手を止めても勝手に進みます。ゲームも、放っておけば向こうから反応が返ってきます。
本だけは、こちらが読むのをやめた瞬間に、世界も止まって待っています。
進むか止まるかを、全部自分が決めている。この「自分から向かう集中」は、画面の前ではなかなか経験できません。動画に何時間でも向かっていられる子が、5分の音読で疲れるのは、集中の質がちがうからです。
② 切れた集中を、自分で戻す練習ができる
これが読書のいちばん大きいところだと思っています。
本を読んでいると、必ず気がそれます。そして気がそれたまま目だけ動かしていると、内容が入っていないことに自分で気づきます。だから1行戻る、1ページ戻る。
この「戻る」が、③の戻す力そのものの練習になっています。
動画やゲームでは、この練習ができません。気がそれても向こうが勝手に進めてくれるし、次の刺激で強制的に引き戻されるからです。自分の意思で注意を連れ戻す機会が、本にはページの数だけあります。
③ 頭の中に世界を保ち続ける
物語を読むということは、登場人物の名前、関係、これまでの出来事を頭の中に置いたまま先へ進むということです。
読書中の子どもの頭の中では、ずっと荷物を持ち続けている状態が続いています。これは、授業で先生の話の前半を覚えたまま後半を聞く力や、文章題の条件を覚えたまま式を立てる力と、同じ種類の働きです。
④ 集中の燃料が「意志」ではなく「続きが気になる」であること
がんばって集中しよう、と思って集中できる子はほとんどいません。大人でも難しいことです。
でも、おもしろい本は、がんばらせなくても集中を連れてきます。「もう寝なさい」と言っても布団の中で読んでしまう、あの状態です。
つまり読書における集中力は、意志の力ではなく、本のおもしろさが引き受けてくれます。だからこそ、本選びがすべてを決めます。ここは後ほど詳しく書きます。
⑤ ペースも終わりも、自分で決められる
本は、こちらの都合で止められます。難しいところはゆっくり読み、飽きたら閉じられる。章という区切りもあります。
自分で終わりを決められることは、集中を続けるうえでとても大事です。終わりが見えないものに人は集中できません。「あと1章で終わり」が見えているから、そこまでは持ちこたえられます。
| くらべる点 | 動画・ショート動画 | ゲーム | 読書 |
|---|---|---|---|
| 集中の出どころ | 向こうから来る刺激 | 向こうから来る反応 | 自分が読み進める意思 |
| 手を止めると | 勝手に進んでいく | 負ける・急かされる | 世界も止まって待っている |
| 集中が切れたとき | 切れたことに気づかない | 次の刺激で引き戻される | 自分で戻る=練習になる |
| 終わり方 | 次が自動で始まる | きりがつきにくい | ページ・章という区切りがある |
| あとに残るもの | 見たという記憶 | 操作の上達 | 頭の中に作った世界と、言葉 |
画面の時間と読書の時間の付き合い方は読み聞かせでスクリーンタイムを自然に減らすにも書いています。
順番が逆です。「集中力がついてから本を読む」のではありません

ここでよく聞くのが、「うちの子は集中力がないから、本は無理です」という言葉です。
でも、図書室で見ている限り、順番は逆です。
集中力があるから本が読めるのではなく、夢中になれる1冊が集中を連れてきます。
同じ子が、5分で閉じた本の次に借りた本を、休み時間いっぱい読んでいることがあります。あいだの数日で集中力が育ったわけではありません。本が合っていただけです。
「本が苦手」と言われている子のかなりの部分は、集中力の問題ではなく、まだ合う1冊に出会っていないだけです。そこからの抜け出し方は読書が苦手な小学生が0冊から抜け出す7つのステップにまとめました。
「合う本」の条件は、思っているより細かい
合う本というのは、ジャンルが好みというだけの話ではありません。
- 今の読む力に対して、少しだけやさしいか、ちょうどか
- 一文が長すぎないか
- 場面の切り替わりが多すぎないか
- 一冊を読み終えられる長さか
- その子が今、気にしていることに近い話か
このうちひとつでもずれていると、子どもは1ページで閉じます。そして「やっぱり自分は本が読めない」と思ってしまう。もったいないのはここです。
学年別の本の選び方は小学生の語彙力を伸ばす本おすすめ12選に詳しく書いています。
本選びを人にまかせるという方法
とはいえ、この条件を毎回そろえるのは、親にとってはかなりの負担です。図書館に行っても、背表紙の並ぶ棚の前で「どれがうちの子に合うのか」まではわかりません。
わが家では、子どもに合う本を提案してくれるサービスも使っています。アプリで本を選び、実際に読むのは紙の本という形なので、「集中できる1冊」を探す手間だけを外に出せます。兄弟で使ってみた正直な感想はヨンデミーの口コミ・評判と料金にまとめました。
ヨンデミーを兄弟で使った正直レビューはこちら家庭でできる、集中力を育てる読書の整え方7つ

① 「15分だけは呼ばない」と決める
いちばん効くのに、いちばん忘れられているのがこれです。
読み始めて数分で「お風呂わいたよ」「宿題やった?」と声がかかると、せっかく入りかけた集中が、戻る練習をする前に外から切られてしまいます。
長い時間でなくてかまいません。1日15分だけ、家族が話しかけない時間を決めてみてください。
② 読む場所を決めて、画面が視界に入らないようにする
テレビがついている部屋、スマホが机の上にある状態では、集中はほとんど育ちません。音と光は、子どもの注意にとっていちばん強い誘惑です。
場所を決めておくと、そこに座るだけで注意のスイッチが入るようになります。
③ 時間で区切らず、区切りで終える
タイマーで「はい20分」と切ってしまうと、いちばん続きが気になっているところで止まることになります。次に開くのがおっくうになりやすいです。
「この章の終わりまで」と、本人に決めさせるほうが続きます。読書時間そのものの目安は小学生の読書時間は何分が効果的?をご覧ください。
④ 「何ページ読んだ?」と聞かない
これを聞かれるようになると、子どもは量を数えながら読むようになります。
読書が評価の対象になったとたん、注意は本の中身から「どう見られるか」に移ります。集中を育てたいなら、読書は成果を報告しなくていい時間にしておいたほうがいいです。
⑤ 親も、その時間は画面を置く
子どもが本を読んでいる横で、大人が動画を見ている。これは、かなり強い妨害になります。
同じ時間に、親も本や新聞を開いてみてください。「静かにしなさい」と言わなくても、部屋の空気が静かになります。
⑥ 端末で読むなら、通知の来ないものにする
電子で読むこと自体は悪くありません。問題は通知です。1件の通知で、それまでの集中は消えます。
学習専用のタブレットのように、通知も動画サイトも入っていない端末なら、その心配はほとんどありません。このあたりはタブレット学習と読書は両立する?に書きました。
⑦中学年でも、読み聞かせを続けていい
一人で読めるようになっても、読み聞かせをやめる必要はありません。
耳で聞く集中と、目で読む集中は別ものです。そして耳のほうが、疲れている日でも入りやすい。読める子にこそ、読み聞かせは効きます。
もうひとつ、読み聞かせにしかできないことがあります。読み聞かせなら、自分で読める本よりも難しい内容を受け取れるということです。
自分で読むときは、文字を追うことにも力を使います。だから、内容を味わうところまで届く本は、どうしても今の読む力の範囲内におさまります。でも耳で聞くときは、読む作業を大人が引き受けてくれるので、その子が「読める本」より一段深い世界に、そのまま入っていけます。
ですから、中学年になっても、高学年になっても、読み聞かせは有効です。大人にだって有効です。朗読を聞いて引き込まれた経験のある方なら、想像していただけると思います。移行の時期の関わり方は小学生が「自分から本を読む子」になる関わり方にまとめています。
学年別の目安
| 学年 | 1回の目安 | 向いている本 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|---|
| 中学年(3〜4年生) | 10〜20分 | 章ごとに区切りのあるシリーズもの | 途中でやめても叱らない。「続きは明日」で終える |
| 高学年(5〜6年生) | 20〜40分 | 一冊で完結する物語・ノンフィクション | 集中ではなく時間が足りないだけのことも多い |
高学年になると、集中力の問題ではなく、単純に予定が詰まっていることが増えます。習い事から帰って宿題をして、残り20分——その状態で「集中しなさい」は酷です。
とはいえ、お子さんの予定は、必要だと思って親御さんが入れているものです。読書のために減らす必要はありません。
考えたいのは、減らすことではなく、予定と予定のあいだに、少しでも読書の時間を置けないかということのほうです。習い事の待ち時間、お風呂が空くまでの10分、寝る前の5分。まとまった30分を作ろうとすると難しいことも、こま切れの時間なら見つかります。
そしてもうひとつ大事なのは、親御さんの負担にならない形にしておくことです。付き添いや声かけが必要な仕組みは、忙しい週に真っ先に飛びます。手をかけずに続くようにしておくことが、結局いちばん読書習慣を安定させます。
逆効果になりやすい関わり方
| つい、やってしまうこと | 何が起きるか | かわりにできること |
|---|---|---|
| 「集中しなさい」と声をかける | 注意が本から自分の姿勢に移り、かえって切れる | 何も言わず、その場を静かにする |
| 読んでいる途中で用事を頼む | 自分で戻る前に、外から切られてしまう | 15分だけは呼ばないと決める |
| 「何ページ読んだ?」と聞く | 量を気にして読むようになり、中身が入らない | 感想も、毎回は聞かない |
| タイマーで時間を区切る | 続きが気になるところで止まり、次に開きにくい | 「この章まで」と本人に決めさせる |
| 難しい本をすすめる | 一行ごとに引っかかり、集中が続かない | 今、その子が自分で読める本にする |
| 姿勢を直させる | 入りかけていた集中がそこで切れる | よほど目に悪くなければ、そのままに |
集中できているサイン/切れているサイン
集中しているかどうかは、静かにしているかでは判断できません。図書室で見ていて確かだと感じるのは、次のようなところです。
集中できているとき
- 話しかけても、一度で返事が返ってこない
- ページをめくる手が止まらない、または一か所でぴたりと止まる
- 姿勢がだんだん崩れていく(前のめり、寝ころぶ)
- 読み終えたあと、少しぼんやりしている
- 「今の、どういう意味?」と自分から聞いてくる
切れているとき
- ページはめくっているのに、内容を聞くと答えられない
- 何度も時計や周りを見る
- 本の残りページを確認する回数が増える
- 別の本に手が伸びる
読み終わったあとにぼんやりしているのは、集中していた証拠です。すぐに次の指示を出さず、少し待ってあげてください。
よくある質問
まとめ:集中力は、静かに座らせて育てるものではありません
最後に、この記事でお伝えしたことをまとめます。
- 集中力は「向ける・続ける・戻す」の3つに分けられ、多くの子がつまずくのは戻す力
- 集中力が効くのは勉強だけではなく、人の話を聞く・我慢する・よく考える・気持ちを整理する・友だちと関わる・自分の支度をする、すべての場面
- 我慢とは気持ちをこらえることではなく、注意を別のところへ向け直せること
- かんしゃくが減るとは、怒らなくなることではなく、戻るまでの時間が短くなること
- 集中は「おもしろい・終わりが見える・邪魔が入らない」の3つがそろうと自然に起きる
- 読書はその3つを満たしやすく、とくに自分で集中を戻す練習ができる数少ない時間
- 順番は逆で、集中力がついてから本を読むのではなく、夢中になれる1冊が集中を連れてくる
「集中力がない子」はいません。合うものに出会えていない時間が長いだけです。
今日、一冊でいいので、お子さんが最後まで読めそうな本を用意してみてください。読み始めたら、15分だけ声をかけずにいてみてください。その15分の積み重ねが、宿題にも、友だち付き合いにも、かんしゃくのあとの立ち直りにも、少しずつ効いてきます。
その1冊を探し続けるのが大変な方へ|ヨンデミーという方法
ここまで書いてきたことは、ほとんどが「合う1冊があるかどうか」にかかっています。
でも、この記事でお伝えした「合う本の条件」を、毎週そろえ続けるのは大変です。図書館へ行く時間を作り、棚の前で子どもの今の読む力を思い浮かべながら選び、外れたらまた次を探す。読書が続かない家庭の多くは、子どもに問題があるのではなく、この作業が親御さんの生活に入りきらないだけです。
わが家で使っているのが、ヨンデミーという読書のオンライン習い事です。東大発の読書教育の専門家がつくったサービスで、その子だけに合う本を選び、読み続けられるところまで面倒を見てくれます。
ヨンデミーがしてくれること
① その子のための選書
最初に、お子さんの読書レベル・好み・興味を診断します。そのうえで、AIとプロの知識を組み合わせて、「おもしろい」「少しだけ難しい」「その子に合っている」の3つを満たす本を提案してくれます。この3つをそろえるのが、親にとっても学校司書にとってもいちばん難しいところです。
② 毎日3分のミニレッスン
本の読み方や楽しみ方を、毎日3分だけ教えてくれるレッスンがあります。ゲーム感覚でレベルが上がっていくので、子どもが自分からアプリを開くようになります。3分なら、集中が続きにくいお子さんでも入口になります。
③ 読むのは、図書館の紙の本
ヨンデミーは本を売るサービスではありません。全国の図書館の蔵書検索と連動していて、おすすめされた本をそのままアプリから図書館に予約できます。選ぶのはアプリ、読むのは紙の本。だから本代はかかりませんし、画面の集中ではなく本の集中が育ちます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| サービス内容 | AIの選書と読書習慣サポートが受けられる、読書のオンライン習い事 |
| 対象 | 小学生を中心とした子ども(きょうだいでの利用も可) |
| 月額料金 | 2,980円(税込)/2人目以降は1,980円(税込) |
| 入会金・教材費 | なし(本は図書館の本でOK) |
| 無料体験 | 30日間(自動課金なし) |
| 利用環境 | スマホ・タブレット・PCのブラウザ(アプリ不要) |
続けるのに、親の手がかからないこと
この記事の学年別の目安のところでも書きましたが、親御さんの負担にならない仕組みだけが、忙しい週を生きのびます。
ヨンデミーを使っていて助かっているのは、本選びと「読もう」の声かけを、両方まかせられることです。親がすることは、予約した本を図書館に取りに行くくらい。読書のことで子どもと言い合いにならないのが、いちばん大きいかもしれません。
もちろん、どの子にも合うわけではありません。30日間の無料体験は自動課金がないので、お子さんの反応を見てから決められます。兄弟で使ってみた正直な感想と、イマイチだと感じたところはヨンデミーの口コミ・評判と料金に全部書きました。
ヨンデミーの公式HPはこちらです。
ヨンデミーを兄弟で使った正直レビューはこちらあわせて読みたい


















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