こんな方におすすめの記事
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- 読書のことで今困っていることがあり、合う記事を探したい(すぐ下の早見表から選べます)
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この記事は、自分で本が読めるようになってきた小学校中学年〜高学年のお子さんの保護者の方に向けて書いています。まだ読み聞かせが中心のご家庭には、読み聞かせは意味ない?「効果がない」と感じたときに知ってほしいこと|学校司書が正直に答えますのほうが役に立つと思います。
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「本を読むと、いいことがあるよ」。そう言ったあと、「どういいの?」と聞き返されて困ったことはありませんか。
学校司書として図書室で子どもたちを見ていると、本を読む子と読まない子のちがいは、テストの点よりもっと広いところに出ています。気持ちを言葉にできる。友だちの事情を想像できる。しんどい日に、自分で自分を立て直せる。どれも成績表には出てきません。
この記事では、読書で育つ10の力を短くまとめ、それぞれをくわしく書いた記事へご案内します。先にお伝えしておくと、家庭でやることはひとつだけです。その子が夢中になれる1冊を、切らさないこと。力を育てようとして読ませると、たいてい逆効果になります。
今、困っていることから探す
読書の悩みは、お子さんの今の様子によって答えがちがいます。いちばん近いものを選ぶと、その悩みだけをくわしく書いた記事に移動できます。
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とくに困っていることはなく、「そもそも読書で何が育つのか」を知りたい方は、このまま下へ読み進めてください。
読書で育つ力は、勉強のための力だけではありません
10の力を先にまとめておきます。大きく4つのグループに分かれます。
力の名前を押すと、その力をくわしく書いた記事にそのまま移動できます。気になる力がある方は、ここから飛んでいただいてかまいません。
| 育つ力 | ひとことで言うと | グループ |
|---|---|---|
| ① 語彙力 | 知っている言葉が増える | ことばの力 |
| ② 読解力 | 書かれていることを理解する | ことばの力 |
| ③ 伝える力 | 相手にわかる形で話せる | ことばの力 |
| ④ 共感力 | 相手の気持ちがわかる | 心の力 |
| ⑤ メンタルを安定させる力 | 気持ちを立て直せる | 心の力 |
| ⑥ 感性 | 気づく、感じる、味わう | 心の力 |
| ⑦ 視野を広げる力・多様性を理解する力 | 自分とちがう人生があると知る | 世界を広げる力 |
| ⑧ 情報を見きわめる力 | 「本当にそう?」と立ち止まれる | 世界を広げる力 |
| ⑨ 集中力 | 目の前のことを続ける | 学びを支える力 |
| ⑩ 学力 | すべての教科の土台になる | 学びを支える力 |
こうして並べてみると、勉強に直接つながるのは下の2つだけです。読書の効果の大半は、成績表に出ないところに出ています。
そして、これらはバラバラに育つのではありません。あとでくわしく書きますが、語彙が増えると読めるようになり、読めるようになると人物の気持ちがわかるようになり、気持ちがわかるようになると自分の気持ちも整理できるようになります。ひとつが動くと、となりも動きます。
ことばの力
① 語彙力——知っている言葉が、考えられることの範囲を決めます
読書で最初に育つのが語彙力です。ただ、語彙は「本を読めば自動的に増える」ものではありません。図書室には、毎週たくさん借りていくのに、話す言葉があまり変わらない子もいます。同じシリーズだけを回している子、会話文だけを拾っている子は、量のわりに新しい言葉と出会っていません。
もうひとつ、「知っている」には段階があります。見たことがある、意味がわかる、自分で使える。読書が効くのははじめの2つまでで、使えるようになるまでには時間差があります。「読んでいるのに増えていない」と感じる時期は、たいてい、たまっている途中です。
増えないときの原因と家庭でできることはこちらです。会話や新聞もふくめた4つの増やし方は小学生の語彙力の増やし方|家庭でできる4つの方法を司書ママが解説にまとめています。

② 読解力——文字を読めることと、内容がわかることは別の力です
「うちの子、本は読めるんです。でも国語ができなくて」。よくうかがう相談です。この言い方の中に、答えが半分入っています。文字を読むことと、文章を理解することは、別の力です。
音読はすらすらなのに、「どんな話だった?」に「おもしろかった」としか返ってこない。それは、読み取るほうがまだ育っていないサインです。物語を読みながら「この人はなぜ怒ったんだろう」とくり返し考えることが、読解の練習になります。ただ、ストーリーを追うだけになっている子は、あまり伸びません。
「読解力がない?」のサインと、家庭でできること、目的別のドリル6冊はこちらです。物語は読めるのに説明文が苦手な子は本は読むのに国語が苦手な小学生|説明文でつまずく原因と、子ども新聞での伸ばし方もあわせてどうぞ。

③ 伝える力——「相手が何を知らないか」に気づく力
図書室で「馬の絵本はありますか?」と聞く子と、「教科書で読んだ、白い馬が出てくるお話の絵本はありますか?」と言える子がいます。探しているのは同じ『スーホの白い馬』です。説明が上手な子は、言葉をたくさん知っている子ではなく、相手が知らないことを足せる子です。
本の書き手は、読者が目の前にいないので、相手が知らないことを全部言葉で説明しています。本を読むことは、その「足し方」の見本にずっとふれていることでもあります。
「主語がない」「話が長い」「前提を飛ばす」の3つの型と、家庭でできる練習はこちらです。

心の力
④ 共感力——相手の気持ちがわかる力
共感力は、やさしさとは別のものです。相手の様子に気づく、何を感じているか想像する、どうするか決める。性格というより、技術に近い力です。
現実のけんかの最中には、相手の事情を考える余裕はありません。物語だけが、安全な傍観者の席をくれます。しかも本は、意地悪をする側の事情まで書いてくれます。読書で共感力が育った子は、「あの子がいじわるだった」から「あの子、なんかあったのかも」へ変わっていきます。
本と共感力の関係と、おすすめの本12冊はこちらです。

⑤ メンタルを安定させる力——「揺れない子」ではなく「戻ってこられる子」
図書室で見ていて安定していると感じるのは、何があっても平気な子ではありません。揺れたあとに、戻ってこられる子です。
本はこの「戻る」を助けます。荒れているときに向いているのは、開いてすぐ面白い本です。面白い気持ちとイライラは、同時には味わえません。5だったイライラが3になれば、その時間は役に立っています。落ち着いているときに「いいから いいから」のような、落ち着くためのことばを絵本で共有しておくのも効きます。
イライラ・不安が強い子への本の渡し方と、渡したい本7冊はこちらです。

⑥ 感性——気づけると、世界が輝く
感性は、気づく力です。空の色が昨日とちがう、道ばたの花が咲いた、友だちの声がいつもより小さい。同じ通学路を歩いていても、気づける子には、はるかにたくさんのものが見えています。
読書が感性を育てるのは、言葉が「見るための枠」をくれるからです。いちばん効くのは、本で出会ったものに、現実で会いに行くこと。花の絵本を読んだあと、本物の花を飾ってみる。本の世界と目の前の世界が行き来しはじめると、子どもの目つきが変わります。
花の絵本と本物の花を行き来する話は、こちらにまとめました。

世界を広げる力
⑦ 視野を広げる力・多様性を理解する力——「そういうこともあるな」と知っておくこと
子どもは「ちがい」に正直なので、悪気なく「へん」と言います。そんなとき、「みんな違っていいんだよ」と一般論で返しても、あまり届きません。図書室では「あなたはこの本が好きなんだね」と、目の前の具体的なちがいとして返しています。
本は、自分とちがう人生に前もって出会わせてくれます。深く理解できなくても、「そういうこともあるな」と知っているだけで、知らないのとは大きくちがいます。子どもが自分とちがう人から距離を置くのは、たいてい悪意ではなく、ただ知らないからです。
子どもが「へん」と言ったときの話し方と、小学生と読みたい多様性の絵本9冊はこちらです。

⑧ 情報を見きわめる力——「ネットで調べればいいじゃん」と言われたら
「調べる」ときは、小学生には実はネットより本のほうが「ラク」です。ネットは大人向けの情報が上に出てきて、自分でまとめなければなりません。小学生向けの児童書なら、必要なことが最初からまとめられていて、ふりがなもあります。図鑑を開けば、探していなかったことにも出会えます。
「読む」ときは、さらに大きなちがいがあります。ネットでは欲しい答えのところだけを拾い読みしますが、本は一語一語たどって読み、著者が考えた道筋をまるごと受け取ります。答えではなく、考え方のほうを持ち帰れるのが読書です。AIの答えが妥当かどうかを判断するのも、聞いた人のことばの力です。
「知る」と「身につく」はちがう、という話もふくめて、調べるときと読むときのネットと本のちがいはこちらです。

学びを支える力
⑨ 集中力——「集中しなさい」で集中できる子はいません
集中力は、集中に入る、続ける、切れたあとに戻るの3つに分かれます。「うちの子は集中力がない」という悩みの多くは、1つめの「入る」です。集中は、やろうと思ってするものではなく、自然と入っていくもの。だから「集中しなさい」より、取りかかるまでを小さく区切って伴走する、おなかや眠さを先に解決する、といった手立てのほうが効きます。
動画やゲームには何時間でも集中しているように見えますが、あれは外から刺激が入って「集中させられている」状態です。身につけたいのは、自分で注意を向ける集中。本は自分が読み進めなければ何も起こらないので、「入る・続ける・戻る」を何十回もくり返す、集中の練習になります。
「集中しなさい」の代わりにできることと、集中が続かない子に渡したい本はこちらです。

⑩ 学力——関係はある。でも「読めば上がる」とまでは言えません
読書と学力には関係があります。文部科学省の全国学力テストを分析した猪原敬介氏によると、小学6年生で平日の読書が「まったくしない」から「10〜30分」になると、国語も算数も成績が約7ポイント上がっていました。ただし、1〜2時間に増やしても上がるのは2〜3ポイントほど。いちばん差がつくのは、読まない子が少し読むようになるところです。
そして、読書が効くのは国語だけではありません。算数の文章題、理科の実験の手順、社会の説明文。教科の中身にたどりつく前に、全部日本語で書かれています。一方で、物語だけ・やさしい本のくり返しでは、たくさん読んでも成績に出にくいこともあります。
「読めば成績が上がる」はどこまで本当か、教科書の難しさから考えた記事はこちらです。1日の読書時間の目安は小学生の読書時間は何分が効果的?学力が伸びる目安を学校司書が解説にまとめています。

10の力は、ひとつずつ育つのではありません
ここまで10個に分けてきましたが、実際にはこれらは連動しています。
語彙が増えると、読める本が増えます。読める本が増えると、人物の気持ちの細かいところまでわかるようになります。気持ちがわかるようになると、自分の気持ちにも名前をつけられるようになります。名前をつけられると、しんどい日に立て直しやすくなります。
つまり、どれかひとつを狙って育てる必要はありません。おもしろい本を読んでいれば、全部が同時に少しずつ動きます。
| 動いたもの | つられて動くもの |
|---|---|
| 語彙が増える | 読める本が広がる/気持ちを言葉にできる |
| 読解力がつく | 全教科の理解/人物の事情を読み取れる |
| 共感力が育つ | 友だち関係/自分の気持ちの整理 |
| 集中力が戻せる | 宿題・授業/かっとなったあとの回復 |
| 視野が広がる | 知らないものを怖がらなくなる |
逆に言えば、どこかひとつだけを取り出して測ろうとすると、たいてい見えません。読書の効果がわかりにくいのは、そういう理由です。
大事なこと——力を育てようとすると、たいてい逆効果になります
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。
「力がつくから読みなさい」は効きません
10の力を並べておいて言うのもなんですが、これを子どもに説明しても、まず読みません。
読書が力になるのは、その子が「おもしろいから読んでいる」ときだけです。「読みなさい」と言われて読んでいる15分と、続きが気になって読んでいる15分は、同じ15分でも中身がまるでちがいます。
図書室で見ていると、これははっきりわかります。宿題として読まされている子はページの残りを何度も確認します。夢中な子は、そもそも残りを見ません。
順番は逆です。夢中が先で、力はあとからついてきます
「集中力がついたら読めるようになる」と考えている方は多いのですが、実際は逆です。夢中になれる1冊が、先に集中力を連れてきます。
語彙も同じです。語彙が増えたから読めるのではなく、おもしろくて読み進めた結果、語彙が増えています。
だから家庭でやることは、力を育てることではありません。その子が夢中になれる1冊を切らさないこと、それだけです。
効果を確かめようとしないでください
読書の効果は、すぐには出ません。そして、出はじめても本人には自覚がありません。
ここで気をつけたいのは、確かめようとする声かけです。「どんな話だった?」を毎回聞かれる子は、感想を用意しながら読むようになります。そうなると、物語に入りきれません。
読んだあとにぼんやりしている時間も、大事な時間です。すぐに次の指示を出さず、少し待ってあげてください。
学年別・どの力が動きやすい時期か
同じ読書でも、学年によって育ちやすい力はちがいます。目安として書いておきます。
| 学年 | 育ちやすい力 | 家庭で意識したいこと |
|---|---|---|
| 低学年(1〜2年) | 語彙力・集中力 | 読み聞かせを続けたまま、自分で読む時間を少しずつ足す |
| 中学年(3〜4年) | 読解力・共感力 | 物語の登場人物について、ひとことだけ話す |
| 高学年(5〜6年) | 視野を広げる力・情報を見きわめる力・伝える力 | 感想を求めず、子どもの意見に「そう思うんだ」と返す |
とはいえ、これはあくまで目安です。高学年から読みはじめても遅くありません。むしろ高学年は、内容の重い本を受け取れるようになる時期なので、ここで1冊はまると一気に読みます。
よくある質問
まとめ
読書で育つ10の力を、もう一度並べておきます。
- ことばの力——① 語彙力 ② 読解力 ③ 伝える力
- 心の力——④ 共感力 ⑤ メンタルを安定させる力 ⑥ 感性
- 世界を広げる力——⑦ 視野を広げる力・多様性を理解する力 ⑧ 情報を見きわめる力
- 学びを支える力——⑨ 集中力 ⑩ 学力
こうして見ると、読書は勉強のための活動ではないことがわかると思います。成績に出るのは10のうち1つか2つで、残りは、その子がこれからどう人と関わり、どう自分の機嫌をとっていくかに効いてきます。
そして、これらは力を育てようとして育つものではありません。順番はいつも逆で、夢中になれる1冊が、あとから全部を連れてきます。
親御さんがやることは、たったひとつです。その子がおもしろいと思える本を、切らさないこと。
今日、図書館の帰り道に「その本どうだった?」と聞くかわりに、「次はどれ借りる?」と聞いてみてください。そちらのほうが、ずっと先まで続きます。
その1冊を探し続けるのが大変な方へ——ヨンデミーという方法
ここまで読んでくださって、「結局いちばん難しいのは、そのおもしろい1冊を探し続けることでは?」と思われた方は、まったくそのとおりです。
正直に言うと、これは学校司書の私でも難しいです。その子が何をおもしろいと思うかは本当にばらばらですし、「おもしろい×少しだけ難しい」の線は学年では決まりません。そして、1冊読み終えてから次が決まるまでに間があくと、そこで読書は止まります。
図書室で見ていて、いちばんもったいないと感じるのはここです。本が嫌いになったのではなく、次の1冊が見つからないまま止まってしまう子が、とても多いのです。
わが家で使っているのが、ヨンデミーという読書のオンライン習い事です。東大発の読書教育の専門家がつくったサービスで、その子だけに合う本を選び、読み続けられるところまで面倒を見てくれます。
ヨンデミーがしてくれること
① その子のための選書
最初に、お子さんの読書レベル・好み・興味を診断します。そのうえで、AIとプロの知識を組み合わせて、「おもしろい」「少しだけ難しい」「その子に合っている」の3つを満たす本を提案してくれます。この記事の⑩までを支えているのは、結局このたった3つの条件です。そして、これをそろえるのが親にとっても学校司書にとってもいちばん難しいところです。
② 毎日3分のミニレッスン
本の読み方や楽しみ方を、毎日3分だけ教えてくれるレッスンがあります。ゲーム感覚でレベルが上がっていくので、子どもが自分からアプリを開くようになります。親が「読みなさい」と言う役をやらなくてよくなるのが、いちばん助かっているところかもしれません。
③ 読むのは、図書館の紙の本
ヨンデミーは本を売るサービスではありません。全国の図書館の蔵書検索と連動していて、おすすめされた本をそのままアプリから図書館に予約できます。選ぶのはアプリ、読むのは紙の本。だから本代はかかりません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| サービス内容 | AIの選書と読書習慣サポートが受けられる、読書のオンライン習い事 |
| 対象 | 小学生を中心とした子ども(きょうだいでの利用も可) |
| 月額料金 | 2,980円(税込)/2人目以降は1,980円(税込) |
| 入会金・教材費 | なし(本は図書館の本でOK) |
| 無料体験 | 30日間(自動課金なし) |
| 利用環境 | スマホ・タブレット・PCのブラウザ(アプリ不要) |
続けるのに、親の手がかからないこと
この記事で何度も書いたとおり、親御さんの負担にならない仕組みだけが、忙しい週を生きのびます。
親がすることは、予約した本を図書館に取りに行くくらいです。読書のことで子どもと言い合いにならないのが、いちばん大きいかもしれません。
もちろん、どの子にも合うわけではありません。30日間の無料体験は自動課金がないので、お子さんの反応を見てから決められます。兄弟で使ってみた正直な感想と、イマイチだと感じたところは【小5・小3の兄弟で1年】ヨンデミーの口コミ・評判|本が苦手な次男の変化と、一度やめた長男が戻った理由に全部書きました。
ヨンデミーの公式HPはこちらです。
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