こんな方におすすめの記事
- このブログを初めて訪れた方
- 「司書ママ」ってどんな人?と気になった方
- 「学校司書って、何をする人なの?」と思ったことがある方
- なぜ「ことば育て」をテーマにしたブログなのか知りたい方
こんにちは。学校司書のいちかです。
このブログ「司書ママのことば育て」を読んでくださり、ありがとうございます。

私のこと:小学校の図書室で働いています
私は現在、小学校で学校司書として勤務しています。
「学校司書」という言葉、初めて聞く方もいらっしゃるかもしれません。小学校の図書室で働く専門の司書です。
日々の仕事は、本の貸し出し・返却・整理といった図書室の運営だけではありません。
- 図書の授業の企画・実施
- 本の紹介POPの作成
- 読書感想文の書き方の指導
- 読み聞かせの選書・実施
言葉や読書に関わる授業やサポートも、大切な仕事のひとつです。
毎日たくさんの子どもたちと図書室で過ごしながら、本と言葉の力をそばで見続けてきました。
学校司書として、5年目です
簡単に、わたしのことを書いておきます。
| 名前 | いちか(司書ママ) |
| 仕事 | 小学校の学校司書(5年目・これまで3校) |
| 資格 | 司書 |
| 勤務校 | 1学年3クラスほど/蔵書は1万5千冊くらい |
| 勤務 | 週3日・1日4時間 |
| 家族 | 小学6年生と小学4年生、男の子2人の母 |
仕事でも家でも、子どもと本のあいだにいます。
図書室での1日は、こんな流れです
「学校司書って、実際は何をしているの?」とよく聞かれます。1日4時間勤務なので、正直なところかなり慌ただしいです。
| 時間 | していること |
|---|---|
| 8:30 | 出勤 |
| 1〜3時間目 | 図書の時間(授業として子どもたちが図書室に来ます) |
| 休み時間 | 来館する子どもの対応 |
| 空いた時間 | 本の整理、展示づくり、本の購入、授業準備 |
| 委員会のある日 | 図書委員会に出席 |
図書委員会では、図書室をどう運用していくかを子どもたちと一緒に話しています。大人が決めた場所ではなく、自分たちの場所だと思ってもらいたいからです。
この4時間のあいだに、たくさんの子と短いやりとりをします。このブログに書いていることの多くは、その積み重ねから来ています。
本を選ぶ、という仕事について
学校司書の仕事のなかで、いちばん責任を感じるのが選書です。
手順そのものは、地味です。カタログを見て決め、注文先が決まっているので、提携先の企業にまとめて注文します。子どもたちの前に並ぶまでに、華やかな場面はありません。
大変なのは、その手前です。
選書の情報収集は、日ごろから行っています。本屋、図書館、ネット、雑誌、SNS。カタログを開いたときに「これは入れたい」と判断できるかどうかは、それまでにどれだけ見てきたかで決まります。
限られた予算のなかで、どの本を棚に置くか。置かなかった本は、その学校の子どもたちの前には現れません。そう考えると、軽い作業ではありません。
このブログで本を紹介するときも、同じ目で選んでいます。買う・借りるの使い分けは子どもの本は買う?借りる?に書きました。
ここに来るまでの、回り道
最初から学校司書だったわけではありません。
大学を卒業したあとは、保険会社に勤めていました。1日中パソコンの前に座る、事務の仕事です。妊娠を機に退職して、しばらくは専業主婦をしていました。
子どもが小学校に入ってから始めたのが、通信教育の添削業務でした。家でできる仕事なら、家事や育児と両立できそうだと思ったからです。担当したのは大学受験生向けの国語。やってみて、国語が、文章が、やっぱり面白いと思いました。「わたしはこれが好きなんだ」と再確認したのです。
同じころ、家では子どもへの読み聞かせを毎日していました。そのうちに、もっとたくさんの子どもに読み聞かせをしたい、本の楽しさを伝えたいと思うようになりました。
それで、学校司書を志しました。ほかのパートをしながら通信制の大学で学び、司書の資格を取りました。
わたし自身と、本のこと
子どものころから、本は好きでした。
2週間に1回、市内でいちばん大きな図書館に連れて行ってもらっていました。本を借りるのはもちろん楽しみでしたが、その帰りに寄る中華料理屋さんも、同じくらい楽しみでした。
ただ、いいことばかりでもありません。父が読書をさせたかったらしく、本を読んだあとに「どんな本だった?」と聞かれるのですが、これが嫌でした。「面白くなさそうだから読まなかった」とは、言えないのです。そして無理に読む本は、やっぱり面白くありませんでした。
変わったのは、大きくなって、歩いて行ける地元の分館に自分で通うようになってからです。好きな本を、好きなだけ読めるようになって、すっかり読書好きになりました。
「こんな本を読めたなんてすごい」と自分で思えたのは、『はてしない物語』(ミヒャエル・エンデ 作/上田真而子・佐藤真理子 訳・岩波書店)でした。文庫ではなく、ハードカバーのあの大きな本です。小学6年生のときだったと記憶しています。
——この経験は、いまも記事の書き方に効いています。感想を聞きすぎないこと。嫌だったはずのことを自分もやってしまった話は小学生が「自分から本を読む子」になる関わり方に書きました。
「言葉を育てること」の大切さを、現場で痛感しています
子どもたちと日々接する中で、ずっと感じていることがあります。
言葉を身につけている子どもは、生きやすい。
言葉というと、「読書の力」や「国語の成績」を思い浮かべる方が多いかもしれません。でも、言葉が関わる場面は、もっとずっと広いのです。
学習面での言葉の力
読書量が多い子どもは、学力全体が底上げされます。これは多くの教育研究が示していることです。
学校の授業も、先生の説明も、教科書も、すべて「言葉」でできています。言葉がわからなければ、学習の内容もわからなくなってしまいます。
学習でつまずくと、学校へ行くことが嫌になってしまう子もいます。言葉の土台がしっかりしていると、そのリスクを大きく減らせると感じています。
くわしくは読書で育つ10の力にまとめました。
心と人間関係における言葉の力
友だちとのトラブル、先生への相談、家族への気持ちの伝え方——こうした場面でも、言葉は欠かせません。
自分の気持ちを整理する力、相手の気持ちを想像する力、自分の思いを相手に届ける力。これらはすべて、言葉によって育まれます。
「わかってもらえない」という気持ちは、子どもの心の中に小さな陰を作ります。逆に、「ちゃんと伝えられた」「わかってもらえた」という体験の積み重ねが、子どもの自己肯定感や安心感の土台になります。
図書室でたくさんの子どもたちを見てきて、言葉が豊かな子は、友だち関係も、学習も、自分自身との付き合い方も、なめらかだと感じています。
この話は子どもが「気持ちをことばにできない」のはなぜ?で掘り下げています。
忘れられない、ひとりの男の子のこと
学校司書をしていて、いちばん記憶に残っている子の話をさせてください。
2年生の男の子でした。とにかく本が嫌いで、図書の時間に図書室へ来ても、「嫌だ」という気持ちが全身から出ている子。
読み聞かせをしても「クマがしゃべるなんておかしい」と言ってくる。本を借りる時間になっても「読みたい本なんかない」と、自分の席で頬杖をついていました。
本を、はっきりと嫌っているのです。原因は分かりませんでした。
ある日、担任の先生が「課題が終わったら図書室で本を読んでね」と指示を出し、その子も図書室にやってきました。窓際の椅子に座って、ぼーっとしています。
わたしは「こんな本あったよ」と、勝手にその子の横で、小さな声で読み聞かせを始めました。興味ありません、という顔をしています。でも、逃げはしませんでした。
食べすぎたうさぎの体が地面に沈んで、地球の反対側へ行ってしまう場面。そこで「えっ!」と、その子が本を見ました。
そこからは食い入るように本を見て、1冊を最後まで楽しみました。読んだのは『くいしんぼうさぎ』(せなけいこ 作・絵/ポプラ社)です。
もしかしたら、1冊の本を楽しみ切ったのは、その子にとって初めての経験だったのかもしれません。
それから、わたしも驚くほどガラッと変わりました。読み聞かせの時間に茶々を入れることがなくなり、食い入るように参加するようになりました。本も借りるようになりました。「これ読んでほしい」と持ってくるようにもなりました。
本好きの誕生です。
子どもに必要なのは、1冊の本との出会いなのだ——そう実感した出来事でした。
本のことが嫌いな子はいます。ずっと嫌いなままの子もいるでしょう。でも、それはまだ本と出会っていないだけ。自分に合う本は、絶対にある。あの子に、そう信じさせてもらっています。
いま本が苦手なお子さんについては読書が苦手な小学生が0冊から抜け出す7つのステップを書きました。
このブログに込めた思い
子どもが使う「ことば」は、子どもの世界を大きく広げていきます。
- ことばが増えると、今まで気づかなかったことに気づけるようになります
- ことばが増えると、自分の気持ちを表すことができるようになります
- そして、ことばを通して、人とつながり、さまざまな世界に出会っていきます
ことばの力は、子どもの未来を支える大切な力です。
けれども、子どものことばの力をどう育てていけばよいのか、悩む保護者の方も多いのではないでしょうか。「本を読むのが苦手そう」「語彙が少ない気がする」「うまく気持ちを伝えられない」。そんな様子を見て、少し心配になることもあるかもしれません。
学校だけでは、どうしても足りないのです
このブログを始めたのは、2026年4月です。
学校司書を5年やってきて、家庭での読み聞かせ・読書・声かけが大事だと思ったから始めました。
小学校には図書室があり、図書の時間があり、担任の先生によっては読み聞かせをしてくださったり、読書の時間をとってくださったりします。それでも、学校生活のなかでは、読み聞かせや読書の時間がどうしても足りません。
学校生活は忙しいのです。短い休憩をはさんで何時間も授業があり、移動教室や体育のための着替えなど、休み時間にもやることがあります。本を読む時間は、学校にはあまりありません。
図書室に来て「面白そう」と本を借りていっても、読む時間がなくて読めずに返却する子がいます。そしてやがて、借りなくなります。
できるかぎりのアプローチはしますが、学校だけではカバーしきれません。子どもの周りのすべての大人が、子どもをサポートできたらいいと思っています。
そのうえで、無理せず、頑張りすぎず、家庭に取り入れてほしいと思っています。言葉が育つと、子どもも生きやすくなる。大人も穏やかに過ごせるようになる。家族にとって、いいことだと思っています。
なぜ、ブログという形にしたのか
発信するだけなら、ほかの手段もありました。それでもブログを選んだ理由が、3つあります。
ひとつめは、言葉のことは、言葉で伝えたいと思ったからです。X(旧Twitter)やインスタ、TikTokでは短すぎて、うまく伝えられないと思いました。
ふたつめは、長く保存されることです。流れていかない場所に置いておきたかったのです。
みっつめは、更新時期に関わらず読んでもらえることです。気になったとき、知りたくなったときに、そのテーマの記事を開いてもらえる。子育ての悩みは人によって出てくる時期が違うので、これはブログのいちばんいいところだと思っています。
このブログでお伝えしていること
「司書ママのことば育て」では、学校司書としての現場経験と、一人の親としての実体験をもとに、5つのテーマで記事を書いています。
| テーマ | 書いていること |
|---|---|
| 読み聞かせ | 親子の絆を深めながら、語彙・想像力・集中力を育てる方法 |
| 読書の習慣 | 本好きな子どもの育て方、学年別のおすすめ本 |
| 伝えるちから | 気持ちを言葉にする力、話す・書く力の育て方 |
| 感情を整えるちから | 自分の気持ちを理解して、コントロールする力 |
| AI時代を生き抜くちから | デジタルとの付き合い方、これからの時代に必要な言葉の力 |
最初の1本を選ぶなら、このあたりからどうぞ。
- 読み聞かせ ── 読み聞かせで育つ11の力(育つ力と、育たない力を分けて書きました)
- 読書 ── 読書で育つ10の力
- 伝えるちから ── 「今日どうだった?」に「覚えてない」と返す子が話し出す聞き方
- 感情を整えるちから ── 「嫌だ」しか言わない子が気持ちを話し出す
- AI時代を生き抜くちから ── 「スマホ・ゲームの約束」を守らないのはなぜ?
どこから読めばいいか迷ったら、このブログの歩き方にお子さんの様子別の案内をまとめています。
難しい理論より、明日から使える具体的なフレーズや関わり方を大切にしています。
記事は、こうやって書いています
運営者情報として、書き方も明らかにしておきます。
元になっているもの
- 図書室で見てきたこと——週3日、1年生・2年生・支援級への読み聞かせを続けてきたなかで見た子どもたちの反応
- わが家でやってきたこと——小6と小4の男の子2人への読み聞かせ。うまくいかなかったことも含めて書いています
- 選書で見てきた本——実際に手に取り、子どもに読んだ本だけを挙げています
逆に言えば、試していないことは書きません。「こうすればうまくいきます」と言い切れないところは、そのまま「難しいです」と書いています。
読み聞かせで育つとされる力のうち、正直あまり効かないと思っているものを並べた読み聞かせで育つ11の力が、いちばんその姿勢が出ている記事かもしれません。
広告について
一部の記事には、アフィリエイトリンク(広告)を含んでいます。
ただし、紹介しているのは実際に使ったもの・読んだものだけです。使っていないサービスや、子どもに読んでいない本を、紹介することはありません。
くわしくは免責事項とプライバシーポリシーをご覧ください。
よくいただく質問
言葉を育てることは、子どもの未来を育てること
言葉を身につけて自由に使えるようになるまでには、長い時間がかかります。
ことばは、すぐに大きく変わるものではありません。けれども、毎日の小さな積み重ねの中で、少しずつ豊かに育っていきます。だからこそ、「今日だけ頑張る」ではなく、毎日少しずつの積み重ねがとても大切です。
すごく頑張らなくていいのです。特別なことをしなくていいのです。
読み聞かせを5分、声に出して褒める、一緒に本を選ぶ——小さなことの繰り返しが、確かな力になっていきます。
そして、ことばの力が育つと、子どもの世界は少しずつ広がっていきます。新しいことに興味を持ったり、自分の考えを伝えられるようになったり、人の気持ちを想像できるようになったりします。
このブログが、そんな毎日の「少しのヒント」になれたら、こんなに嬉しいことはありません。子どもたちの世界が、ことばによって少しでも豊かに広がっていくことを願っています。
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司書ママ いちか