子どもが「つまらない」「何もすることない」とぼんやりしている姿を見て、少し心配になることはありませんか?
実は、その「何もない時間」こそ、想像力が育つ大切なタイミング。そして、読み聞かせはその想像力をさらに豊かに広げてくれる、最高のきっかけになります。
この記事では、読み聞かせが子どもの想像力・創造性にどう影響するのか、そして日常の中でどう活かせるかを、具体的なエピソードや声かけ例を交えてご紹介します。
想像力と創造性って、どう違うの?
よく似た言葉なので、まず整理しておきましょう。
想像力とは、目の前にないものを心の中で思い描く力のこと。絵本の場面を頭の中で映像として浮かべたり、「もし自分がこの主人公だったら…」と考えたりするのが想像力です。
創造性とは、そこからさらに一歩進んで、新しいアイデアや表現を生み出す力のこと。「こんなお話があったらいいな」「自分ならこうする」と考えて、実際に形にしていく力です。
この二つは、車の両輪のような関係。想像力が豊かになると、創造性も自然と育っていきます。そして読み聞かせは、その両方を同時に刺激してくれる体験なのです。
なぜ読み聞かせが想像力を育てるの?
絵本は「半分空白」でできている
絵本の不思議なところは、すべてが描かれていないことです。
たとえば、「おおきなかぶ」では、かぶを引っ張っている場面が何度も繰り返されます。でも、登場人物たちの心の声は書かれていません。「もう疲れた…」「絶対抜けるはずだ!」「孫はどこで遊んでたのかしら?」……そんなことを想像するのは、読んでいる子ども自身です。
この「空白を埋める体験」こそ、想像力のトレーニングです。
文章だけの本とちがって、絵本は絵でも物語を語ります。文と絵の「ずれ」や「余白」が、子どもの想像を自然と引き出してくれるのです。
声と感情が、世界をリアルにする
読み聞かせのとき、親御さんの声は物語に命を吹き込みます。
悲しい場面でそっと声を落とす。楽しい場面で少し弾んだ声になる。それだけで、子どもの頭の中に浮かぶ世界はぐっとリアルになります。
「こんなふうに話す人は、どんな人なのかな」「この声の雰囲気は、どんな場所に合うかな」——読み聞かせの中で子どもは無意識に、五感をフル活用して世界を想像しています。
「話の続き」を予測する力
「次はどうなるんだろう?」と思いながら聞くことも、実は大切な創造性のトレーニングです。
物語の展開を予測することは、「もし〜だったら」という仮定思考の練習。これは問題解決やアイデア出しにもつながる、実は非常に高度な力です。
想像力を引き出す「声かけ」のコツ
読み聞かせ中・後の一言が、想像力をぐっと育てます。でも、テストのような質問は逆効果。「答えを探す読み聞かせ」になってしまうと、楽しさが半減してしまいます。
大切なのは、「正解がない問いかけ」をすること。
おすすめの声かけ例
物語の途中で
- 「次は何が起きると思う?」
- 「もしあなたが〇〇ちゃんだったら、どうする?」
- 「この子、今どんな気持ちだと思う?」
読み終わった後に
- 「お話の続きがあったら、どんな話になるかな?」
- 「登場人物の中で、誰と友達になりたい?」
- 「この本に新しいキャラクターを加えるとしたら、どんな子?」
絵を見ながら
- 「この絵の外には、何があると思う?」
- 「この子、朝ごはん何食べてきたのかな(笑)」
最後の例は笑い話のようですが、こういう「ちょっとバカバカしい問い」が子どもの発想を最も自由に広げてくれます。
創造性につながる「その後の遊び」
読み聞かせで想像の種がまかれたら、遊びの中で花を咲かせましょう。
お話の続きを作ってみる
「今日の絵本の続き、一緒に考えてみよう」と声をかけてみてください。
最初は「わかんない」と言うかもしれません。でも「じゃあ、主人公はどこに行ったのかな?」と一つだけ質問してみると、意外とすらすらと続きが出てきます。
それを書いてみても、絵に描いてみてもOK。「出版ごっこ」として、表紙をつけて本にしてみるのも楽しい体験になります。
絵本の世界を再現して遊ぶ
「ぐりとぐら」を読んだ後に一緒にカステラを焼いたり、「からすのパンやさん」の後にパン屋さんごっこをしたり。
絵本の世界を現実に引っ張り出す体験が、創造性を豊かに育てます。「本の中のことを現実でやってみる」という経験は、子どもにとって特別なワクワク感があります。
「もしも」を一緒に考える時間を作る
夕食のとき、寝る前のちょっとした時間に、「もしも空が飛べたら何をする?」「もしも魔法が一つ使えたら?」という問いを投げかけてみてください。
これは想像力のジムトレーニングのようなもの。正解はなく、どんな答えも大歓迎。親御さんも一緒に答えることで、「発想することは楽しい」という空気が生まれます。
こんな絵本がおすすめ:想像力を広げる一冊
想像力を育てるのに特に向いているのは、「余白」や「問い」を持つ絵本です。
- 結末がハッキリしていない絵本
- 主人公が何かを選択する場面がある絵本
- ファンタジーやユーモアが豊かな絵本
- 繰り返しのリズムがある絵本(「次を予測する楽しさ」が生まれます)
特定の一冊を指定するよりも、子どもが「もっと読みたい!」と言う本を選ぶのが最善です。その「好き」という感情こそ、想像力の燃料になります。
「想像する子ども」は、未来に強い
想像力と創造性は、学校のテストでは測れません。でも、これからの時代にますます必要とされる力です。
答えが一つではない問題に向き合う力、まだ存在しないものを考え出す力、他者の気持ちを想像して寄り添う力——これらはすべて、想像力・創造性と深くつながっています。
そして、その土台を作る体験が、毎晩の読み聞かせの中にある。
難しい教材も、特別な環境も必要ありません。ただ、一冊の本と、「次はどうなると思う?」という一言があれば、子どもの想像力は今日からでも広がっていきます。
まとめ
- 絵本の「余白」が、子どもの想像力を自然と引き出す
- 読み聞かせ中の「正解のない問いかけ」が創造性を育てる
- 読んだ後の遊びや会話が、想像を現実の力に変える
- 想像力は、これからの時代を生き抜くための基礎体力
読み聞かせは「本を読む時間」ではなく、「子どもの世界を広げる時間」。今夜もぜひ、一冊手に取ってみてください。
このブログでは、日常の会話・読書・ちょっとした工夫の中でできる「ことばの育て方」をお伝えしています。他の記事もあわせてご覧ください。
「ぐりとぐら」シリーズ
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