そんなお悩みを持つ親御さんは、本当に多いと思います。
毎日一生懸命向き合っているのに、思うようにいかない。そんな日が続くと、ふと「私の関わり方が悪いのかな」と自分を責めてしまうこともあるかもしれません。
でも、どうか安心してください。子どもの感情が育つには、時間と積み重ねが必要です。そしてその積み重ねのなかで、特に大切な栄養になるのが、「自分は愛されている」という実感です。
愛されているという気持ちが心に蓄積されていくと、子どもはだんだんと穏やかさを取り戻していきます。感情の波も、少しずつ落ち着いてきます。
今日は、読み聞かせがその「愛されている実感」を育てる場になるというお話をしたいと思います。
- 子どものメンタルの根っこにあるもの
- 「大好き」はなかなか言えない
- 絵本を通してなら、やさしく届けられる
- 1日の終わりに「大好き」を届ける
- 愛されている実感が育つと、気持ちが穏やかになる
- 今夜から始めたい、「愛情を届ける」読み聞かせのコツ
- おすすめ絵本:「大好き」を伝えられる本
- 1. 『どんなに きみが すきだか あててごらん』(作:サム・マクブラットニィ/訳:小川仁央/評論社)
- 2. 『だいすき ぎゅっ ぎゅっ』(文:フィリス・ゲイシャイトー・ミム・グリーン/絵:デイヴィッド・ウォーカー/訳:福本友美子/岩崎書店)
- 3. 『ちびゴリラのちびちび』(作・絵:ルース・ボーンスタイン/訳:いわたみみ/ほるぷ出版)
- 4. 『あなたがだいすき』(作・絵:鈴木まもる/ポプラ社)
- 5. 『きみのことが だいすき』(作・絵:いぬいさえこ/パイ インターナショナル)
- 6. 『あなたの すてきな ところはね』(文:玉置永吉/絵:えがしらみちこ/KADOKAWA)
- 7. 『きょうもうれしい』(作・絵:えがしらみちこ/理論社)
- 8. 『ちいさなあなたへ』(著:アリスン・マギー/訳:なかがわちひろ/主婦の友社)
- まとめ:今夜、「大好き」を届けてみてください
子どものメンタルの根っこにあるもの
自己肯定感の土台は何かというと、「自分はここにいていい」「自分は大切にされている」という安心感です。
大人から愛されているという実感。それが子どものメンタルを安定させる、いちばんの栄養なのです。
「大好き」はなかなか言えない
「でも、愛情はたっぷり持っているつもりです」
そう感じていても、それを言葉で伝えるのは、意外と難しいものです。
「大好きだよ」「あなたは大切な存在だよ」——頭ではわかっていても、照れくさかったり、バタバタした日常の中でタイミングを逃したりすることも多いですよね。
日本の親御さんは特に、気持ちを直接言葉にすることが苦手な方も多いと感じます。
そんなときに力を貸してくれるのが、絵本なのです。
絵本を通してなら、やさしく届けられる
「わたしは あなたが だいすきです せかいで いちばん あなたが だいじ」
「きみのこと こんくらい すきだよ」
「あなたが きょう ここにいる っていうこと ほんとに ほんとに すごいんだから」
こうした言葉が自然に出てくる絵本は、たくさんあります。
読み聞かせのとき、これらの言葉はそのまま親御さんの言葉として子どもの耳に届きます。絵本が「橋渡し」をしてくれるのです。
照れくさくて直接は言えなくても、絵本を読みながらなら、自然に「大好き」が伝えられる。読み聞かせには、そんな力があります。
1日の終わりに「大好き」を届ける
特に、寝る前の読み聞かせはおすすめです。
1日の終わりに、子どもの隣に寄り添って、「大好きだよ」「大切だよ」という気持ちのこもった絵本を読む。それだけで、子どもは安心して眠りにつくことができます。
毎晩その時間があることで、「今日も愛されて一日を終えた」という感覚が、少しずつ子どもの心に積み重なっていきます。
この積み重ねが、自己肯定感の土台になっていくのです。
愛されている実感が育つと、気持ちが穏やかになる
「自分は愛されている」という安心感が育ってくると、子どもの心に余裕が生まれます。
ちょっとうまくいかないことがあっても、「まあ大丈夫」と思えるようになる。友達とケンカしても、「私は大切にされている」という土台があるから、立ち直りが早くなる。
すぐに怒ったり、感情を爆発させたりすることも、少しずつ減ってきます。
これは「感情コントロールの練習」をしたからではなく、安心感という土台ができたから。根っこが育つと、枝葉も自然と安定してくるのです。
今夜から始めたい、「愛情を届ける」読み聞かせのコツ
コツ① 子どもの名前を入れて読んでみる
「ちびちび」「きみ」「あなた」という言葉を、お子さんの名前に置き換えて読んでみてください。「○○のことが、だいすき」という言葉は、そのまま子どもの心にまっすぐ届きます。
コツ② 読み終わったら「ぎゅっ」をする
絵本を閉じた後に、そっと抱きしめてあげてください。言葉と温もりが重なることで、「愛されている」という実感はより深く子どもの心に刻まれます。
コツ③ 毎晩同じ時間に読む
「寝る前に読んでもらえる」という予測できる安心感が、それだけで子どもの心を落ち着かせます。特別なことは何もしなくていい。ただ、そこにいてくれること——それが子どもにとっての一番のプレゼントです。
おすすめ絵本:「大好き」を伝えられる本
1. 『どんなに きみが すきだか あててごらん』(作:サム・マクブラットニィ/訳:小川仁央/評論社)
本の内容: チビウサギとデカウサギが「きみのこと、このぐらいすきだよ」と腕を広げ、「大好き」の大きさを伝え合う絵本。1995年の日本語版刊行以来、世界中で愛され続けるロングセラーです。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか: 「大好き」を言葉にして伝えることの喜びが、親子の間に自然に育ちます。寝る前に読むと、最後の「つきのうえまでとどくくらい、すきだよ」という言葉が、心地よい安心感に包まれて子どもを眠りに誘ってくれます。
2. 『だいすき ぎゅっ ぎゅっ』(文:フィリス・ゲイシャイトー・ミム・グリーン/絵:デイヴィッド・ウォーカー/訳:福本友美子/岩崎書店)
本の内容: 朝ごはんを食べたあと、ぎゅっ! 本を読んだあと、ぎゅっ! おさんぽしたあと、ぎゅっ! うさぎの親子が一日の中で何度も抱きしめ合う絵本。原書タイトルは「TIME for a HUG(ハグの時間)」。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか: 読み終わったあとに「ぎゅっ」をするルーティンが、自然と生まれます。毎晩その時間があることで、「今日も愛してもらえた」という実感が積み重なり、子どもの自己肯定感を育てます。
3. 『ちびゴリラのちびちび』(作・絵:ルース・ボーンスタイン/訳:いわたみみ/ほるぷ出版)
本の内容: 生まれたその日から森のみんなに愛されているちびちびは、やがてどんどん大きく成長していきます。でも、みんなの愛情はいっさい変わらない——という温かな物語。1978年日本語版刊行、100刷超のロングセラーです。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか: 「大きくなっても、変わっても、あなたのことが大好き」というメッセージが、子どもの心にじんわり届きます。読み聞かせのとき「ちびちび」をお子さんの名前に置き換えると、その愛情はより深く伝わります。
4. 『あなたがだいすき』(作・絵:鈴木まもる/ポプラ社)
本の内容: 「わたしは あなたが だいすきです せかいで いちばん あなたが だいじ いつでも あなたを まもってあげる」——動物たちが小さな子どもをすっぽり包みこみ、愛情を伝える絵本。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか: 「守られている」「大切にされている」という実感が、読むたびに子どもの心に積み重なります。0歳から楽しめますが、何歳になっても一緒に読み返したくなる一冊です。
5. 『きみのことが だいすき』(作・絵:いぬいさえこ/パイ インターナショナル)
本の内容: 小さなどうぶつたちが暮らす森には、やさしさがあふれていました。「かなしい きもちはね、ふたを しなくて いいんだよ」「あなたは よいこ。なにかを じょうずに できなくても」——つらいときに寄り添ってくれる言葉が並ぶメッセージ絵本。発売から3年で50万部突破の人気作(パイ インターナショナル、2022年)。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか: 「できなくてもいい」「そのままのあなたでいい」というメッセージが、子どもの自己肯定感をやさしく包みます。子どもだけでなく、自分を責めがちな親御さん自身の心にも響く一冊です。
6. 『あなたの すてきな ところはね』(文:玉置永吉/絵:えがしらみちこ/KADOKAWA)
本の内容: 子どものすてきなところを数えあげ、四季の中での成長を描いた絵本。「まよっちゃっても だいじょうぶ。あなたの みているほうが まえよ」「あなたが きょう ここにいる っていうこと ほんとに ほんとに すごいんだから」という言葉が胸に刺さります(KADOKAWA、2021年)。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか: 最後のページにはお子さんの名前を書き込める欄があり、世界でひとつの絵本になります。「ただ存在するだけで、あなたはすばらしい」という無条件の肯定が、子どもの自己肯定感の根っこを深く育てます。
7. 『きょうもうれしい』(作・絵:えがしらみちこ/理論社)
本の内容: 朝ごはんのにおいから、幼稚園での出来事、石のコレクション、おふとんの心地よさまで——男の子の一日の中にある、たくさんの「うれしい」を描いた絵本。「うれしい」を見つける視点が、やわらかなタッチで丁寧に描かれています(理論社)。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか: 「今日の『うれしい』は何だった?」と読み終わったあとに聞いてみると、子どもが自分の感情を振り返る習慣が自然に育ちます。毎日の中にある小さな幸せに気づく力は、安定したメンタルにつながっていきます。
8. 『ちいさなあなたへ』(著:アリスン・マギー/訳:なかがわちひろ/主婦の友社)
本の内容: 親から子へ向けた愛のメッセージを詩のように綴った絵本。「いつか あなたは ひとりで たっていくのだろう」——その先にも変わらず続く愛情を、シンプルな言葉で伝えます。
読むことでどんな発見・気づきが得られるか: 「自分は愛されている」という実感が、ページをめくるたびに静かに届きます。子どもが大きくなっても手元に残しておきたい、一生ものの絵本です。
まとめ:今夜、「大好き」を届けてみてください
子どものメンタルを安定させるのは、特別なトレーニングでも、難しい声かけの技術でもありません。
「自分は愛されている」という実感を、毎日少しずつ積み重ねること——それだけです。
直接言葉にするのが難しくても大丈夫。絵本が代わりに届けてくれます。
今夜、1冊手にとって、子どもの隣に座ってみてください。
その時間そのものが、子どもへの「大好き」です。
このブログでは、日常の中でできる「ことばを育てる工夫」を発信しています。次の記事もぜひご覧ください。


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