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「ひらがなも漢字も読めるのに、うちの子は自分から本を読まない」——なぜだろう、と思っていませんか。
字が読めることと、読んで内容を理解することのあいだには差があります。内容を理解するには、文章の区切りやつながりがわかることが必要で、それを身につける近道が読み聞かせです。
この記事では、学校司書として図書室で見ている子どもたちと、わが家の息子2人の様子をもとに、読み聞かせから一人読みへつなぐ3つのステップをお伝えします。これまで読み聞かせをしてこなかったご家庭でも、今日から始められます。

字は読めるのに、なぜ本を読まないの?
字が読めることと、読んで内容を理解することは、イコールではありません。
小学校でひらがなやカタカナを習うと、子どもは書いてある字を一音ずつ声に出せるようになります。でも、発音できるからといって、文章として意味がわかっているとは限りません。スラスラ音読できる子でも、内容が頭に入っているとは限らないのです。
たとえば、こんな一文があるとします。
「あめが ふってきたので、たろうは かさを とりに いえへ もどりました。」
一音ずつ「あ・め・が・ふ・っ・て……」と読めば、字はすべて読めています。けれど、どこで区切れるのか、「ので」が前とうしろをどうつないでいるのかがつかめないと、「何があって、たろうはどうしたのか」が頭に残りません。
内容を理解するためには、文字そのものだけでなく、文章の区切りやつながりがわかることが必要です。
字が読めても、文章の意味がわかるようになるまでには、もっと時間が必要です。低学年の子に初めての本を音読してもらうと、そのゆっくりさに気づきます。読みまちがえも、まだ多いのです。
この状態では、内容をつかんで楽しむところまで届きません。そして「本は難しい」「自分は本を読めない」「本は苦手」となってしまいます。
意味がわからないまま字を追うのは、大人でも疲れます。子どもが本を読まないのは、やる気がないからではなく、この差のせいかもしれません。
文の区切りとつながりは、読み聞かせで身につきます
一人で読めるようになるためにも、読み聞かせが必要です。
大人が声に出して読むと、読点「、」で少し間があき、句点「。」でひと呼吸おきます。「だから」「ところが」のようなつなぎの言葉では、声の調子が変わります。聞いている子どもは、それを耳で受け取りながら、文がどこで切れて、どうつながっているのかを自然と覚えていきます。
「もう字が読めるのだから、読み聞かせはいらない」ではありません。読み聞かせは、一人読みの土台です。

学校司書として見ていて思うこと:「図書の時間」がなくなる学年で分かれます
もうひとつ、学校の中から見ていると、はっきり分かれるポイントがあります。
学校や地域の方針にもよりますが、小学校には「図書の時間」があります。わたしの住んでいる地域では、1年生と2年生には図書の時間があり、毎週決まった曜日・時間に図書室へ来て、読み聞かせを聞いて、本を借ります。
この時間があると、どんな子にも本を選んで読む機会が生まれます。借りるだけで読まないまま次の週になり、そのまま返す子もいます。それでも、本に触れる機会はあります。本棚を眺めて、面白そうだなと思って、借りる。これだけでも、本は身近な場所にあります。
ところが3年生になって図書の時間がなくなると、自分で時間を見つけて図書室に行くことになるので、本を借りる子と借りない子がはっきり分かれます。
家で読んでいたり、読み聞かせをしてくれる先生が担任だったりすればいいのですが(このケースは本当にラッキーです)、そうでない場合、本と触れる機会がゼロになります。本が遠い存在になると、本を読まなくなります。
そもそも図書の時間がない学校では、本と接する機会が入学を機に一気に減ります。
だからこそ、大人が子どもと本の距離を近くにし続けることが大切です。日常に本がある環境をつくること。そして小学生になってからでも、読み聞かせをしてあげてほしいのです。

読み聞かせをすると、ますます自分で読まなくなりませんか?
結論:読み聞かせが一人読書の妨げになることはありません。むしろ、読み聞かせが一人読書へのきっかけになります。
「読んでもらうことに慣れてしまって、自分で読む力がつかないのでは?」と心配される親御さんは多いのですが、安心してください。読み聞かせで「この本、面白かった!」と感じた体験が、「自分でも読んでみたい」という気持ちに自然とつながります。
面白い本に出会えたとき、子どもは自分から読み始めます。とにかく、その子が一番興味を持っているテーマの本を見つけて読んであげることが大切です。
小学生から始めても、遅くありません
これまで読み聞かせをしてこなかったご家庭も、心配いりません。小学生になってから始めても遅くはありません。始めどきや、小学生から始めるときのコツは「読み聞かせはいつから?」の記事にまとめています。
読み聞かせから一人読みへの3つのステップ
移行のイメージは、補助輪つきの自転車と同じです。最初は補助輪(読み聞かせ)があって、次第に支える手が少なくなって、やがて一人で走れるようになる。その過程を、焦らず一緒に歩んでいきましょう。
| ステップ | 読み聞かせ | 一人読み | このころの子ども |
|---|---|---|---|
| 1. 読み聞かせメイン | 大人が読む | まだしなくていい | お話を面白がる |
| 2. 読み聞かせと一人読みの並行 | 句読点やつなぎの言葉で、間をゆっくりとって読む | 読んでもらった本を、自分でも声に出して読んでみる | 文の区切りやつながりを覚えていく |
| 3. 一人読み | やめなくていい | 自分で選んで読む | 読んで意味がわかる |
ステップ1 読み聞かせメイン:まずは面白がるだけでいい
最初は、大人が読んで、子どもは聞くだけです。この段階では、お話を面白がれれば十分です。「本って面白い」と思えることが、次のステップに進む力になります。
ステップ2 読み聞かせと一人読みの並行:ここがいちばん大事です
見逃されがちなのが、このステップ2です。読み聞かせで本の内容を楽しみながら、子どもも一人で読んでみる。ステップ1ではただ面白がるだけだったのが、ステップ2では一人読みのための学びが加わります。
読み聞かせでは、接続詞や読点・句点を意識して、間をゆっくりとってみてください。聞いている子どもも、文の区切りを自然と学んでいきます。
- 読点「、」では短く、句点「。」では少し長めに間をとる
- 「だから」「でも」「ところが」など、つなぎの言葉はゆっくり読む
- 読み聞かせた本を、今度は子どもが声に出して読んでみる
大人が読んでいたように、自分でも読んでみる。すると、区切りやつながりがわかるので、子どもも読みながら意味がつかみやすくなります。読み聞かせで内容を知っている本なら、なおさらです。読みながら「わかった?」と確かめる必要はありません。

最初の一人読みは、音読がおすすめです
一人で読みはじめたころは、声に出して読む音読がおすすめです。
声に出すと、自分の読む声が自分の耳にも入ります。大人の読み方をまねしながら、どこで区切るかを確かめられます。そばで聞いている大人にも、どこで止まるのかが見えてきます。学校の音読の宿題も、この一人読みへの橋になります。

ステップ3 一人読み
区切りやつながりがわかってくると、自分で読んでも意味がつかめるようになり、一人で読む時間が増えていきます。
ポイントは、どのステップでも読み聞かせをやめないこと。 一人読書が増えてきても、読み聞かせは「本を楽しむ時間」として続けていきましょう。
また、読み聞かせと一人読書を行ったり来たりしていいことも覚えておいてください。一人読書を始めても、ときどき読み聞かせに戻ることがあっていいのです。長い目で見守ることが、本当の読書好きを育てます。
「もう何か月も1冊も読んでいない」という場合の、0冊から抜け出す手順はこちらにまとめました。

一人読書はどんな本から始めればいい?
結論:ひらがなが読めるなら、まず絵本から始めるのがおすすめです。
「一人読書」と聞くと、文字がびっしりの本を想像してしまいがちですが、そんな必要はまったくありません。絵本は「小さい子のもの」と思われがちですが、深いテーマや豊かな表現を持つ絵本はたくさんあります。絵が物語を補ってくれるので文字を読む負担が少なく、内容を自分で理解する練習としてもとても有効です。
また、「読んだことがある話なら読みやすい」という特性もあります。読み聞かせで繰り返し親しんできた絵本は、内容を知っているぶんだけ文字を追うハードルが低くなります。大好きな絵本を「今度は自分で読んでみよう」と挑戦するのは、とてもよいきっかけになります。
特に一人読書の第一歩として効果的なのが、繰り返しのフレーズが続く絵本です。同じ言葉やパターンが何度も出てくるので、次の展開が予想でき、読む途中で詰まりにくいのが特徴です。
わが家の場合:長男と次男が「はじめて自分で読んだ本」
参考までに、わが家の2人がどうだったかも書いておきます。きっかけは、まったく違いました。
長男は『絶望鬼ごっこ』(針とら 作/みもり 絵・集英社みらい文庫)でした。学校の図書室で友だちが「おもしろかった」と言っているのを聞いて借りてきて、読んだらはまりました。そこから20冊ほど一気読みです。友だちのおすすめは、親のおすすめよりずっと強い。これは覚えておいて損がありません。
次男は『かいけつゾロリ』でした。幼稚園のころから読み聞かせをしていたので、登場人物も話の流れも知っていました。小学生になってから図書館で借りて置いておいたところ、ひまな時間に、自分から読み始めたのです。
「自分で読んでる!」と内心は興奮しましたが、声はかけずにそっと見守りました。

2人に共通しているのは、どちらも親が「読みなさい」と言った本ではないということです。片方は友だちの口コミ、もう片方は読み聞かせで知っていた話。どちらも「知っている」「気になる」が先にありました。
親にできるのは、その「知っている」を増やしておくことと、手が届くところに置いておくことくらいなのだと思います。
ゾロリを読み終えたあとに何を渡すかは、「かいけつゾロリの次に読む本」で紹介しています。「漫画ばかりで本は読まない」という場合の考え方は、こちらの記事にまとめました。
ステップ2で「読んでもらう→自分で読む」におすすめの本
読み聞かせたあとに、同じ本を子どもが自分で読んでみる。そのステップ2に向いた本を、絵本4冊と幼年童話3冊紹介します。どれもくり返しが多く、一度聞いた話なら自分でも読みやすい本です。
① 絵本:繰り返しが楽しい、読みやすい絵本から
『てぶくろ』 ウクライナ民話 エウゲーニー・M・ラチョフ絵 内田莉莎子訳(福音館書店)
雪の中に落ちていたおじいさんの手袋に、ねずみ、かえる、うさぎ、きつね……と次々に動物たちが「入れて」と頼みこみ、どんどん住み着いていくウクライナの民話。小さな手袋にたくさんの動物が入るナンセンスなおかしさが、世界中の子どもたちに愛されてきた名作です。
「〇〇がやってきました。入れてください」という繰り返しのやりとりが続くので、パターンを覚えてしまうと次のページが読みやすくなります。動物が一匹ずつ増えていくわくわく感と、「次は誰が来るんだろう?」という期待感が、自然とページをめくる手を進めてくれます。
『三びきのやぎのがらがらどん』 ノルウェーの昔話 マーシャ・ブラウン絵 瀬田貞二訳(福音館書店)
「がらがらどん」という名前の小・中・大、三匹のやぎが、橋の下に住む恐ろしいトロルを知恵と力で乗り越えて山へ向かうノルウェーの民話。「かた、こと」「がた、ごと」「がたん、ごとん」と、やぎの大きさによって橋を渡る音が変わる描写が印象的です。
小・中・大のやぎが順番に橋を渡る三段構えの繰り返しが、読む子どもに「次も同じパターンだ」という安心感と「でも最後はどうなる?」というわくわく感を同時に与えます。声に出して読むとリズムが気持ちよく、音読の楽しさを体感できる一冊です。
『ぐりとぐら』 中川李枝子作 大村百合子絵(福音館書店)
野ねずみのぐりとぐらが、森で大きな卵を見つけてカステラを作るお話。繰り返しのリズムと明るい絵が特徴的な、ロングセラーの絵本です。
何度も読み聞かせで親しんだ子が多い一冊。内容を知っているぶんだけ一人でも読み進めやすく、「自分で読めた!」という達成感を初めて感じるのにぴったりの絵本です。文のリズムが心地よく、声に出して読む楽しさも感じられます。
『おおきなかぶ』 A.トルストイ再話 内田莉莎子訳 佐藤忠良絵(福音館書店)
おじいさんが植えたかぶが大きくなりすぎて、家族や動物たちみんなで力を合わせて引っ張るロシアの民話。「うんとこしょ、どっこいしょ」の繰り返しが楽しい一冊です。
繰り返しのフレーズが多いので、文字を読むことへの抵抗感を持ちにくい構成です。音読すると自然とリズムに乗れるので、「読む楽しさ」を体で感じられます。読み終わった達成感がとても得やすい絵本です。
② 低学年向け児童書:読み聞かせしながら、少しずつ一人読みへ
文字が絵本より増えますが、まだイラストが豊富で読みやすい幼年童話です。最初からすべてを一人で読もうとしなくて大丈夫。読み聞かせを続けながら、「面白い!」と思ったところを自分でも少し読んでみる、という楽しみ方がおすすめです。
『ふたりはともだち』 アーノルド・ローベル作 三木卓訳(文化出版局)〈がまくんとかえるくんシリーズ〉
がまくんとかえるくん、ふたりの親友が日常のささいな出来事を通じてゆっくりと友情を育てていく短編集。「はるが きた」「なくした ボタン」「おてがみ」など5つのお話が収録されています。小学校の国語教科書にも採用されているロングセラーです。
1話が短く、1冊に複数のお話が入っているので「1話読んだら今日はおしまい」という区切りのつけ方ができ、一人読書の習慣づくりにぴったりです。シリーズは全4冊あり、気に入るとシリーズ読みへとつながります。ふたりのやりとりにユーモアがあり、友情の温かさを自然に感じられます。
『いやいやえん』 中川李枝子作 大村百合子絵(福音館書店)
保育園を舞台に、4歳のいたずらっこしげるをはじめ、元気な子どもたちが大勢登場する7つのお話。「くじらとり」「やまのこぐちゃん」など、現実と空想の間を行き来する幼児独特の世界をいきいきと描きます。1962年の出版以来、親子三世代にわたって読み継がれてきた名作です。
1話ずつ完結しているので、「今日はこのお話だけ」という読み方ができます。自分と同じくらいの子どもが主人公なので、物語の世界に入り込みやすく、「自分だったらどうする?」と想像しながら読む楽しさを体験できます。
『エルマーのぼうけん』 ルース・スタイルス・ガネット作 渡辺茂男訳(福音館書店)
9歳の少年エルマーは、助けた野良猫から、どうぶつ島に囚われている竜の子どもの話を聞きます。エルマーはリュックサックにチューインガムや輪ゴム、歯ブラシなどをつめて、竜を助けに出発。ライオンやトラ、サイなど恐ろしい動物たちを、知恵と身近な道具で次々と乗り越えていきます。ニューベリー賞優秀賞受賞のロングセラー作品で、続編も含め全3冊のシリーズです。
リュックに入れた道具が次々と活躍する展開が、「これはあそこで使うのか!」という発見の連続を生みます。知恵と勇気で困難を乗り越えるエルマーの姿が、読む子どもに自信と勇気を与えてくれます。続きが気になってページをめくる手が止まらなくなる、一人読書入門にぴったりの一冊です。
子どもが本を自分で選ぶようにするには?
結論:「この本を読みなさい」と命令せず、子ども自身に選ばせることが読書習慣の近道です。
子どもは命令されることを嫌います。「この本を読みなさい」という言葉は、たとえ良かれと思ってのことでも、「やらされている」という感覚を生んでしまいます。
さらに気をつけてほしいのが、子どもが選んだ本を否定することです。学年より簡単すぎる、難しすぎると感じても、子どもが選んだ本を横に置いて別の本をすすめてしまうと、そこで本嫌いになっていくこともあります。
図書館や本屋で一緒に時間をかけて選ぶ時間そのものも、本への興味を育てます。「どれにしようかな」と棚の前で迷う時間が、すでに読書体験の始まりです。
図書室で「やっぱりいいや」と帰ってしまう子に、かけている言葉
とはいえ、「自分で選ばせる」と言われても、選べない子はいます。
図書室に来て本棚を見たのに、「やっぱりいいや」と言って帰ってしまう子がいます。図書室まで来ているのですから、本を読みたい気持ちはあるのです。
でも、読むのが苦手だと自分で思い込んでいることがあります。表紙を見て面白そうだと本を開いても、挿絵が少ないとわかったとたんに「無理」と言って本棚に戻してしまう——これは本当によくある光景です。
でも、よっぽど難しい本でなければ読めます。習っていない漢字がたくさん出てくるとさすがに読めないので、習っている範囲の漢字で書かれた本や、漢字にルビがふってある本を選ぶといいです。
「おもしろそう」と思ったのなら、ぜひ読んでほしい。「おもしろそう」という気持ちは、どの子も持てます。小学生向けの本は、小学生が「おもしろそう」と思うような表紙やタイトルになっているのですから。
そういうとき、わたしはハードルを下げる言葉をかけています。
| ためらっている理由 | かける言葉 |
|---|---|
| 分厚くて読み切れなそう | 「短いお話が何個か入っている本だから、1つのお話は10分で読めるよ」「一気に読まなくてもいいんだよ」 |
| 自分に関係なさそう | 「この表紙の子、小学4年生なんだって。同じだね」 |
| 時間がかかりそう | 「1日10分で、1週間で読み終わるよ」「先生も、本は何日かに分けて読むよ」 |
| 好みに合うかわからない | 「コナンみたいな謎解きが出てくるよ」(その子の好きなものに寄せる) |
| 最後まで読めるか不安 | 「味見してみてもいいよ。自分と合わないと思ったら、途中でやめてもいいんだよ」 |
とくによく効くのが、主人公と自分の共通点を伝えることです。「同じ学年だよ」の一言で、一気に惹かれる子がたくさんいます。ご家庭でも使える声かけなので、よかったら試してみてください。

本選びに迷ったら:AIに任せるという選択肢
「結局どんな本を選べばいいかわからない」「子どもに合った本を探す時間がない」というのが、多くの親御さんの本音ではないでしょうか。
そんな方におすすめしたいのが、AIが子どもの好みと読書レベルに合わせて本をすすめてくれるオンラインサービス「ヨンデミー」です。
子どもがアプリで読んだ本の感想を送ると、次に読む本の候補が3冊届き、子どもがその中から1冊を選びます(2026年8月からの仕組み)。親が選んだ本ではなく自分で選んだ本になるので、「読みたい」という気持ちが残りやすいのがいいところです。
ヨンデミー公式も、始める目安を「絵本の自力読みを始められたタイミング」としています。この記事のステップ2から3に進むころと、ちょうど重なります。
図書館の蔵書検索システムとも連携しているので、おすすめされた本をアプリからそのまま予約できるのも便利なポイント。本代は基本的に図書館で借りれば無料です。
最初の30日間は無料で体験できます。クレジットカードを登録しなければ、期間が終わると自動で解約になり、料金はかかりません。

ヨンデミーのレビューはこちら。

子どもが途中で本を読むのをやめたら?
結論:「途中まで読んだ」と前向きに捉えてください。最後まで読まなくていいと許可することが、長期的な読書好きにつながります。
子どもが本の途中で読むのをやめてしまうことは、よくあることです。でも、それは失敗ではありません。大人だって、本を一気読みすることは珍しいですよね。 読みかけの本にしおりをはさんで、また違う時間に読み続ける——それが本との自然な付き合い方です。
お子さんにも、ぜひしおりをプレゼントしてみてください。
好きな色の折り紙を折っただけのもので十分です。子どもは自分だけのしおりをとても喜びます。しおりをはさんだ本には「続きがある」という特別感が生まれ、また読みたいという気持ちを自然に盛り上げてくれます。

「最後まで読まなくていい」「面白くなければやめていい」という許可を与えることが、読書を長く続けるための土台になります。
図書室では、まず「やめた理由」を聞いています
図書室で途中でやめてしまった子には、まずやめた理由が何なのかを知ろうとします。
途中で飽きてしまった、面白くなくなった。それならやめてOKです。本は最後まで読まなければいけないものではありません。途中で「もういいかな」と思ってもいい。わたし自身も、そうしています。
「この後に面白いことがあるかも」と思っても、いま読んでいる場所が面白く思えないなら、読み進めるのは難しい。そして我慢して読んだ先に面白いことがなかったら、がっかりしてしまいます。
いったんその本から離れても、ふと「あの後どうなったんだろう」と思って戻ってくることもあります。だから無理強いはしません。読んでいるその瞬間が楽しいことが、いちばんです。
「読めなかった、ごめんなさい」と言う子がいます
本を返すときに、「時間がなくて読めなかった、ごめんなさい」と言う子がいます。
これを聞くたびに思います。その子のなかで、本が「読まなければならないもの」になってしまっているのです。
読まなくてOKです。読みたい気持ちが残っているなら、また借りればいい。その本よりも楽しいことがあったのなら、それは素敵なことです。他の本のほうに惹かれるなら、そちらに移っていってOK。
目移り歓迎、味見歓迎。それくらいでちょうどいいと思っています。
子どもが自分で本を読み始めたら、どう関わればいい?
結論:読んでいる最中は邪魔せず、読み終わったあとに「面白かった本、教えてね」と一声かけるだけで十分です。
子どもが一人で本を読み始めた瞬間は、大きな成長です。そこで声をかけて、せっかく自分で読んでいる時間を遮ってしまうのはもったいない。その時間をそっと見守りましょう。
読み終わったあとの「面白かった本、お母さんにも教えてね」という一言が、読んだことへの満足感を高め、次も読もうという気持ちにつながります。
「今日は読んだ?」と頻繁に確認するのは逆効果です。読んでいたら一声かける程度の、そっと支えるイメージが大切です。
読書を習慣にしてほしいという気持ちから、ついつい「何ページ読んだの?」と頻繁に確認したくなるかもしれません。でも、あまり頻繁に関わりすぎると、子どもは「読書を監視されている」と感じ、読む気が失せてしまうことがあります。
「どんな話だった?」を聞きすぎて、反省したことがあります
偉そうに書いていますが、わたしも失敗しています。
自分が知っている本を子どもが読んだあとに「どんな話だった?」と聞くのは、あまりよくないと感じています。内容をちゃんと読めているかテストするような気持ちが、どこかにあるからです。
そして子どもは、それを感じ取ります。「正解を言わなくては」と身構えて、気まずい空気になってしまう。
あるとき、読む前に「また本の中身、聞くの?」と言われました。嫌だったんだな、と分かって、とても反省しました。
じつはわたし自身、子どものころに同じことをされています。父が読書をさせたかったらしく、本を読んだあとに「どんな本だった?」と聞かれるのですが、これが嫌でした。「面白くなさそうだから読まなかった」とは、言えないのです。そして無理に読む本は、やっぱり面白くありませんでした。
嫌だったはずのことを、自分もやっていたわけです。
感想を聞くこと自体はOKです。子どもも聞いてほしいかもしれないし、話すことで気持ちが整理できるかもしれない。ただしテストではなく、自由な会話として。
「そんな話だったかな」「肝心なところがうまくとらえられていないかも」と思っても、そこはぐっとこらえます。「そうなんだね」と、子どもの感想を全肯定するのがよさそうです。
読んだ本の話をしてくれない、「忘れた」と言う子については、「本は読むのに『忘れた』と言う子」でくわしく書いています。
読書に集中できる環境を整えてあげよう
結論:YouTubeやスマホの音・画面が見えたり聞こえたりする環境では、読書に集中するのはとても難しいです。読む時間だけは、静かな環境をつくってあげましょう。
動画やゲームとの付き合い方は、動画やゲームをやめられない子の切り替え方の記事にまとめています。ここでは、司書の側からひとつだけヒントを。
図書室が静かなのは、静かにさせているからではありません
図書室では、学年はじめのオリエンテーションで「ここは静かに本を読む場所です」と毎年伝えます。子どもたちも、それを理解しています。
そのうえで、わたし自身が図書室では小さな声で話し、意識してゆっくり動きます。だから図書室は静かなのです。図書館も、そういう場所ですよね。「静かにしなさい」と言わなくても、自然と静かになり、自然と本に向き合える場所になります。
お家でも、読書の時間は「今は図書館だと思って」静かに過ごしてみてもいいかもしれません。
たとえば、お出かけ前のすきま時間に本を読んでいたら、「あと10分で出発するよ」を、小さな声で言ってみませんか。
それだけで、読書の時間が特別な時間になっていきます。読書をすると、いつもの家の雰囲気が変わる。子どもはそういう空気の変化に敏感で、けっこう楽しみます。
読書の時間が、特別で、落ち着けて、楽しいものになるといいなと思います。
親が本を読まなくても、子どもを読書好きにできる?
結論:できます。本を読む姿が見せられなくても、「本を読みたいな」という憧れを見せるだけで十分です。
「自分はあまり本を読まない」という方も、大丈夫です。憧れだけでもいい。「お母さんも、もっと本を読みたいんだよね」とつぶやくだけで、子どもの心に何かが灯ることがあります。
「おうちの人も本を読むの?」と聞いたときの、あの顔
よく本を読む子に、「おうちの人も本をよく読むの?」と聞いたことがあります。
「うん!」と答えるその顔は、誇らしげでした。
本を読むことは、子どもにとって尊敬の対象になるようです。「本を読むのはいいことだよ」「頭が良くなるよ」「本を読んでるなんてえらいね」——そういう言葉を、あちこちで聞くからでしょうか。読んでいるパパ・ママはかっこいいし、読んでいる自分もかっこいい。そう思えると、自己肯定感も高まっていくのだと思います。
ちなみにわたしは、子どもの前でよく本を読みます。まとまった時間がとれなくても、キッチンで煮物をしていて手が空いた時間、子どもがゲームをしている横、電車での移動時間。図書館も一緒に行きますが、「図書館行ってくる」と、わたしだけ出かけることもあります。
わたしは本が好きなので、それが伝わっているといいなと思っています。
じつは、お互いに読んだ本を教え合うのが、ずっと夢でした。子どもが一人読書をするようになって、わたしが目を通さない本まで読むようになって、その内容を教えてもらえるようになった今が、とても楽しいです。
それから、ふだん本を読まない方へ。日常的に本を読むのはハードルが高いと思うので、雑誌でも漫画でもいいと思います。ただし、スマホやタブレットの画面ではなく、紙の本で。
子どもは、小説か漫画かなんて判別しません。真剣な顔をして、書物を開いて、静かに集中して読んでいる姿。それ自体が、子どもへの刺激になります。
まとめ:読み聞かせから一人読書へ移行するポイント
読み聞かせから一人読書への道は、一直線ではありません。後退したり、また読み聞かせを求めてきたりすることもあるでしょう。それでいいのです。
この記事のポイントをまとめます。
- 字が読めることと、読んで内容を理解することはイコールではない
- 内容を理解するには、文の区切りやつながりがわかることが必要。それは読み聞かせで耳から身につく
- 移行は3ステップ。いちばん大事なのは、読み聞かせと一人読みを並行するステップ2
- 読み聞かせでは、読点・句点・つなぎの言葉で間をとる。最初の一人読みは音読で
- 最初の1冊は、読み聞かせで聞いた話から
- 読んだあとは「どんな話だった?」より「そうなんだね」
読み聞かせで育つ「本への好き」という気持ちを大切にしながら、焦らず、子どものペースでつないでいきましょう。途中でやめてもいい。最後まで読まなくてもいい。行ったり来たりしていい。そのゆるさが、長く続く読書好きを育てます。
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