この記事にはアフィリエイトリンクが含まれています。紹介している商品・サービスは、私自身が良いと思ったものをお伝えしています。
こんな方におすすめの記事
- 想像力を育てる絵本を探している
- 子どもが「つまらない」「ひまー」とよく言う
- うちの子は想像力がないのでは、と少し心配している
子どもは、大人が思っている以上に想像力が豊かです。その想像力がいちばん動くのは、絵本の中の書かれていないところです。読み終わったあとに「この後どうなると思う?」と聞くだけで、言葉があふれてくることがあります。
この記事では、学校司書として図書室で見てきた「想像力が動いている瞬間」と、想像力が広がる絵本13冊を紹介します。前半では、「ひまー」と言われたときの過ごし方も書きました。

「ひまー」と言われたら、何もしなくて大丈夫
わが家では「ひまー」と言われたら、「ひまだね」と受け取って、そのままにしておきます。提案もしませんし、予定も出しません。子どもは、時間が空いてもひまのままではいられません。何かすることを、必ず自分で探し出します。

鉛筆を振っているだけ、ごろごろ寝転がっているだけに見えても、頭の中は止まっていません。バランスがとれるのは真ん中あたりだな、振ると曲がって見えるな。何かしら感じています。こうした偶然の出会いの積み重ねが、あとから効いてきます。だからこそ、その時間をすぐ動画で埋めてしまうのはもったいないと思っています。
わが家では、図鑑を写して絵を描きはじめます
「ひまー」のあと、しばらくしてよく始まるのが、お絵かきです。図鑑を出してきて絵を写し、そのまわりに図鑑に書いてある知識を書き写していきます。「はねは1メートルもある!」といった具合です。
授業のように「これを書きなさい」と決められているより、自由になんでも描いていいのが楽しいようです。好きなものの隣に好きなものを描ける。色も自由に塗れる。「この方がかっこいい」とアレンジもできる。この自由さが、想像する楽しさそのものなのだと思います。
本を渡すなら、少したってから
本を渡すこともありますが、「ひまー」と言ったすぐあとに渡すと、「ひまと言うと本を渡される」と覚えて身構えられます。ぐだぐだしはじめて少したったころに渡すと、読んでくれる確率が上がります。動画との付き合い方は

想像力は、絵本の「書かれていないところ」で動く
絵本は、すべてを書いていません。『おおきなかぶ』では、かぶを引っぱる場面が何度もくり返されますが、登場人物の心の声はどこにも書かれていません。「もう疲れた」「絶対に抜けるはずだ」と思い浮かべているのは、読んでいる子ども自身です。
昔話でも同じです。たとえば『桃太郎』を読んだあとに、「桃太郎と犬と猿と雉は、このあとどうやって暮らすのかな?」と聞いてみてください。
「一緒にくらす」「大きなお家に引っ越して、一緒にくらすんだ」「猿はごはんを用意するかかりになるんだよ」
「別々のお家にいく」と答える子もいます。どの答えでも、物語に描かれていないことを考えている時点で、想像力が働いています。ひとこと答えると、そのあとに次々と言葉があふれてくることがあります。
想像するのは、楽しいことです。大人が「宝くじが当たったらどうする?」で盛り上がるのと同じです。正解のない問いを、ぜひ一緒に楽しんでください。大人も一緒に答えると、質問ではなく遊びになります。
反対に、避けたいのは正解がある問いです。「この話の教訓は?」「主人公はどうすべきだった?」は、想像ではなく答え合わせになります。答え合わせが始まると、読み聞かせはテストになってしまいます。
そして、問いかけは読み終わったあとに回すほうが安全です。途中で聞くと、話の流れを止めてしまいます。子どもが自分から言い出したときだけ、途中でも受けてください。

図書室で見た、想像力が動いている瞬間

『はじめてのおつかい』の黒猫を追っていた子
女の子がひとりでおつかいに行くお話です。読み聞かせのあと、「黒猫は人がきてびっくりしてた。黒猫はお店が好きなんだね」と言った子がいました。この黒猫は、お話には出てきません。お店の前にいるだけです。でも絵をよく見ると、お客さんやお店の様子に合わせて、猫の様子が変わっています。その子は、絵に描かれているだけの猫に、ちゃんとストーリーを感じ取っていました。
『そらいろのたね』で「ぐりとぐらがいる!」
『ぐりとぐら』と同じ作者による絵本です。森の動物たちがたくさん集まってくる場面に、ぐりとぐらが小さく描かれていて、そのページで「ぐりとぐらがいる!」と声があがることがあります。子どもたちは、絵本の小さな描写をよく見ています。
文字を読むのが苦手な子でも、絵で楽しむことはできます。絵だけ眺めて文字を読んでいないと、親は不安になるかもしれません。でもそれも絵本の楽しみ方のひとつです。自分ひとりで絵本を開き、絵に没頭する。それは、しっかり本の中に入っている経験です。この経験を積んでいくと、そこにある文字も読むようになり、一人読みへもつながっていきます。
『めっきらもっきら どおんどん』で身を縮める子どもたち
木の穴をのぞいた男の子が、穴に落ちてしまう場面があります。本文は「おちる、おちる」だけ。どのくらい深いのかは説明されません。それでも子どもたちは「ひっ」と身を縮めます。説明されていないから、体で想像するのです。

想像力が広がる絵本13選
学校司書として選んだ本です。書名・作者・出版社は、国立国会図書館の書誌と出版社の案内で確認しています。
| 楽しみ方 | 本 |
|---|---|
| 絵のすみっこを探す | 『はじめてのおつかい』『そらいろのたね』 |
| 文字のない絵本(あちこち発見するタイプ) | 『旅の絵本』『やこうれっしゃ』 |
| 文字のない絵本(めくってお話が進むタイプ) | 『かさ』『あかいふうせん』『どんぐり』 |
| 「もしも」「ありえない」を楽しむ | 『りんごかもしれない』『ねえ、どれがいい?』『ふしぎなナイフ』 |
| 空想の世界に入りこむ | 『かいじゅうたちのいるところ』『めっきらもっきら どおんどん』 |
| 「このあとどうなる?」を聞きたくなる | 『チーターじまんのてんてんは』 |
絵のすみっこを探す絵本
『はじめてのおつかい』(筒井頼子 さく/林明子 え/福音館書店)
5歳のみいちゃんが、ひとりで牛乳を買いに行くお話です。坂道で転んだり、お店の人に気づいてもらえなかったり。小さな冒険にどきどきします。
上で書いた黒猫のほかにも、絵の中にはたくさんの人や生き物が描かれています。2回目、3回目に読むときは、絵のすみっこを一緒に探してみてください。
『そらいろのたね』(なかがわりえこ 文/おおむらゆりこ 絵/福音館書店)
ゆうじが、きつねと模型飛行機を交換してもらった「そらいろのたね」。水をやると、空色の家が生えてきて、どんどん大きくなっていきます。そこに森の動物たちが集まってきて……。
『ぐりとぐら』を読んだことがある子なら、「どこかにぐりとぐらがいるよ」とひとこと添えるだけで、絵を見る目が変わります。
文字のない絵本
文字のない絵本には、2つのタイプがあります。ひとつは、1ページにたくさんのことが描かれていて、目をあちこちに動かしながら発見していくタイプ。もうひとつは、1ページずつめくって物語を進めていくタイプです。
後者は、絵が文字より早くわかるので、ひとりでもページをめくる楽しさを味わえます。「次はどうなるんだろう」という期待がページをめくらせる。これが、読書への道になります。
『旅の絵本』(安野光雅 作/福音館書店)
馬に乗った旅人が、村から町へと進んでいく、文字のない絵本です。畑で働く人、市場、お祭り。1ページの中に、たくさんの小さなお話がかくれています。
あちこち発見するタイプの代表です。シリーズで、いろいろな国を旅する巻があります。
『やこうれっしゃ』(西村繁男 作/福音館書店)
夜の駅から出発する夜行列車の中を、前の車両から順番にのぞいていく文字のない絵本です。眠る人、おしゃべりする人、赤ちゃんをあやす人。
乗っている一人ひとりに、それぞれのお話があります。「この人はどこへ行くのかな?」と考えながらめくれます。
『かさ』(太田大八 作/文研出版)・『あかいふうせん』(イエラ・マリ 作/ほるぷ出版)
1ページずつめくってお話が進むタイプです。『かさ』は、赤いかさをさした女の子が、雨の町をお父さんを迎えに行くお話。『あかいふうせん』は、ふくらんだ風船が、ページをめくるたびにちがうものに形を変えていきます。どちらも、絵だけで「次はどうなる?」が続いていきます。(2冊とも、通販サイトに表紙の画像がないため、カードは載せていません)
『どんぐり』(たてのひろし 作・絵/小峰書店)
木の上から、たくさんのどんぐりが降ってきます。ページをめくるたびに、どんぐりは野ネズミや鳥、虫に食べられていきます。生き残って芽を出したどんぐりは……。同じ場所を、季節をこえて描いていく文字のない絵本です。
言葉の説明がないぶん、「このどんぐりはどうなるの?」と、子どもが自分で物語を追いかけます。細かく描かれた絵の中に、生き物を探す楽しみもあります。
「もしも」「ありえない」を楽しむ絵本
絵本や本の中では、動物が話し、魔法が使え、宇宙にも飛んでいけます。本の入り口は、どれもありえない話です。そこにある「びっくり」が「気になる」になり、「なんで?」「次はどうなるの?」を引き出して、次へ進ませてくれます。ありえない世界が好きな子はファンタジーへ、本の楽しみそのものを知った子は自分の好きな本へと進んでいきます。
中学年になると、動物が話す本を読んで「動物が話すわけない」と言い出す子が出てきます。がっかりしなくて大丈夫です。お話と現実のあいだに距離を置けるようになった、成長のしるしです。
そう言われたら、訂正しないでください。「そうだね、ありえないね」と受けて、そのまま読み進めてしまうのがいちばんです。読んでいるうちに、たいてい黙ります。「ありえない」で終わるか、「ありえないけど面白い」に進むか。そこが中学年の分かれ道です。
『りんごかもしれない』(ヨシタケシンスケ 作/ブロンズ新社)
テーブルの上にりんごがひとつ。でも、もしかしたらりんごじゃないかもしれない――。男の子の「かもしれない」が、どこまでも広がっていきます。
1つのものから、いくつ「かもしれない」を出せるか。読んだあとに親子で続きをやってみたくなる本です。中学年でも楽しめます。
『ねえ、どれがいい?』(ジョン・バーニンガム さく/まつかわまゆみ やく/評論社)
「もしもね、きみんちのまわりが かわるとしたら……」。とんでもない選択肢が並び、「ねえ、どれがいい?」と聞いてきます。
正解はありません。大人も本気で答えると、それだけで遊びになります。
『ふしぎなナイフ』(中村牧江・林健造 さく/福田隆義 え/福音館書店)
1本のナイフが、まがる、ねじれる、おれる、とける……。本物そっくりに描かれたナイフが、ありえない姿に変わっていきます。
言葉はほんの少しです。「次はどうなると思う?」と聞きながらめくると、子どもからいろいろな答えが出てきます。
空想の世界に入りこむ絵本
『かいじゅうたちのいるところ』(モーリス・センダック さく/じんぐうてるお やく/冨山房)
いたずらをして、夕ごはん抜きで寝室に閉じこめられたマックス。すると部屋に木が生えはじめ、いつのまにか森になって、マックスはかいじゅうたちのいる島へ向かいます。
現実の部屋から空想の世界へ、そしてまた戻ってくる。想像の世界に入って帰ってくる体験そのものを描いた絵本です。
『めっきらもっきら どおんどん』(長谷川摂子 作/ふりやなな 画/福音館書店)
遊び相手が見つからないかんたが、神社の大きな木の根元の穴に落ちていくと、そこには不思議なおばけたちがいて……。
上で書いた「おちる、おちる」の場面では、子どもたちが本当に身を縮めます。読み聞かせで声に出すと、いちばん盛り上がる絵本のひとつです。
「このあとどうなる?」を聞きたくなる絵本
『チーターじまんのてんてんは』(みやけゆま 作/BL出版)
チーターの自慢の「てんてん」が、飛んでいってしまいます。チーターはそれを取り戻そうとしますが、取り戻せそうだと思った最後に、大ピンチがおとずれます。
どうやってこのピンチを乗り越えるか、読み終わる前に聞いてみてください。思ってもみない答えが聞けるかもしれません。
絵本の世界を、現実でやってみる

想像したものを、実際にやってみる。わが家でやったことは、どれも特別な準備はいりませんでした。
『ぐりとぐら』のあとに、卵を1個割る
絵本の大きな卵とはちがっても、卵の重さ、どのくらいの強さで叩くと割れるのか、中身が手についたときの感触。いろいろなことを感じていました。
『おちば』のあとに、落ち葉の山にダイブする
『おちば』(おーなり由子 文/はたこうしろう 絵/ほるぷ出版)は、1枚の赤い落ち葉を見つけた男の子が、落ち葉を集めてまきちらしたり、山をつくって飛びこんだりする絵本です。読んだあとに本当に落ち葉の山に飛びこむと、音、におい、崩れ方。ページでは想像するしかなかったものが、いっぺんに来ます。
『ちいちゃんのかげおくり』のあとに、かげおくりをする
影を10秒見つめて、空を見上げる遊びです。できることを知ってから読み返すと、まったくちがう話に見えます。

3つに共通しているのは、感想を聞いていないことです。やってみるところまでで終わりにします。
よくある質問
まとめ
- 子どもは想像力豊か。想像力は、絵本の「書かれていないところ」で動く
- 「この後どうなると思う?」と聞くだけで、言葉があふれてくることがある
- 絵だけ眺めるのも、本の中に入っている経験。そこから一人読みにつながる
- 「ひまー」と言われたら、何もしなくて大丈夫。自由に描ける時間が、想像する楽しさになる
- 絵本の世界を現実でやってみるときは、感想を聞かずにやってみるまでで終わりに
今夜の読み聞かせのあとに、「この後どうなると思う?」と聞いてみてください。
あわせて読みたい
読み聞かせで育つ力の全体像は読み聞かせで育つ11の力に、寝る前の時間の使い方は小学生が寝ない夜に|「早く寝なさい」より効く、寝かしつけの読み聞かせ5つの工夫にまとめています。このブログ全体の案内はこのブログの歩き方からどうぞ。





コメント