読書で学力が伸びる理由|読解力だけではない9つの力を司書が解説

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目次

こんな方におすすめの記事

学習机で本を読んでいる小学生の男の子
  • 子どもの勉強に読書が本当に役立つのか知りたい方
  • 算数や理科の成績が伸び悩み、読解力が原因かもしれないと感じている方
  • 「本を読む子は頭がいい」と聞くけれど、本当なのか知りたい方
  • 子どもに読書習慣をつけたいけれど、何から始めればよいかわからない方

読書をすると学力が向上する

教室で先生の説明を理解してうなずいている小学生

読書をすると、国語だけでなく、算数・理科・社会の成績もよくなります。

これは感覚的な話ではなく、国内外の複数の研究によって裏付けられている事実です。文部科学省が委託した調査研究(静岡大学、平成21年度)では、読書活動と国語・算数の学力調査結果との間に関連があることが示されています。また、猪原敬介ら(2015年、日本教育心理学会『教育心理学研究』63巻3号)による小学1〜6年生992名を対象とした研究でも、読書量と語彙力・文章理解力の正の相関が確認されています。

研究の話だけではありません。中学受験塾の浜学園は、2025年8月から小学1年生のマスターコースで読書アプリ「ヨンデミー」を必修にしています。導入半年の分析では、週4日以上活用した層で国語の偏差値が平均4ポイント上がったと報告され、1年間ではのべ993人で81,293冊、約5億文字が読まれました。

公表された保護者の声も、具体的な変化でした。「1日1冊読むようになり、公開テスト・復習テストが10〜15点上がった」(小1)、「公開学力テストで国語が満点だった」(小3)。勉強の時間を増やしたのではなく、家で読む本が増えた結果だという点が、この記事でお伝えしたいことと重なります。(出典:浜学園×ヨンデミー 1年間の成果

なぜ読書が学力を高めるのか。その理由は「読解力が上がるから」という一言では到底語りつくせません。本を読むことは、学力のあらゆる側面に、9つの方向から働きかけています。なお、読書で育つのは学力だけではありません。勉強以外の面は読書で育つ10の力にまとめてあります。次のセクションでは、その9つの力をひとつひとつ丁寧に見ていきます。


読書が学力を高める9つの力

図書室で背伸びをして棚から本を取ろうとしている女の子

▶ 基礎——言葉と集中の土台

① 語彙力が増える

読書で育つ語彙力は、すべての教科の理解に直結します。

日常会話では出会わないような言葉が、本の中にはたくさん出てきます。「胸が高鳴る」「しんみりとした」「なんとも言えない心細さ」——こうした表現に文脈の中で繰り返し触れることで、言葉の意味が自然と体に入っていきます。

辞書で単語帳を作って覚えた言葉より、物語の流れの中で出会った言葉のほうが、はるかに記憶に定着しやすいのです(この仕組みは本を読んでいるのに語彙が増えない子へでくわしく扱っています)。猪原敬介ら(2015年、日本教育心理学会『教育心理学研究』63巻3号)が関東・中国・関西の小学校3校の1〜6年生992名を対象に行った研究でも、読書量のあらゆる指標と語彙力・文章理解力の間に正の相関があることが確認されています。語彙が豊かになればなるほど、わかる文章が増え、すべての教科の理解がスムーズになっていきます。

② 読解力が育つ

文章の意味を正確に理解し、書かれていない意図まで読み取る力が育ちます。

読解力については、9つの力の中でも全教科への影響が特に大きいため、後ほど詳しく説明します。読書で読解力が育つ仕組みそのものは小学生の読解力のつけ方にまとめました。

③ 集中力が育つ

一冊の本を読み続けることは、集中力を鍛える最良のトレーニングです。

本を読むとき、子どもは映像も音もない活字の世界に、自分の力だけで没入します。この「能動的に集中する体験」の積み重ねが、授業中に先生の話を聞き続ける力や、テストで問題文に集中する力へとつながっていきます。

スマホやゲームが「次々と刺激を与えてくる」のとは対照的に、本は「自分が読み進めなければ何も起こらない」メディアです。この能動性こそが、集中力を育てるカギになっています。集中力の話は読書で集中力が育つ理由で掘り下げました。


▶ 応用——知識・思考・表現へ広がる

④ 知識が増える

読書によって積み重なる多様な知識が、新しいことを学ぶスピードを上げます。

「知っていること」が多ければ多いほど、新しい情報は既存の知識に結びついて理解しやすくなります。「あ、これはあの本に出てきた話と同じだ」という体験が、理科や社会の授業での理解をぐっと深めてくれます。

物語を通じて歴史の一場面を知ったり、科学の入門書で自然の仕組みを学んだり——読書で得た知識は教科を横断して活きていきます。

⑤ 考える力が育つ

「なぜそうなったのか」「主人公はどう感じたのか」と考え続ける体験が、思考力を鍛えます。

良い物語は、答えを教えてくれません。物語の展開の中で「どうしてこうなったんだろう」「もし自分だったら……」と自然に考えさせてくれます。こうした能動的な思考のくり返しが、論理的に考える力・批判的に考える力の土台になっていきます。

⑥ 作文力・表現力が育つ

豊かな語彙と多様な文章表現に触れ続けることで、書く力・伝える力が育ちます。

「感動した」「すごかった」——語彙が少ないと、気持ちや考えを言葉にしようとしても同じ表現ばかりになってしまいます。読書によって表現の引き出しが増えると、作文・発表・話し合いなど、あらゆる場面で自分の考えを豊かに言葉にできるようになっていきます。伝える力の全体像は読書が育てる「言語力」とは?にあります。


▶ 結果——学びへの姿勢が変わる

⑦ 授業がわかりやすくなる

語彙・背景知識・集中力が揃うことで、授業そのものの質が変わります。

先生の説明を聞いてすぐに理解できる。板書の言葉の意味がわかる。教科書を読んで内容がつかめる——読書によって育つ力は、授業での理解に直接つながっています。読書は「教科の外の活動」ではなく、すべての教科学習の土台を育てているのです。

ヨンデミーはこれを「学習の基礎体力」と呼んでいます。読む練習を重ねると文字の解読が自動化されて脳に余裕が生まれ、その余裕を「考える」「想像する」に回せるようになる、という説明です。包丁と同じで、最初は手元に全神経を使うけれど、慣れれば献立や味付けまで考えられるようになる——読むことにも、同じ段階があります(ヨンデミー公式note「地頭の9割は読む力」)。

授業がわかりやすくなるのは、急に頭がよくなったからではありません。読むことに使っていた力が、空いたからです。

⑧ 学習への抵抗感が減る

「活字を読む」ことへの慣れが、勉強そのものへの取り組みやすさを変えていきます。

本に親しんでいる子どもは、教科書の説明文や問題文を「読まなければならないもの」ではなく、「読めるもの・わかるもの」として受け取れる下地があります。「勉強が嫌い」という子の中には、「文章を読むこと自体がしんどい」という子が少なくありません。読書習慣があると、その壁がなくなるのです。

⑨ 自分で学ぶ力が育つ

「知りたい」という気持ちが、自発的な学びの原動力になります。

読書は、誰かに「読みなさい」と言われて読むより、自分が「面白い」「もっと知りたい」と思って読んだときに最も力になります。この「自分から求める」読書体験の積み重ねが、自ら課題を見つけて取り組む自律的な学び手を育てていきます。「主体的に学ぶ力」は、これからのAI時代にますます重要になるスキルです。この点は「ネットで調べればいい」と言う子に何と答える?で扱っています。


読解力とは何か——9つの力の中で特に重要な力

本の一行を指でたどりながら考えている小学生の男の子

読解力は、9つの力の中でも特に全教科への影響が大きいため、ここで詳しく説明します。

読解力とは、文字を読む力ではなく、文章の意味を正確に理解し、筆者の意図や情報の構造を把握する力のことです。

「うちの子、本は読めるんですけど……」という場合、「文字を読む力」はあっても「文章を理解する力」がまだ育っていない状態のことがあります。これは決して珍しいことではありません。

読解力は大きく、次の4つの力から成り立っています。

  • 語彙力——言葉の意味を正確に知っている
  • 解釈力——文章の構造(序論・本論・結論など)を把握できる
  • 要約力——内容を自分の言葉でまとめられる
  • 速読力——限られた時間の中で意味を取り出せる

なぜ読解力がすべての教科の土台になるのか

教科書そのものが、子どもの「読む力」を前提に書かれているからです。

オンライン読書教育のヨンデミーが、小学校の教科書の文章の難しさを「ヨンデミーレベル(YL)」という独自の指標で分析しています。数字が大きいほど文章が難しいという意味で、子どもの読む力も同じ物差しで測れます。

学年子どもの読む力国語算数理科社会
小111〜321818
小217〜372230
小322〜4230303030
小427〜4635353542
小531〜5042353542
小634〜5348424248
数値はすべてYL。出典:ヨンデミー公式note(第1回)同(第2回)の図をもとに作成。理科・社会は小3から始まります

意外だったのが算数です。小学2年生の時点で、算数の教科書(YL30)は国語の教科書(YL22)を上回っています。「うちの子は算数が苦手」の正体が、計算ではなく文章だった——ということが起こり得るわけです。

そして小学4年生の社会。教科書はYL42ですが、4年生の子どもの読む力はYL27〜46です。読む力がYL27の子にとっては、15も上の文章ということになります。公式の分析でも、小4の社会は2/3以上の子にとって難しいレベルという結果でした。

国語には読解の授業があり、先生が読み方をていねいに教えてくれます。でも算数・理科・社会に、それはありません。だから読む力の差がいちばん出るのは、むしろ国語以外の教科なのです。

算数——文章題の「意味」を読み取る力

算数の文章題が解けない原因の多くは、計算力の不足ではなく、問題文の読み取りにあります。

「3人に4個ずつ配るとき、全部で何個いるでしょう」

この問題を正しく解くには、「3人」「4個ずつ」「全部で」という言葉の意味と関係を正確に理解しなければなりません。文部科学省が委託した「読書活動と学力・学習状況の関係に関する調査研究」(静岡大学、2011年)でも、読書活動と算数の学力調査結果との関連が示されており、読解力の弱さが算数の文章題の正答率に影響することは広く指摘されています。

理科・社会——説明文を読む力

理科の問題文には「実験の手順」「条件の説明」など、論理的な構成を持つ文章が登場します。社会では「歴史の流れ」「地理の説明」など、情報量の多い文章を正確に読み取る力が求められます。「読んで理解する力」がなければ、知識を正しく吸収することもできません。説明文に慣れる方法は物語+子ども新聞で読解力を伸ばすにまとめました。

全教科に共通する「問題文を読む力」

「〜を求めなさい」「〜について説明しなさい」「〜の理由を書きなさい」という指示を正確に読み取れなければ、知っていても正しく答えられません。読解力は、学力全体を支える基礎力です。

読解力不足のサインを知っておこう

以下のような様子が気になる場合、読解力の発達を支えるサポートが効果的かもしれません。

  • 算数の文章題で「何を聞かれているかわからない」という
  • テスト後に「問題文の意味を間違えた」が多い
  • 本を読み始めても途中でやめてしまうことが多い
  • 物語を読んでも「どんな話だった?」と聞くと「わからない」と言う
  • 教科書の説明文を読んでも内容を頭に入れられない

これらは「頭が悪い」のではなく、「読解力がまだ発達途中」のサインです。どこから手をつけるかは小学生の読解力のつけ方を参考にしてください。


ただし、学力を支えるのは読解力だけではありません。語彙力・思考力・知識なども相互に影響し合っています。読解力が上がれば語彙が増え、語彙が増えれば読解力がさらに伸びる——この好循環が、読書習慣のある子どもの学力を着実に押し上げていくのです。

読解力が育つ具体的な読書方法については、こちらの記事もあわせてご覧ください。

https://ichica-kotoba.com/dokkai-chikara-shikumi-yomikata/


読書量と読解力——どのくらい読めばいい?

ソファでくつろぎながら本を読む女の子と積まれた本

ベネッセが行った追跡調査によると、読書時間が「5〜15分」「30分」程度の層の子どもが読解力の得点で高い傾向があり、「まったく読まない」または「1時間以上」の層では得点が低い結果が出ています。

つまり、毎日少しずつ継続的に読むことが、読解力向上に最も効果的だということ。「休日に3時間まとめて」より「平日に15分ずつ毎日」のほうが力がつきやすいのです。

また、読書の効果は「すぐには現れない」という点も知っておきたいところです。語彙力や読解力への影響が出てくるのは、読書を始めてから約1年後というデータもあります。焦らず、長い目で見て続けることが大切です。

読書時間の目安と「読みすぎが逆効果になる理由」については、こちらの記事でくわしく解説しています。

https://ichica-kotoba.com/dokusho-jikan-30pun/


物語だけじゃ足りない?説明文にも慣れておきたい理由

新聞を広げて指さしている小学生と横からのぞきこむ母親

読書習慣がある子でも、「物語ばかり読んでいる」というケースは少なくありません。

実は学校のテストでは、説明文を読む力も非常に重要です。テストに出てくる文章の約半分は説明文・情報文であることを考えると、物語だけを読んでいると「説明文の読み方」が育ちにくいという盲点が生まれます。

物語を読むときの「感情や場面を追う読み方」と、説明文を読むときの「情報と論理の構造を読み取る読み方」は、実は異なるスキルです。「国語の物語文は得意なのに、説明文が苦手」「理科や社会の教科書が頭に入りにくい」という場合、この説明文読解力の差が原因であることがよくあります。

子ども新聞が説明文の力を補う

手軽に説明文・情報文に触れるのに最も適したメディアのひとつが、子ども向けの新聞です。新聞記事は「見出しで要点を伝え、本文で事実と背景を説明し、最後にまとめる」という構成が徹底されており、この構成に慣れることで説明文の論理的な流れを読み取る力が自然と育っていきます。

読売KODOMO新聞(週刊・月550円)は絵やマンガも豊富で、説明文に慣れていない子でも取り組みやすいのが特徴です。朝日小学生新聞(日刊・月2,500円)は、毎日読む習慣がついてきた高学年や読書量のある子どもにおすすめです。

物語と新聞のバランス読書については、こちらの記事でくわしく解説しています。

https://ichica-kotoba.com/kodomo-dokkai-hon-shinbun-balance/

読売KODOMO新聞

朝日小学生新聞


本選びに悩んだら——「ちょうどいい本」を選ぶ3つの条件

図書室で2冊の本を見くらべている小学生の男の子

読書で学力を高めるには、ただ本を読めばいいわけではありません。大切なのは、どんな本を、どのように読み続けるかです。

司書として多くの子どもたちの読書を見てきて、学力につながる読書には3つの条件があると感じています。

条件 なぜ大切か
① 面白いと思える本 読む意欲がなければ続かない。楽しいから続けられる
② 少しだけ難しい本 知らない言葉・新しい考えに出会うことで語彙力・思考力が伸びる
③ 継続して読み続ける 効果は積み重ねによって現れる。単発では力にならない

この3つが揃ったとき、読書は最も大きな力を発揮します。

ヨンデミーが解決すること

私自身、学校司書として「あと一冊が見つからなくて読書が止まってしまう」子を何人も見てきました。本の前で立ち止まって、結局何も借りずに帰ってしまう——そういう子ほど、実は本が嫌いなわけではないのです。

毎回、本を選ぶのが一番難しい。これは、プロの司書として現場にいる私の正直な実感です。

  • 子どもが「面白い」と思う本の傾向はその子によって違う
  • 「少しだけ難しい」という絶妙なラインを見極めるのは難しい
  • 「次は何を読もう?」で止まってしまうと継続が途切れる

ヨンデミー(Yondemy)は、子どもの読書記録をもとにAIが「ちょうどいい一冊」を提案してくれるサービスです。「楽しい×少し難しい×続けられる」という3つの条件を、AIが自動的に調整してくれます。

SAPIX・浜学園・伸学会・文京区など多くの教育機関でも採用されているサービスで、読書指導の専門知識をデジタルで実現した仕組みに、私自身も信頼を感じています。

ヨンデミーを兄弟で使った正直レビューはこちら

https://ichica-kotoba.com/yondemy-review-shisho-mama/


読解力を育てるおすすめの本

司書として、読解力を育てる上で特に力になると感じている本をご紹介します。

『モモ』ミヒャエル・エンデ 著

時間どろぼうと戦う少女モモの物語。抽象的な概念(時間、人生の豊かさ)を読み解く体験ができる不朽の名作です。読み終えた後に「何が大切だったか」を話し合うことで、読解力と思考力が同時に育ちます。

『ぼくらの七日間戦争』宗田理 著

長文でも読み進められる「読む体力」をつけるのに最適な一冊。高学年から特に人気で、シリーズを通して読む楽しさも体験できます。

『注文の多い料理店』宮沢賢治 著(青い鳥文庫)

短編集なので読む習慣をつけ始めた子にも取り組みやすく、国語の教科書とのつながりも作りやすい一冊です。

『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』新井紀子 著(保護者向け)

「なぜ子どもたちは読解力がないのか」をAI研究者の視点から分析した一冊。読解力の重要性を保護者が深く理解するための本として多くの方に読まれています。


よくある質問

読書だけで成績は上がりますか?

読書は学力の「土台」を育てますが、教科勉強の代わりにはなりません。語彙力・読解力・思考力・集中力といった根っこを育てるのが読書の役割で、テストで点を取るには教科ごとの知識と解き方の練習も必要です。「勉強の質を高める下地づくり」と考えてください。長期で見ると、読書習慣がある子のほうが学力の伸びが安定しやすい傾向があります。

漫画でも効果がありますか?

知識や興味の広がりには効果がありますが、語彙力・読解力については別物と考えてください。漫画は絵が情報の多くを補うため、活字を読む力は育ちにくい面があります。漫画から自然に活字へ移ることも、実際には多くありません。くわしくは漫画ばかり読む小学生は読書に入る?に書きました。

勉強と読書は、どちらを優先すればいいですか?

テスト前は勉強、普段は読書というメリハリで大丈夫です。読書の効果はすぐには現れず、語彙力や読解力に影響が出るのは継続して約1年後というデータもあります。逆に言えば、テスト週に読書を休んでも大きなダメージにはなりません。

毎日何分読めばいいですか?

目安は毎日15〜30分です。学力への効果が高いのはこの範囲の継続的な読書で、1時間以上になると効果の伸びは鈍化します。時間がない日は10分でもかまいません。長さより継続です。目安のくわしい話は小学生の読書時間は何分が効果的?にまとめました。

読書はしているのに、国語の成績が上がりません。

物語ばかり読んでいる可能性があります。テストで出るのは説明文や論説文で、物語とは読み方が違います。物語で育つのは登場人物の心情を追う力、説明文で必要なのは論理の構造をつかむ力です。この差の埋め方は「本は読むのに国語が苦手」の原因と対策にくわしく書きました。

算数の文章題が苦手です。読書で変わりますか?

時間はかかりますが、土台としては効きます。文章題が解けない原因の多くは計算力ではなく、問題文の読み取りです。ただし読書は即効薬ではないので、当面は「問題文を声に出して読む」「何を聞かれているか言い直させる」といった直接的な練習も並行してください。

タブレット学習を始めたら、読書の時間がなくなりました。

両立できます。タブレット学習と読書は競合するものではなく、時間の置き場所を決めれば共存します。実際に兄弟で使ってみた話はチャレンジタッチで読書は減る?にまとめました。

学力以外に、読書で育つ力はありますか?

あります。むしろそちらのほうが幅は広いです。共感力、メンタルの安定、感性、視野の広さ、情報を見きわめる力。勉強以外の面については読書で育つ10の力にまとめました。この記事はそのうち「学力」を掘り下げたものです。


まとめ:読書は「すべての教科の土台」を育てる投資

本を数冊抱えて笑顔で歩いている小学生の女の子
  • 読書が学力を高めるのは「読解力・語彙力・考える力」が同時に育つから。国語だけでなく、算数・理科・社会でも効果は発揮される
  • 9つの力は「基礎→応用→結果」の順に積み上がる——語彙・読解・集中が土台となり、知識・思考・表現が広がり、授業理解・学習意欲・自学自習という結果につながる
  • 読解力は全教科に影響する力だが、語彙・思考・知識とも相互に育つ。好循環が積み重なって学力が伸びる
  • 毎日15〜30分の継続が最も効果的。長時間より短時間継続のほうが力がつく
  • 物語だけでなく説明文(子ども新聞など)も読む習慣が、テスト対応力を補う
  • 「面白い×少し難しい×継続」の3条件が揃ったとき、読書は最も力を発揮する

テストの点数だけでなく、考える力・伝える力・学び続ける力のすべてが、読書によって育まれます。

今日から、お子さんと一緒に図書館へ行ってみませんか。「この表紙、なんか気になる」という子どもの直感が、読書への扉を開いてくれます。


子どものことば・コミュニケーション・読書の力を育てるヒントを発信しています。

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この記事を書いた人

小学校で学校司書をしています。毎日子どもたちと図書室で過ごす中で感じること——それは言葉を育てることの大切さです。
読み聞かせ・読書・親子の会話・AI時代との向き合い方など、ご家庭でできる「ことば育て」のヒントを発信しています。
難しいことは何もありません。毎日少しの積み重ねで、子どもの言葉はぐんぐん育ちます。

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