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「うちの子、本は読んでいるのに、文章問題になると途端にできなくなるんです……」
そんなお悩みを持つ親御さんは、とても多いです。
本をたくさん読んでいれば、自然と読解力もつくはず——そう思いたいところですが、じつは読書と読解力の間には、もう一つ大切なステップがあります。
この記事では、読書がなぜ読解力につながるのか、その仕組みを丁寧にお伝えしたうえで、読解力が育つ読書の方法、そして本の選び方について、具体的なヒントをご紹介します。
学校司書として多くの子どもたちの読書を見てきた経験を踏まえながら、日常の中で無理なく実践できることをお伝えできればと思います。
小学生の読解力をつけるのに、特別な教材は必要ありません。「語彙」「文章の構造」「行間を読む力」「背景知識」——読解力を支えるこの4つは、読書のしかたと、読んだあとのちょっとした親子のやりとりで、家庭で十分育てられます。
この記事では、その仕組みと具体的な方法を、学年別の目安もあわせてお伝えしていきます。
うちの子、読解力がない?——気づきにくいサイン
「読解力が足りない」というサインは、国語のテストの点数だけに表れるわけではありません。次のような様子はありませんか?
- 本は読んでいるのに、文章問題になると急にできなくなる
- テストで、設問の意味を読み違えて失点することが多い
- 「どんなお話だった?」と聞いても、あらすじをうまく説明できない
- 算数の文章題で、「何を聞かれているのか」がつかめていない
- 音読はすらすらできるのに、内容について質問すると答えられない
じつはこれらは、図書室でもよく見かける姿です。本をよく借りていく子が、必ずしも「読み取れている」とは限りません。
ポイントは、「読める(文字を追える)」と「読み取れる(意味がわかる)」は別の力だということ。すらすら音読できることと、内容を理解できていることの間には、思っている以上に距離があります。

とくに「物語はよく読むのに、説明文になると苦手」というお子さんは多いです。この場合は読む文章の種類のかたよりが関係していることが多いので、以下の記事も参考にしてみてください。

思い当たるサインがあっても、心配しすぎなくて大丈夫です。読解力は生まれつきの才能ではなく、読書のしかたと日々の関わりで育てられる力です。ここから、その仕組みを見ていきましょう。
読解力ってそもそも何?
「読解力」というと、国語のテストの点数をイメージする方が多いかもしれません。でも、読解力はもっと広い力です。
読解力とは、文章の意味を正確に読み取り、内容を理解し、自分の言葉で考える力のこと。
たとえばこんな場面を想像してみてください。
- 説明書を読んで手順を正確に理解できる
- 友だちの手紙から、書かれていない気持ちを汲み取れる
- 理科や社会の教科書をきちんと理解して、自分の言葉でまとめられる
- 算数の文章題で、「何を求めているのか」がすぐにわかる
こうした「生活の中で文章を使いこなす力」のベースになっているのが読解力です。国語だけでなく、算数・理科・社会……あらゆる教科の土台といっても過言ではありません。
そしてこの読解力は、大人になってからも、仕事でも人間関係でも、ずっと使い続けるものです。子どもの頃に育てておくことが、長い目で見てとても大切な投資になります。
読書が読解力を育てる4つの仕組み
「読書をすると読解力がつく」とはよく言われますが、なぜそう言えるのでしょうか。その仕組みを、一つずつ丁寧に見ていきましょう。

① 語彙が増えることで「わかる言葉」が増える
文章を読むためには、まず一つひとつの言葉の意味を知っていることが出発点です。
知らない言葉だらけの文章を読もうとしても、意味がつかめず、全体の理解も難しくなってしまいます。逆に語彙が豊かであればあるほど、初めて読む文章でも「わかる」感覚が広がります。
読書は、この語彙を増やすのにとても効果的な方法です。ポイントは、文脈の中で言葉を覚えられること。辞書で単語を一つずつ覚えるのとは違い、物語や説明文の中で自然に使われている場面を何度も目にすることで、言葉の意味とニュアンスが同時に身についていきます。
たとえば「途方に暮れる」という表現。辞書では「どうしたらよいかわからず困り果てること」と説明されていても、ピンとこないかもしれません。でも、物語の中で登場人物が涙をぽろぽろ流しながら「もうどうすれば……」とつぶやく場面で出会えば、その言葉が持つ重さや温度感まで一緒に体にしみこんでいきます。
こうして語彙が積み重なっていくことで、読める文章の幅がどんどん広がっていくのです。
② 文章の構造を体で覚えていく
本を読み続けることは、同時に文章がどのように組み立てられているかを体で学ぶことでもあります。
説明文には「問いかけ→理由・根拠→まとめ」という流れがあります。物語文には「場面設定→出来事→変化→結末」という構造があります。こうした「文章のかたち」を、何冊もの本を読むことで自然と感じ取れるようになっていきます。
文章の構造がわかってくると、読解がグッと楽になります。「ここまでが理由で、次からがまとめ」「この段落で場面が変わった」——こうした見通しを持ちながら読めるようになると、長い文章でも迷子にならずに読み進められるようになります。
これは意識して教えなくても、読書量が増えることで自然と身についてくるのが素晴らしいところです。
③ 登場人物の気持ちを想像することで「行間を読む」力がつく
物語を読むとき、子どもは無意識に「この子は今どんな気持ちなんだろう?」と想像しています。
セリフに込められた感情、表情の描写、行動の変化——こうしたヒントをもとに、書かれていないことを読み取っていく作業が、まさに読解力の核心部分です。
「行間を読む」という言葉がありますが、これはテストの問題を解くためだけのスキルではありません。友だちの言葉の裏にある気持ちを察したり、先生が何を伝えたいのかを感じ取ったり——人と人との関わりの中でも、日々使っている力です。
物語の読書は、この力を安全に、楽しみながら育てられる場所でもあります。
④ 背景知識が積み重なり、新しい文章を読みやすくなる
「以前読んだ本に似たことが書いてあった」「この言葉、あの話に出てきた!」——こうした経験が積み重なると、新しい文章を読んだときの理解のスピードと深さが格段に違ってきます。
読書で得た知識・体験・感情は、脳の中でつながり合い、次の読書の土台になっていきます。これが「読めば読むほど、もっと読める」という好循環の正体です。
また、教科書に出てくるテーマ(自然、歴史、人間関係、科学など)に事前に触れていると、学校の授業の理解もスムーズになります。読書は、学びの「先行投資」でもあるのです。
読書をしても読解力がつきにくいケース
「ちゃんと本を読んでいるのに……」というとき、どんな読み方になっているか、一度振り返ってみると気づきがあるかもしれません。
◆ ストーリーを追うだけになっている
読書を楽しむことはとても大切です。でも、ページをめくることに慣れてしまうと、内容を深く理解せずに読み流してしまうことがあります。「読んだ」けれど「わかっていない」という状態です。
楽しく読めているのであれば、それはそれで素晴らしいこと。ただ、ときどき「どんな話だった?」と声をかけることで、子どもは内容を整理する機会を持てます。
◆ 知らない言葉をそのままにしている
意味のわからない言葉が出てきたとき、「なんとなく」でスルーし続けると、語彙はなかなか伸びません。すべての言葉を調べる必要はありませんが、気になった言葉に立ち止まる習慣が少しずつ語彙力を伸ばしてくれます。
◆ 同じジャンルの本ばかり読んでいる
好きな本を読むことは大切ですが、物語だけ、あるいはマンガだけに偏りすぎると、説明文の読み取りが苦手なまま、ということも。学校の教科書や試験問題には説明文が多く出てきます。物語と説明文、両方に慣れておくと安心です。
◆ 読書が「読むだけ」で終わっている
読んで終わり、というのは少しもったいないです。感想を話したり、気になったところを書き留めたり——そうした「アウトプット」が加わることで、読んだことが自分の言葉として定着していきます。
読解力が育つ読書の方法
① 読書後の親子のやりとりを大切にする
「どんな話だった?」——このひと言が、読解力を伸ばす最高のトレーニングになっています。
話の内容を自分の言葉でまとめることや、感想を伝えることは、文章を整理して理解する力と直結しています。
「あのシーン、どう思った?」「なんでそうしたんだろうね?」と少し掘り下げてみると、子どもは本の中の出来事を自分ごととして考え始めます。答えを急かさず、子どものペースで話せる雰囲気を大切にしてください。
会話が苦手な子には、「好きだったページはどこ?」「どのキャラクターが好き?」など、簡単に答えられる質問から始めるのもおすすめです。
② 音読を取り入れる
黙読に慣れてきても、ときどき声に出して読む時間を設けると効果的です。
音読することで、子どもは文章のリズムや句読点の位置を体で感じます。どこで息を継ぐか、どこで意味が変わるか——これが「文の切れ目を正確に読む力」につながります。また、難しい言葉も音で聞くことで記憶に残りやすくなります。
1日5〜10分、短い文章を声に出して読むだけで十分です。親御さんが聞いてあげる時間を作れると、子どもの音読への意欲も上がりますよ。
③ 「なぜ?」を引き出す問いかけをする
物語でも説明文でも、「なぜそうなったの?」「どうしてそう思う?」という問いかけは、理由を考える力を育てます。
理由を考えるためには、もう一度本の内容を頭の中で整理する必要があります。これがまさに「読解」の作業そのものです。
毎回でなくてよいのです。読んだあと、ひと言ふた言、こんな会話を挟むだけで、積み重ねは大きくなっていきます。
④ 読書記録をつけてみる
読んだ本のタイトル、一言感想、印象に残った言葉——こうしたことを書き留める読書記録は、読解力を育てるだけでなく、子どもの成長記録にもなります。
難しく考えなくてよいのです。ノートに一言書くだけでも、スタンプを押すだけでも。「本を読んだあとに何かする」という習慣が、読書をより深いものにしてくれます。

⑤ 「どんなお話だった?」とあらすじを聞いてみる
読み終えた本について、「どんなお話だった?」と聞いてみてください。これだけで、じつは要約の練習になります。
一日の出来事を話すのと同じで、お話の内容を人に伝えるには、頭の中で「何が大事だったか」を選び、順番に並べ直す作業が必要です。これはまさに、国語のテストで問われる「要点をつかむ力」そのものです。
最初は「えっとね、なんか、たたかって、勝った!」くらいでも大丈夫。うまく説明できなくても、言い直させたり、正解を求めたりしないことが大切です。「へえ、誰とたたかったの?」と楽しそうに聞き返してあげると、子どもは少しずつ言葉を足していきます。この「聞いてもらえた」という経験の積み重ねが、内容を整理しながら読む習慣につながっていきます。
⑥ 辞書をリビングに置いておく
知らない言葉をそのままにしないための、いちばん簡単な仕掛けが「辞書を手の届くところに置いておくこと」です。
子ども部屋の本棚ではなく、リビングのすぐ手に取れる場所に。「ねえ、『おもむろに』ってどういう意味?」と聞かれたときに、「なんだろうね、引いてみようか」と一緒に開けます。
大切なのは、辞書引きを宿題や勉強にしないこと。「言葉の意味がわかると、読んでいるものがもっと面白くなる」という体験として積み重なると、語彙は自然と増えていきます。語彙力と読書の関係については、読書で語彙力が伸びる理由の記事でくわしくお伝えしています。

⑦ 読んだことを「一言」書いてみる
読書感想文のような長い文章ではなく、ほんの一言でいいので「書く」ことを取り入れてみるのもおすすめです。
「おもしろかったところ:ドラゴンが仲間になったところ」——この程度で十分です。読書記録の端に一言添える形でも構いません。
読んで理解したことを、今度は自分の言葉にして外に出す。この「入れる→出す」の往復が、読みっぱなしで終わらせない読書をつくります。書くことに慣れてくると、文章を読むときにも「書き手はここで何を言いたいんだろう」という視点が自然と生まれてきます。
学年別・読解力の育て方の目安
読解力の育て方は、学年によって力を入れたいポイントが変わります。目の前のお子さんに合わせて、無理のないところから取り入れてみてください。

低学年(1〜2年生):「正確に読む」土台をつくる時期
この時期にいちばん大切なのは、読み聞かせと音読で「文字を正確に追い、言葉のまとまりで意味をつかむ」土台をつくることです。
読み聞かせは、まだ自分では読めない文章の語彙や言い回しを耳から蓄えられる、この時期ならではの読解力の栄養です。「もう1年生だから自分で読ませないと」と急ぐ必要はありません。読み聞かせと一人読みは、しばらく並行していて大丈夫です。
音読の宿題は、読解力の面でもとても理にかなっています。飛ばし読みやなんとなく読みでは音読できないので、一字一句を正確に読む練習になるからです。聞くときは間違い探しではなく、「読んでくれてありがとう」の気持ちで。
中学年(3〜4年生):「行間を読む」力を育てる時期
一人読みが安定してくる中学年は、登場人物の気持ちを想像しながら読む——つまり「行間を読む」力が伸びる時期です。
読んだ本について「このとき、主人公はどんな気持ちだったんだろうね」と、正解のない会話をする機会をつくってみてください。親子の何気ないやりとりが、そのまま読解のトレーニングになります。
このころは読む力に個人差が出やすく、本から離れてしまう子も出てくる時期です。お子さんが自分から本を手に取らなくなってきたと感じたら、読み聞かせから一人読みへの移行の記事を参考にしてみてください。

高学年(5〜6年生):「構造をつかむ」読み方へ広げる時期
高学年になったら、物語に加えて説明文・ノンフィクション・新聞などにも読む範囲を広げたい時期です。
物語で育つ「気持ちを想像する力」に対して、説明文で育つのは「筆者の主張と根拠を整理しながら読む力」。中学以降の学習やテストで問われるのは、後者の比重がぐっと大きくなります。
とはいえ、急に難しい評論を渡す必要はありません。子ども新聞や、興味のある分野のノンフィクションなど、「知るのが楽しい」文章から始めるのがおすすめです。物語と説明文のバランスの取り方は、「本+新聞」のバランス読書の記事でくわしく紹介しています。

読解力が育つ本の選び方——これが大切です
読書習慣をつけること以上に、どんな本を読むかが読解力の育ちに大きく影響します。ここでは、本選びのポイントを詳しくご紹介します。
ポイント① 「読みたい!」という気持ちを最優先にする
何より大切なのは、子どもが「読みたい!」と思える本であること。これは絶対に外せない条件です。
興味を持って読んだ本は、内容の理解度も記憶への定着も全然違います。「レベルが低い」と思う本でも、子どもが選んだなら読ませてあげてください。好きなテーマや好きなキャラクターの本から始めることが、読書習慣の出発点になります。
ポイント② 少しだけ「背伸び」した本を混ぜる
読める本だけを読み続けることも大切ですが、ときどき今の読書レベルより少し難しい本にチャレンジすることが、読解力の成長につながります。
全部わかろうとしなくていいのです。「雰囲気はつかめた」「この部分はわかった」という体験を積み重ねることで、難しい文章への耐性と読み解く力が育っていきます。
目安は「10の言葉のうち7〜8わかる」くらいの本。親御さんが一緒に読んで、難しいところを一緒に考えてあげられると理想的です。
ポイント③ 物語と説明文、両方に慣れる
読解力を育てるためには、物語(フィクション)だけでなく、説明文・ノンフィクション系の本にも慣れておくことが大切です。
学校の教科書や試験問題の多くは説明文です。物語の読み方と説明文の読み方は少し違いますが、両方に慣れることで、どんな文章でも対応できる柔軟な読解力が育ちます。
科学の本、歴史の本、動物や自然に関する本など、子どもの興味があるテーマから入ると読みやすくなります。
ポイント④ シリーズ本を活用する
同じシリーズを読み続けることには、読解力育成の観点からも大きなメリットがあります。
登場人物や世界観が共通しているので、次の本を読むハードルが低いのです。また、シリーズを重ねるごとに文章量や語彙の難しさが上がっていくものも多く、自然にスモールステップで読書力が育っていきます。
「本を読み終えたとき」の満足感が次の読書への意欲になります。シリーズの続きが気になって「早く次が読みたい!」という気持ちが生まれたら、しめたものです。
ポイント⑤ 図書館や本屋さんで「自分で選ぶ」体験を大切にする
本は、できるだけ子ども自身が選ぶ機会を作ってあげてください。
図書館や本屋さんに一緒に行き、棚を眺めながら「気になるタイトルある?」「表紙が好きな本は?」と声をかけてみる。それだけで、子どもは本との出会いを楽しみ始めます。
図書館では、司書さんに「こんな話が好きで……」と相談するのもとてもおすすめです。子どもの好みや読書レベルを伝えると、ぴったりの本を紹介してもらえることが多いですよ。
ポイント⑥ 登場人物の気持ちが丁寧に描かれた物語を選ぶ
読解力、特に「行間を読む力」を育てるためには、登場人物の心情が丁寧に描かれた物語が効果的です。
心理描写が豊かな物語を読むことで、言葉にならない感情や複雑な気持ちを感じ取る練習ができます。感情語彙も自然に増えていきます。
キャラクターが悩んだり、葛藤したり、成長したりする物語は、子ども自身の気持ちの整理にも役立ちます。
ポイント⑦ 「読み終えやすい長さ」を意識する
読書習慣をつける段階では、読み終えやすい長さの本を選ぶことも大切です。
長くて途中で挫折してしまうと、読書への苦手意識につながることがあります。最初は薄めの本や短編集から始めて、読み終えた達成感を積み重ねるのが理想的です。
「一冊読めた!」という体験が、次の本への意欲になります。
図書室で見てきた「読解力が伸びる子」の共通点
ここで、学校司書として図書室で子どもたちと接するなかで感じてきた、「読解力が伸びていく子」に共通する姿を紹介します。
同じ本を何度もくり返し読む
「また同じ本?」と心配される親御さんは多いのですが、くり返し読む子は、1回目はストーリーを、2回目は細かい描写を、3回目は登場人物の気持ちを——と、読むたびに違う深さで読んでいます。同じ本をくり返し読むことは、じつは精読の入り口です。
読んだ本のことを誰かに話したがる
「先生、この本ね……」と、返却のときに内容を話してくれる子がいます。人に話すには、内容を頭の中で組み立て直す必要があるので、これは要約と表現の練習を自分からやっているようなものです。ご家庭でお子さんが本の話を始めたら、少し手を止めて聞いてあげてください。
「わからない」を放置しない
意味のわからない言葉や、腑に落ちない場面に出会ったとき、「ねえ、これどういうこと?」と聞きに来られる子は伸びます。大切なのは、聞いたときに「そんなことも知らないの」と言われない安心感があること。ご家庭でも、子どもの「これなに?」に付き合う時間が、読解力の土台を静かに支えています。
読書と並行して使いたいサービス
お子さんの読書をもっと楽しく、無理なく続けるために、こんなサービスも活用してみてはいかがでしょうか。
ヨンデミーは、AIがお子さんの読書レベルや好みに合わせて本をおすすめしてくれるオンライン読書指導サービスです。「どんな本を選べばいいかわからない」というお悩みを、AIが一人ひとりに合わせて解決してくれます。
司書としても、子どもが「自分に合った本」に出会える環境の大切さを日々実感しています。本選びに迷ったとき、ぜひ一度試してみてください。

読解力についてよくある質問
最後に、読解力について親御さんからよくいただく質問にお答えします。
Q. 読解力のドリルや問題集は、やらせたほうがいいですか?
ドリルには「設問の読み方」「答えの探し方」といった解き方の型を学べるよさがあり、テスト対策としては有効です。ただし、読む体験の土台がないうちにドリルだけを重ねると、「国語=つまらない作業」になってしまいがちです。
順番としては、まず読書で「読むことは楽しい」という土台をつくり、そのうえで必要に応じてドリルで型を学ぶ——この順がおすすめです。ドリルは読書の代わりにはなりませんが、読書とドリルは対立するものでもありません。
Q. マンガや図鑑ばかり読んでいます。読解力はつきますか?
マンガや図鑑も、立派な読書の入り口です。図鑑で得た知識は文章を読むときの背景知識になりますし、マンガにもストーリーを追い、セリフから気持ちを読み取る要素があります。
ただ、文章ならではの「言葉だけで場面や気持ちを想像する」経験は、やはり活字の本で育ちます。マンガを取り上げるのではなく、好きなマンガのノベライズ版や、図鑑で好きになった分野の読みものなど、今の「好き」から活字への橋をかけてあげるのが司書としてのおすすめです。
Q. もう高学年ですが、今からでも間に合いますか?
間に合います。読解力に「手遅れ」はありません。
むしろ高学年は、それまでに積み上がった知識や経験があるぶん、興味に合う本と出会えたときの吸収力は低学年よりずっと大きいです。大切なのは、学年相当の「読むべき本」から入らないこと。少し易しいと感じるくらいの、本人が面白がれる本から始めるのが、遠回りに見えていちばんの近道です。
まとめ:読解力は「読書×関わり方」で家庭で育てられる
読書が読解力を育てる仕組みは、大きく4つです。
1. 語彙が増えることで文章を理解しやすくなる
2. 文章の構造を自然と体で覚えていく
3. 登場人物の気持ちを想像することで行間を読む力が育つ
4. 背景知識が積み重なり、新しい文章が理解しやすくなる
そして、読解力をしっかり育てるために大切な本の選び方のポイントをまとめると、こうなります。
- 「読みたい!」という気持ちを最優先にする
- 少し背伸びした本を混ぜる
- 物語と説明文、両方に慣れる
- シリーズ本を活用する
- 子ども自身が選ぶ体験を大切にする
- 心情描写が豊かな物語を選ぶ
- 読み終えやすい長さを意識する
また、この記事でお伝えした「読み方」のポイントも振り返ってみてください。
- 「読める」と「読み取れる」は別の力。音読できていても安心しない
- あらすじを聞く・辞書をそばに置く・一言書く——読んだあとのひと工夫が読書を読解力に変える
- 低学年は「正確に読む」、中学年は「行間を読む」、高学年は「構造をつかむ」が目安
- ドリルより先に、「読むのが楽しい」という土台づくりを
特別な教材がなくても、日常の読書の中にたくさんのヒントがあります。今日から、本選びのひと工夫と、読み終えたあとのひと言の会話を始めてみませんか?
小さな積み重ねが、お子さんのことばの力をしっかりと育ててくれます。
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